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愛はおしゃれじゃないし、サブスクリプションは万能じゃない

 前回の記事から、8ヶ月が経った。ちなみにこの記事は、書こうと思ったら、いつの間にか時間が経ち、下書きとして眠り続けていたものだ。音楽について綴ろうと思う。

 世の中が進化や発達をし過ぎて、音楽も様々な形で変貌を遂げた。以前は、レコード、カセットテープ、コンパクト・ディスク(CD)、ミニ・ディスク(MD)、MP3となり、最終的には、定額制のサブスクリプションになった。以前はオリコンチャートを気にして、雑誌を買ったり、どんな音楽が流行しているのかをいち早くチェックしていた。しかし、某48グループが、会えるアイドルとして、CDに握手券というものを付けて、音楽の価値を下げた。音楽というより距離感で人を集めるという商法は、何処か奇妙な感じがした。

 サブスクリプションは、良いものなのかもしれない。実際自分も時々利用している。しかし、サブスクで全ての音楽が聴くことが可能かとなると、そうではない。例えば、電気グルーヴの楽曲は、一部他の曲から引用し、サンプリングしている。『VOXXX』の最後の楽曲、「ハロー!ミスターモンキーマジックオーケストラ」は、ディスコが栄えていた時に流行していたアラベスクの「ハロー・ミスター・モンキー」とゴダイゴの「モンキー・マジック」のフレーズを随所に散りばめて、独特の混沌とした楽曲を生み出しているが、その楽曲がSpotifyには配信されていない。また、『人間と動物』の6曲目にある「Prof. Radio」は、ザ・ドリフターズの「ドリフのホントにホントにご苦労さん」をサンプリングしているため、この曲だけ配信してない。セルフトリビュートアルバムの『The Last Supper』でも、「21世紀もモテたくて」という曲があるけど、その曲もC-C-Bの「ロマンチックが止まらない」等の楽曲がサンプリングされて、その曲も配信されてない。
 2021年にBIG-O(OSUMI)が亡くなり、SHAKKAZOMBIEのアルバムをサブスクで聴こうと思ったら、『Hero The S.Z.』は、5曲しか配信されてなくて、『THE GOODFELLAZ』も本来15曲あるはずが、9曲しか配信されてない。「RIGHT HERE」が収録されている『GET ON DA TRACK』に関しては全くない。恐らく楽曲のサンプリングや権利上配信されないからだろうか。だったら、渋谷のTSUTAYAでアルバムを借りて、リピートする手だ!と思い、約1年間に借りた。しかし、そのエンターテインメントのシンボルとして君臨していた渋谷のTSUTAYAもレンタルCDやDVDも無くなり、約1ヶ月前に改装のために、クローズしてしまった。「RIGHT HERE」のPVと庵野秀明監督の『ラブ&ポップ』の最後は、渋谷川が映し出されているが、15年以上経つと近くに洒落たビルがいつの間にか聳え立っている。誰がこんなことを予想できただろうか。
 渋谷系と呼ばれ、かつてポップアイコンとして素晴らしい活動をしていたPizzicato Five(ピチカート・ファイヴ)も、配信向けのアルバム、楽曲をSpotifyにて聴けるが、かつてのアルバム『さ・え・ら ジャポン』や『ハッピー・エンド・オブ・ザ・ワールド』も配信されてない。

 若干横道に逸れた。
 音楽に関しては、山下達郎氏も、マキシマム ザ ホルモンも、甲本ヒロト氏と真島昌利氏(ex.THE BLUE HEARTS,ザ・ハイロウズ、現:ザ・クロマニヨンズ)のバンドの楽曲も、解禁していない。ホルモンに関しては、曲だけでなく、ジャケットや歌詞カードを含めて、音楽という総合芸術としているから、サブスクだけバラバラにすることが出来ないそうな。レンタルや配信が全くされていない、ホルモンのアルバム『予襲復讐』は、何故か図書館で借りる事ができ、得した気分になった。
 モーニング娘。等のハロー・プロジェクト系の人々もサブスクを解禁していない。そういう運営方針なのだろう。ハロプロの楽曲が何故か急に聴きたくなる衝動に駆られる。初期のモー娘。も今のモー娘。も少ししか聴いてないけど、何故か好きだ。理由は元気になるから。でも、CDを買うと費用とスペースが嵩んでしまうため、TSUTAYAや図書館でレンタルして聴いてた。いつかライブ行ってみたいけど、そういうのを古参のファンは知り、激怒しないかと思ってしまう。
 イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の『テクノドン』だけ、何故かSpotifyになくて、それだけ図書館に行って借りた。
 意外と図書館は穴場スポットなので、CDを借りるには好立地なのかもしれない。

 そういえば、「安室奈美恵のサブスクが消えた」とネット民は嘆き、ニュースになっていた。自分も、「安室ちゃんの楽曲なら、当分の間、配信されるだろう」なんて高を括っていた。しかし、急に消えた。もしかしたら、電撃の引退から5年という節目に、本人の意向で、聴けなくなったのかもしれない。
 KICK THE CAN CREWも、予告していたとはいえ、一部のワーナー時代のアルバムが全くサブスクで聴けなくなったので、自分のポータブルの機器に楽曲をインプットした。

 なので、自分が思うに、「愛はおしゃれじゃないし、サブスクリプションは万能じゃない」ように思う。全ての楽曲を網羅しないまま、音楽が流れている。
 ちなみにタイトルの「愛はおしゃれじゃない」の部分は、岡村靖幸ちゃんとベボベ(Base Ball Bear)の小出祐介さんの楽曲から取った。岡村ちゃんのアルバムは、ほとんど配信されているけど、『Me-imi』のみ配信されていない。Def Jam時代のアルバムだけれど、その前後で覚せい剤で逮捕された件もあるのかな、と思った。かつて、岡村ちゃんがプロデュースした川本真琴も「サブスク考えた人は地獄に落ちるべき」なんて発言して、問題になったことがあったけど、サブスクは万能じゃないし、それで心が満たせるのなら、音楽の価値も薄っぺらいものになるだろう。
 本当に良いものは、いくら年月を経ても良いものだし、どんな形で姿を変えても素晴らしいものであるのは周知の事実だから、そんなにこだわらなくてもいい。ただ、あのCDという形が自分は好きなので、その文化がなくなってしまうのは寂しい。

 音楽はこれからどこへ向かうんだろう。
 分からないけど、とりあえず自分は、好きなアーティストのライブには行きたい。
 そして、死ぬまでに叶うかどうか分からないけど、宇多田ヒカル、椎名林檎(東京事変でもいい)、米津玄師のライブには行きたい。
 音楽に関しては、そんなことを頭に浮かべながら生きている。

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