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語り継ぐこの国のかたち 半藤一利

最近また読書に熱中している。
そしてこの本を読んで本当に良かったと心の底から感じるのでここに記しておこう。

途中現代に生きる私にはあまり馴染みのない戦争下の軍や政治の様子が繰り返し伝えられるのだけど、最終章に目が奪われる。

「凄まじい 断定という他ない。統師参考のこの章にあっては、言い換えれば 平時 返事を問わず 統帥権は 三権から独立し続けている存在だったとしているのである。さらに言えば 国家を潰そうが潰す前が憲法下の国家に対して配慮も何もする必要がないと言っているに等しい。言わば 無法の宣言である。それを超法規的と言っている」

軍が戦争を引き起こしあれだけの悲惨な太平洋戦争を産んだということだ。
私もこの国でおとなになるにつれて、常々日本という国はどこか恐ろしい人間性を持って世界から罰を与えられた国家というような認識を持っていた。
だけど、おとなになってから日本には素晴らしい文化や歴史もあることを学んだ。
世界的に見ても日本としての歴史が世界最古を誇っていたり、もてなしの文化や他者を思いやる気持ちにも感銘を受ける。
そうした明治までに作り上げてきた日本の精神が軍の統帥権によって、そして戦争によって失われたの書かれていたのだ。
未だ戦争について浅はかな知識しかない私だけど、納得させられる。

そしてその戦争の歴史は日本とは引き離すことができない歴史になった。
日本人の奥底にあったであろう残虐性に恐怖を覚える私のような人間が現代に産まれているのである。

憲法という方のもとに天皇も総理大臣も全て平等にあるべきだという話もとても興味深かった。
そして民主主義や国民の平等のためには、不正を行う政治家を淘汰して国をより良くすることを考える政治家に投票しなくてはならないと再確認するのであった。

まだ読み途中だけれど、ひとまず自分の知識を深化させる本である。

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