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【オンライン寺院を開設します!#3】オンライン寺院はお寺のパラダイムシフト

こんにちは、僧侶の神崎修生です。

このたび、オンライン寺院を開設しました。

オンライン寺院とは、オンライン上のお寺です。そのコンセプトや概念をまとめてましたので、こちらに記しておきます。これは後編(#3)になりますので、中編(#2)も宜しければ、ご覧ください。

▼中編記事(#2)

▼動画や音声でご覧になりたい方はこちら


お寺の二階をつくるには

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お寺の二階をつくる上では、二階への入り口の設計と、中身の設計が何より重要になります。
では、二階への入り口の設計と、中身の設計をどのようにおこなうと良いのかということですが、繰り返しになりますが、結論としては、

・入り口は、オンラインで設計したほうが良い。

・中身の設計は、求めに応じた内容にする。

ということです。

入り口をオンラインで設計することの良さですが、必要とする方が気軽にアクセスできること、オンラインなので必要とする人に情報が届きやすいこと、またお寺がどういうところか、お寺の人がどういう人かが分かることなどの利点があります。

入り口をオンラインで設計することで、先ほどの③の発信がなされていないという課題と、④の敷居が高いという課題の解決につながります。


中身の設計を求めに応じた内容にすることについてですが、そうすることで、①の求めに応じた取り組みをしていないという課題と、②の内容が求めに合致していないという課題の解決につながります。

中身の設計は、どんな内容を用意するかという内容自体が最重要であり、オンラインかオフライン(リアル)で設計するかどうかは、対象者と目的に応じて使い分ければ良いでしょう。二階向けの催しを、リアル寺院で開催するなど、必ずしもオンラインで完結しなくても良いと思います。


オンライン寺院というパラダイムシフト

今回のオンライン寺院は、このお寺の二階部分に相当するものです。つまり、二階を求める方(より良く生きたいと思う方や、悩みや不安を抱える方)が、お寺への接点を持つことができるお寺の入り口であり、悩みや不安などの苦しみが和らぎ、より良く生きていけるような場(お寺)を、オンライン上につくろうとするものです。

オンライン寺院は、一見、お寺のHPのようですが、前提にしている背景や概念が違います。リアル寺院のHPは、一階を求める方むけにつくり、オンライン寺院は、二階を求める方むけにつくってきます。

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一階と二階とで、求められることや機能が違うにも関わらず、これまでは一緒になっていたので、お寺側からすると、おこなっていることの目的や対象者がぼやけたまま催しなどをおこない、次第に参拝者も少なくなり、これを本当に続けていいのかといった疑問がわいてくるような問題がありました。

そして、生活者側からしても、仏教やお寺的なものに関心はありつつも、入り口もないし、自分のためにあると思えるような自分ごとになれる場がお寺には用意されていないといった問題もあります。


こうしたお寺の色々な機能がごちゃまぜになっていたものを、一階と二階に分類して、意味や概念を定義しなおし、二階を求める方むけに、入り口と中身を設計してオンライン上においたものが、オンライン寺院です。

このオンライン寺院は、お寺のパラダイムシフトとなる可能性があると私は考えています。


オンライン寺院の中身の設計は、それぞれのお寺によって違っても良いと考えます。実際のお寺(リアル寺院)でも、宗派や地域、住職や寺族の違いによって、お寺の中身が違います。

ですから、それと同じように、それぞれのお寺の人が、二階に必要とする中身を考え、設計していけば良いと思います。

このオンライン寺院の取り組みのポイントは、一階と二階の取り組みとを一旦分け、それぞれに設計するということです。

また、必ずしも、オンライン寺院という場全体を設計しなくても、今オンラインでおこなわれている二階的な取り組みを、オンライン寺院の取り組みとして位置づけても良いと思います。

これで、対象者と目的とが随分明確になり、活動の方向性がはっきりしてくると思います。


ちなみに、現時点で、私がオンライン寺院に設計している中身は、

・参拝・読経
・仏教講座、法話・コラム(文章・動画)
・お悩み相談(文章や動画で返答)
・催し・交流(オンライン・リアル)
・仏教のことば

などを予定しています。

宜しければ、実際にオンライン寺院へご参拝いただけますと幸いです。

▼オンライン寺院 信行寺



忘れたくないこと

今回は、オンライン寺院の概念についての内容だったので、オンラインやお寺の二階のお話が中心になりましたが、リアルなお寺やお寺の一階の活動も、勿論重要だと思っています。

現在も、一階の葬儀や法事、遺骨関連のことなどは、多くの方が檀家寺に対して求めていることであり、それが専門分野であるとも思われています。ご遺族やご門徒(お檀家)の思いに耳を傾けつつ、真摯に取り組んでいくことが重要だと思います。


そして、オンラインの取り組みも、遠くの誰かに届けようとするのではなく、ご門徒(お檀家)をはじめ、身近な方々に届けようと、その顔を思い浮かべながら、設計していくことも重要でしょう。

結局、リアルであれ、オンラインであれ、重要なのは中身や人に接する姿勢です。オンラインを活用したからといって、何かが突然変わるわけではありません。

また、お寺に来られている方々、特にご年配者層に対しては、オンラインはハードルが高いものですので、寺報や手紙、電話、日常的な交流など、アナログな手段が未だ重要です。

こうしたことは忘れず、オフライン、オンラインの特徴を活かしながら、お寺の場をつくっていくことが重要だと思います。


まとめ

今回は、オンライン寺院について、お話をさせていただきました。

これは、リアルとバーチャルの世界とが重なり合う時代にあって、オンライン上にもっとお寺があってもよいのではないかという素朴な疑問をもとにおこなっている取り組みです。

コンセプトは非常にシンプルで、仏教やお寺をもっと身近に感じられ、日々を穏やかに、心豊かに、今をより良く生きる習慣が育まれるような場(お寺)となればと思います。


お寺への求めや機能は、「先祖、供養、檀家、遺骨、布教」などを中心とするお寺の一階と、「より良く生きたいという思いや、悩みや不安」に対するお寺の二階とに分類できます。

今回のオンライン寺院は、二階の取り組みとしておこなっており、お寺の二階をつくるには、入り口をオンラインで設計することと、中身を求めに応じて設計することが重要です。

こうした概念を含んだオンライン寺院の取り組みは、お寺のパラダイムシフトとなり得る可能性があるものと思っています。

リアル・バーチャル、オフライン・オンラインそれぞれの良さをフルに活用しつつ、一階、二階の取り組みを進めていくことが重要なことです。


最後まで、ご覧いただき、ありがとうございました。


合掌


浄土真宗本願寺派 教證山信行寺

神崎修生

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