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作品における関東大震災

2023年9月1日、関東大震災から100年となりました。日頃から防災訓練や対策が行われていますが大昔から語り継がれた災害の話を頼りに助かった命もあれば科学を駆使してマニュアルに沿っても犠牲になった命もあります。

今回、関東大震災を扱った作品について語ります。

1923年(大正12年)9月1日午前11時58分、マグニチュード7の強い地震が発生し関東一帯が被害を受け東京、神奈川は壊滅状態でした。死者・行方不明者は10万人以上で生き残った人たちはなす術もありませんでした。そこから忘れがたい人災が生まれました。朝鮮人、中国人への虐殺事件です。中国、朝鮮から出稼ぎに来た人たちは日本人の偏見・差別を受け、震災の混乱から生じた狂気によって殺されました。朝鮮人、中国人だけでなく一部の日本人が間違えられて殺害される事件もありました。

前置きはそこまでにし各作品における関東大震災はどんな風に描かれていたでしょうか。

大和和紀の『はいからさんが通る』(以下、『はいからさん』。※ 一部、作品内容に触れる場合があります)から入ります。『はいからさん』はご存じの通り主人公・花村紅緒が婚約者・伊集院忍と出会い愛し合う物語でテレビアニメ、映画、舞台作品になった人気のある漫画です。記憶を失い別人となった伊集院忍を諦め記者として勤める出版社社長・青江冬星と結婚しようとした矢先、地震に襲われる場面が登場します。地震が紅緒、忍、冬星の3人に加え、ロシア貴族夫人ラリサとの四角関係の結末を迎える役割を担います。

大河ドラマ『いだてん 東京オリンピック噺』(2019年)では浅草にいたシマ(演:杉咲花)が巻き込まれ生死不明になったり金栗四三が朝鮮人に間違えられ殺されそうになったりする場面が登場します。先程触れましたが同じ日本人でも方言や出身が違うと殺された事がありました。その中の一つが最近はじめて映画化され公開された『福田村事件』(2023年)です。この作品は未鑑賞で観た後に感想を述べることにします。※ 追記『福田村事件』感想記事を作成しました(2023.10.12)

同じ大河ドラマで渋沢栄一を主人公にした『青天を衝け』(2021年)にも関東大震災が登場します。渋沢栄一が仕えていた徳川慶喜の伝記を作るために集めていた資料が震災で焼失する場面があります。渋沢栄一がじっくり読もうと東京市内(東京都心部)の事務所に保管していましたが失われ渋沢栄一の哀しみはいかに大きかったかわかります。実際、震災や東京大空襲で失われた資料や文学、美術作品、文化財は数多くあります。

NHK連続テレビ小説も関東大震災に触れた作品があります。橋田壽賀子の『おしん』(1983年)では田倉しん(おしん 演:田中裕子)が夫と共に商店の開業祝いを催す最中、地震に襲われ何もかも失う場面、『あぐり』(1997年)では望月あぐり(吉行あぐり 演:田中美里)の夫・エイスケ(演:野村萬斎)の安否確認に東京に行き病院を見て回る舅(演:里見浩太朗)の場面、『花子とアン』(2014年)では村岡花子(演:吉高由里子)一家が被災し夫・村岡英治(村岡儆三)の弟・郁也(演:町田啓太)が死亡し花子の妹・かよ(演:黒木華)がショックを受ける場面があります。

『らんまん』(2023年)は要点を上手くまとめられ震災を伝えました。

関東大震災、及び虐殺事件で亡くなられた方々への哀悼の意を表します。

※ 2023. 9. 6 追記
※ 2023. 9.13 修正
※ 2023. 9.23 追記
※ 2023.10.12 リンク追加

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