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【オンライン寺院を開設します!#1】オンライン寺院があると良い理由

皆さん、こんにちは。僧侶の神崎修生です。

私は、浄土真宗本願寺派の僧侶で、福岡県の信行寺というお寺の副住職を勤めています。

このたび、オンライン寺院というものを立ち上げました。オンライン寺院とは何かということですが、これは、オンライン上のお寺です。

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一見、お寺のHP的なものなのですが、その考え方や概念は違いますので、お寺のパラダイムシフト(価値観の変化)がおこる可能性のあるものではないかと思っています。


今回は、オンライン寺院を紹介するにあたって、立ち上げた背景や概念について、いったんまとめておこうと思い、書かせていただきました。なぜ、オンライン寺院を立ち上げたのか、そして、オンライン寺院とはどのようなものかについて、今回お話をしていきます。


きちんと言語化しておくことで、同じような思いを抱いている寺院関係者の方々の再現性も高まると思いますし、アップデートしやすくなるかと思います。

また、色々な方に、オンライン寺院の存在を知っていただくことで、必要とする方に活用していただけるようなきっかけとなればと思います。


・仏教やお寺に関心がある方
・落ち着いて、穏やかに暮らしたいと願う方
・悩みや不安、ストレスを和らげたい方
・寺院関係者の方

などに、お読みいただきたい内容になっています。


生活者の方々からすると、お寺業界というかなり特殊な業界の話になりますが、お寺業界には、今どういったことが求められてきているのか、どんな状態にあるのかを概観できるかと思いますので、関心がある方は、是非最後までご覧下さい。

オンライン寺院を立ち上げた背景

まず、オンライン寺院を立ち上げた背景について、お話させていただきます。

私には、素朴な疑問がありました。

・オンライン上に、もっとお寺があって良いのでは?

ということです。


この疑問の前提になっている時代認識について、少し確認しておきたいと思います。

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我々は今、リアルとバーチャルの世界を生きています。リアルな世界とは、この現実の世界です。バーチャルな世界とは、オンライン上の世界のことです。

では、皆さんに質問です。
情景を思い浮かべて見て下さい。電車の中で、色々な人がスマホを見ています。スマホに集中していて、横の人のことも特に気にしていません。こうした光景はよくある光景ですよね。

この光景について、あなたはどのように見えているでしょうか?

お互いが関心がなくなった時代だというような見方をされる方も、おられるかもしれません。ただ、それはリアルな世界からの見方だとも言えます。

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実際には、スマホを見ている多くの方が、SNSやゲームなどを通して、人とコミュニケーションをしています。つまり、オンライン上で、人と人がつながっているということです。

具体的には、Facebook、Twitter、Instagram、LINE、ゲームなどを介して人と人とがつながっています。最近では、オンライン会議なども非常にさかんになっています。

勿論、他にもニュースや動画を見たり、スマホで本を読んだり、個人プレイのゲームをする場合もあるでしょう。

ここで、何が言いたかったかというと、オンライン上で人と人とがつながることが当たり前な時代であること、つまり、我々はリアルとバーチャルが重なり合う時代を生きているということです。

身体は現実世界にありながら、思考はバーチャルな世界にいっていることも多いのではないでしょうか。


バーチャルな世界を生きるというと分かりにくいかもしれませんが、ようはスマホやPCで、オンライン上の何かにアクセスしている状態のことです。

一日のどの程度の時間、オンラインでの時間にあてているでしょうか。かなり多くの時間を割いている方もおられると思います。現代の我々は、リアルとバーチャルの世界を生きていて、その両者が重なり合っている時代を生きていると言えます。


こうしたそうした時代認識を前提にした時に、私が持つ素朴な疑問は、

・オンライン上に、もっとお寺があって良いのでは?

というものです。

人とのコミュニケーションにおいて、オンライン上で完結することも多いですよね。今や実際に会うよりも、SNSを通したオンライン上で会いコミュニケーションすることのほうが多いという方も、かなりの数おられるでしょう。

そのように、人とのコミュニケーションがオンライン上で完結するような時代にあって、お寺の伽藍を用意して、そこに人が参拝してきてコミュニケーションするというお寺のモデルだけでなくてもいいかと思います。

これは、リアルなお寺が必要ないということではなくて、オンライン上でコミュニケーションが完結する時代に、オンラインで仏教やお寺に触れられ、苦しみや不安が和らぎ、より良く生きていこうとできるような場(お寺)をオンライン上に設けることは、重要なことだと思うのです。


実際のお寺は、現在全国に約7万5千ほどあると言われています。それに対して、オンライン上にあるお寺的なものは、インターネット寺院の彼岸寺など、いくつかしかありません。

勿論、お寺のHPなどは、色々ありますが、この後説明するように、お寺のHPと、オンライン寺院とは、前提にしている背景や概念が違う場合が多いです。

お寺のHPは、ほとんどの場合、リアル寺院でおこなっている活動があくまでベースであり、その活動報告や、ご縁づくりをメインにしているものです。

一方、オンライン寺院は、オンライン上で仏教などに関連する動画や文章などのコンテンツ配信や、交流自体もオンラインでおこなわれるような、オンライン上にお寺があるイメージです。


オンライン寺院のコンセプト

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オンライン寺院のコンセプトは、非常にシンプルです。

・仏教やお寺をもっと身近に
・日々を穏やかに、心豊かに
・今をより良く生きる習慣を育む

というものです。


お寺を、抜苦与楽の場(苦しみが癒やされ、より良く生きていくきっかけとなる場)であるとするならば、このリアルとバーチャルとが混ざり合い、境目がなくなってきた時代においては、実際のリアルな寺院だけでなく、オンライン上にもっとお寺がたくさんあってもおかしくないと思います。

オンラインの利点

あらためて言うまでもないかもしれませんが、前提認識を揃えるためにも、オンラインの利点についても触れておきます。

一つ目の利点は、時間や空間の制限を超えられるということです。つまり、オンライン上にお寺があれば、いつでも、どこでも、誰でも気軽にアクセスできるということです。

二つ目は、運営者側の視点ですが、多くの方にアプローチできるということです。日本の人口の約80%の方が、インターネットを利用しています。リアル寺院は、地域や門徒(檀家)を中心として成立していることが多いですが、もっと対象者が広く多くなります)

三つ目は、コストが安いということです。運営コストが安いので、オンライン寺院を立ち上げる費用も少なく、利用者も安価に利用できる。


オンライン寺院は、このオンラインの利点を活用しながら、仏教やお寺をもっと身近に感じていただき、日々を穏やかに、心豊かに、今をより良く生きる習慣を育んでいけるような場やきっかけをつくろうという取り組みです。


▼続きの中編(#2)はこちら

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