陸上競技から離れてみて
陸上競技を1~2年間休養すると言ってから,半年ぐらいには経つ.
このnoteでは触れていなかったので,今更と思うかもしれないが,かつては陸上競技短距離(100m, 200m)を専門とするアスリート(スプリンター)だった.
高校までは,人並みに足が速いとはいえ,部内ではエースではなく下っ端レベルだったのに,大学に入ってから部活などに入らないで自分で考えながら練習するようになった途端,自己ベストを5年連続?更新するほど伸び,世界ろう者陸上競技選手権大会やデフリンピック(4年に1度だけ開催される耳が聞こえない人による耳が聞こえない人のためのオリンピック)の4×100mリレーメンバーに選ばれ,リレー種目で,日本史上初の金メダル獲得を成り遂げた(てしまった?)経験がある.
あれから2年経つ.
デフリンピックで金メダルを獲得した代償である,肉離れを治し,再始動をしようにもできなかった1年間を通し,博士後期課程の入学を機に,1~2年間の休養を決めた.
だが,いまだに"走りたい"と心体からは聞こえない.
偶然,部屋にある漫画が目に入り,久々に読む.デフリンピックにも持っていくほどルーティンに近いものだった.
”やはりいいな”しか感じず,走りたいと思えないし,自分を漫画のキャラクターにも置き換えることもできなかった.
そんな時に,SNSのプロモーションである漫画が目に入り,気になって読んでみた.
”うん,100mって結局なんだろうな”と改めて実感する.哲学や科学技術などで語るようなものではないが,人々はなぜか100mを最速で走り抜くことに魅力を感じる.
そういえば,為末大さんが”引退”について何か書いていたなと思い出すとともに,末續慎吾さんもどこかの記事で本音を吐いたなと思い出した.
と読み漁っていたら,弊ラボのボスの落合さんと一緒にxDiversityをしている,Xiborg社の遠藤謙さんと話していたことを目の前でフラッシュバックする.
そういえば,初めてお会いしたのが,デフリンピックに出場する年の春だったな.そこで研究について相談していたし,スポーツ に取り巻くビジネスとかも考えたほうが良いではと貴重なアドバイスをもらっていたのは,今になって凄い有り難いと思っている.
あれから,再び対面したのが今年の初夏で約2年ぶりだった.
本来は研究関連で島影さんと一緒に相談しに来たのに,”君,本当は走りたくないでしょ”と研究の話で相談しに来ていたことを忘れるぐらい心の中を見透かされたような感覚に陥ったのもレアな体験で楽しかった記憶に残っている.
如何にもあれ,1~2年後になってみないと,私自身はどうなっているのか改めて問いかけることができないし,もしかしたら突然走りたいと己の心体が叫ぶかもしれないだろう.
他の皆さんからみると,事実引退とか言っているけれど,そんなの気にしないでじっくりと己の心体と語り合っていくだけなので,何も気にしないで下さいとしか言わない.
後,私は過去の栄光にすがるとかしがみつくつもりはないし,そんなのしてたら,”虎の威を借る狐”になってしまいそうで自分で自分に対して嫌悪感を抱えてしまうので.
最後にこれだけを言わせてもらうと,
ただ,風を感じたくて,速く走り抜けたかっただけ
だけである.
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