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ペルーのコロナ事情

昨日は人生初Note、初投稿、そして初"スキ"まで頂いた。

初スキをくださった方にNoteの使い方すらわかっていない。

少しずつ勉強の日々である。


さて、ペルーの貧困について書こうと思い書き始めた

『ペルーの貧困1』

だったが、自己紹介で終わってしまった。

少しずつ書き続けて、第三世界の貧困について迫ってみたい。


爆発的感染

だが今日は文字通り

『爆発的感染』

を見せているペルーのコロナ事情について書いてみたい。

日本では様々な著名人が、

「コロナなど恐れるに足らず」

「ビビりすぎ」

「風邪みたいなものだ」

などと発言しているのを見る。


日本とペルーの感染者数の比較

9月15日現在のデータでは、

日本は世界ランキング第44位の感染者数で、


人口1億2千7百万 感染者数7万6,445人 

感染率は0.06%になり、

「気にし過ぎるな」

等の発言が出てくるのも分からなくもない。

なんだかんだ言っても、恐らく対岸の火事的な感じなのだろう。


しかし!

場所が変わってこのペルーではどうだろうか。

僅か人口3千2百万人のこの国は、

なんと!感染者数73万3,860人であり、

ランキングは世界第5位!!

感染率は2%で、日々10,000人の感染者が出ている。


日本は毎日約1,000人の感染者数と報道されているが、

数だけならペルーは日本の10倍、

人口比で計算するなら日本の約40倍の感染率なのだ!


しかもこれは分かっているだけの数で、

この数倍が隠れているといわれている。


ちなみにコロナ世界一のアメリカは人口3億2千8百万で、

650万の感染者。

パーセントにすると、1.9%で、


なんと!


ペルーは感染率でアメリカを抜いて世界一なのだ!

良きにせよ、悪しきにせよ、世界一になるというのは容易な事ではない。

どうすればここまで感染爆発できるのか?

何が原因なのかを考えてみると、、、


文化習慣による感染拡大

ラテン文化の挨拶は、ハグと共に頬に軽いキスをする。

初めてこれをする時は少々戸惑ったものだ。

「何?挨拶でキスか?」

我々日本人にとって、キスとは特別な意味を持つ。

日本人がキスをするには奥まった部屋へ2人で入り、

鍵を閉め、

毛布をかぶって行う行為、それが日本におけるキスであった。


そのキスだが、こちらでは挨拶なのだ。

家族、友人は勿論、初対面でも紹介されたらキスをする。

初めは戸惑うのだが、慣れるとこれが無いと何となく物足りなくなる。笑


このハグからの頬へのキスは、

コロナ対策のソーシャルディスタンスとは真逆の習慣で、

コロナが騒がれ始めた2月頃、

こちらの人々は「距離をとってください」という警報に

誰も耳を貸さなかった。


今日も運転をしていると、

マスクをしながら挨拶のハグ&キスをしている人達を多く見かけた。

相手が感染者の可能性や、自分が相手を感染させるかも、とか

全く関係なし。

自分は大丈夫と信じ切っている。


また日本人が親、学校から口うるさく言われて育つ

手洗い、うがいの習慣等が、

日本の感染防止に大きく役立っているのは言うまでもないが、

ラティーノ達は「やれ」と言われればやりたくない、

「やるな」と言われればやりたくなる人たちなのだ。


マスクの着用は義務付けられているが、

顎を隠すようにかけているだけの人を多く見かける。

今日は市場の写真を載せたが、

多くの人がマスクをしていないし、この距離感。

恐るべし、、、

感染がとどまることを知らない訳である。


私はコロナ以前はMiraFloresと言う地域に住んでいた。

ここは首都リマで最も治安が良く、

マチュピチュ目当ての観光客がリマに降り立つと、

クスコ(マチュピチュのあるクスコ県)へ旅立つ前に宿泊する観光地だったが、

ペルーの感染爆発はこのMiraFloresを訪れる海外の旅行者から始まった。

私の住んでいたマンションの両隣と向かいからも感染者が出て、

感染者がいる場所が赤い点で示される感染者マップでは、

MiraFlores区全体が真っ赤に染まり、

毎夜毎夜、消毒液を積んだ消防車が街中を消毒している状況だった。

このままではまずいと言う事で、

生まれたばかりの乳飲み子と共に

40キロ南下した小さな港町に家を借りて避難している。


医療問題

これだけ感染者が増えると、当然医療施設はパンク。

診察しきれない医療機関は、緊急用テントを張り対応に当たっているが、

どこでも長蛇の列。

方々の街では家族から追い出され、

医療機関に行くことが出来ない人々が、

高熱と肺の機能停止により道端で息を引き取り、

放置される、という事態が続いている。

そしてコロナの特徴として、

肺にダメージを受けた場合、体に酸素を取り込めなくなるため、

酸素ボンベによる呼吸の補助が必須なのだが、

この酸素ボンベが品切れで、

一つ3,000ドルにまで値上がりを続けている。

これは公的医療保険制度のないこの国で、

月250ドル程度の収入で、

国民の3から4割を占める低所得者層には絶望的な金額で、

家族から追い出され、治療すら受けられず、

道端で息を引き取る人々も大勢いる。

そして火葬場も当然パニック状態。

もともと土葬文化のこの国には火葬施設は少ないのだが、

火葬場は棺桶の行列になっている。


治安悪化

さてこの国では、このコロナ感染爆発問題以前に、

ここ数年、200万人とも言われるベネズエラからの難民流入問題に悩まされ、

治安の悪化が叫ばれていたのだが、

そこに追い打ちをかけるようにこのコロナ問題。

現在の治安はフジモリ政権以前の、

共産党テロ「センデロルミノーソ」時代に逆戻りした、

と言われるほどで、その変化は十二分に体感出来る。

バイクの二人乗りによるひったくり、

Uberなどの配達を装いドアをノック、

開けた瞬間に拳銃を突き付ける強盗などの急増。


先週は私が住むところから数十メートルの先にある質屋の老夫婦宅に、

物取り目的で強盗が押し入り、老夫婦を殺害する、

と言う痛ましい事件が起こった。


さあ、この先この国はどうなるのだろうか。

私には何が出来るのだろうか。

そしてあなたには何が出来るのだろうか。


そんな訳で色々考えながらまた明日。

最後まで読んでくれてありがとう!




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