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【映画#1】今年の映画はじめに「ドライブ・マイ・カー」

”面白いことを面白いままに伝えられる面白いおとなになりたい!“と始めたnote。
観た映画や本がどんなに素敵だったか、伝えるのって難しい。
でも出来るようになりたい!のでので修行していきたいと思います🚶🏻‍♀️

2023年、今年の映画はじめに「ドライブ・マイ・カー」を観ました
理由は年末年始のおやすみ中に5年ぶりの運転練習を始めたから(どペーパー👶🏻)

久しぶりすぎる運転にあまりにおどおどしてたので
車でどこかへ旅するような希望の映画を観たいよ〜と
とっても話題だったのに観れていなかった本作を観ました。

※タイトルに引っ張られたけども
ただ車を運転する話ではありません←

お久しぶりの”はじめまして映画“。
初対面のようになぜか緊張するのですが、
また人生のうちにもう一度見返したい作品に出会えて良き年明けになりました。

◾️あらすじ
劇作家兼俳優の主人公(家福)と脚本家の妻(音)。
2人は数年前に娘を亡くしている

体を合わせるたびに不思議な物語を紡ぎ、
主人公が主演する戯曲のセリフをカセットに吹き込む妻。
物語が2人を繋ぎ、心の溝を埋めるように互いを“真”に必要としている

と思っていたが、妻の知らない一面を見てしまう主人公
平穏な日々が崩れるのを恐れ、妻の“本当”に触れられない。

ある日「話がしたい」と伝える妻だったが、
前触れなく亡くなり、帰らぬ人になってしまった。
妻の“本当の姿”はなんだったのか。

一3年後、芸術祭での上演演出の為に広島に向かう主人公。
そこで芸術祭の専属ドライバーである(みさき)と出会い、上演に向けた準備が始まる
絵も上手になっていく予定


正直、冒頭のアンニュイな雰囲気と肌合わせ合わせに
これは誰かと見れないなあとか、心の中が踊りだしくなる子どもの私ですが

開始40分での「オープニング」。
ぐわっと物語に引き込まれる感覚に「あ、“映画”を観ている」と鳥肌が立つというか、主人公の過去と画面を進んでいく赤い車に人生そのものを見せられているような、
省略した先に見られない、ひとりの人生の途中から焦点が絞られていく感覚にどきどきしました。物語は人生の途中から。


芸術祭での上演に向けて物語は進みますが、戯曲は“多重言語演劇”。
さまざまな国の言葉が飛び交いますが、言葉が全てじゃない
言葉の先で分かり合える時と分かり合えない時
演技と“本当”、物語が進むにつれてひとりひとりの多面性に魅せられていきます。

中でも手話の女性。
オーディションの場面から心を渡すような演技の真っ直ぐさに引き込まれます。


芸術祭公演の主演を務める俳優さん。
人間関係がだらしなく、いつも人に追われている。

でもたったひとりを尊敬し愛していた“本当”
演技を愛していた“本当”
抑えられない狂気も“本当”

車の中、長回しで
「愛した他人の“本当”を見るには、自分自身を深く見つめなければならない」
と語る目に人間のどうしようもなさを、
画面越しにあなたは自分の本当を見れているのかと問いかけてきます。
(岡田将生さんの演技が凄すぎる

そして主人公・家福を劇場へ送り迎えするドライバーのみさき。
同じように、でも違う傷を持った2人ですが
平静を保っていた2人が車をひとつの部屋として心が次第に通っていく姿を見て
こうやって人は心を溶かしてゆくのねと、
心の1番柔いとこに触れられるような心地がします。

予告にも出ている車の煙草のシーン。どうしようもない事を知ってしまった後、
煙った2人の命が灯って進んでいく車。(手が描けないぞ


車は人の心が本当になる場所
それぞれが色々な面をもちながら生きている。

苦しみの受容。
乗り越えようとする先の終盤の芸術祭の舞台シーンはとっても静かで
でも人間がどう生きるべきか伝えてくれる美しさでした。
(私はまたこの場面が観れるように、またこの映画を観たい)


そしてラストのそうくるか!が面白い。やっぱり映画は面白いぞと、
自分の“本当”をもっとみつめてやりたい。やり過ごさずに生きていきたいと
力をくれる映画でした。

そして自分の人生を進んで行けるように
車もっと練習したいと思います。
(世の中のみんな凄すぎる

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