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ケース面接対策②〜コンビニの売上〜

目安時間:10分

当記事は、
ビジネスや就活で役立つコンテンツを5分程度で読めて、直ぐに実践できるをコンセプトにTHE Professional運営メンバーが執筆したものです。

今回は「あるコンビニエンスストアの売上を2倍にせよ」といったビジネスケースを扱います。

典型的な問題ですが、きっちり解けますか。
早速ですが、一度自分で解いてみてください。

以下は1つの解答例です。

問題
「あるコンビニエンスストアの売上を2倍にせよ」(回答目安時間10分)

STEP1:前提確認

ここではケース面接のお題に対して、「語句」「想定クライアント」「目標」を明確にする必要があります。

・語句:曖昧・多義的な語句があれば意味を確認する
・想定クライアント:誰からの相談かによって打ち手が制限されるため、問題解決の当事者を決める
・目標:定量的な目標を、対象エリア/タイムスパン/目標増加率を軸に決定する(特に「いつまでに達成するか」「年間の売上か一日の売上か」)

今回は以下のように設定します。

語句の定義:売上高総利益(以下では粗利と表現する)
想定クライアント:個人経営のコンビニエンストア
目標:3年以内に年間の粗利を1.5倍にする
前提:3年以内に外部環境が変わることはないので、内部環境に着目する

STEP2:現状分析

ここでは設定した条件下での状況を洗い出して、その後フレームワークを用いて状況の構造を明らかにしていきます。
現状は様々設定できますが、ここでは一般的な住宅街の中にあるコンビニエンスストアを想定してください。
(現状を設定したあとは3C分析や4P分析を用いて分析するとなお良いが、時間内にアウトプットまでたどり着く必要があることを忘れてはならない)

フレームワークを用いると、粗利はこのように分解できます。

粗利=売上-原価
  =客単価×客数-(固定費+変動費)
  =(商品単価×購入頻度)×(人数×頻度)-(固定費+変動費)

STEP3:課題特定

ここではどこがボトルネックになっているのかを特定していきます。
ボトルネックは基本的には効果(インパクト)×実現可能性(フィージビリティ)の掛け合わせで見つけていきます。

1. 商品単価
商品単価を上げることは、店舗全体の商品構成比率において、高価格商品の割合を増やすことで可能ですが、廃棄リスクを高める上に一部プレミアム商品ブームがあるとはいえ、顧客はコンビニエンスストアに高価格商品を求めてはいません。
2. 購入頻度
ついで買いを促すように商品配置に工夫をしたり、棚のデザイン性を高める、POP広告を出すと選択肢が幅広く、またコスト面も各店舗レベルで導入できるので抑えることができます。ただ、1回に使用するお金を極端に高くすることは難しいです。
3. 人数
人数増加が粗利に与える効果は大きいことは間違いないですが、周囲には競合他社のコンビニエンスストアも多くあり、新規顧客を連れてくることは相当難しいと想定されます。ただ、広告を打ち出したり、ディスカウントクーポンを発行すること、キャッシュレスアプリの導入などによって新規獲得を図ることはでき、ここでは売上を向上させればいいので、コストがかかるこの施策も想定できます。
4. 頻度
3の人数同様効果は大きいです。また購入点数と同じで様々な選択肢の可能性があります。サービスレベルの向上や魅力的な売り場づくりで来店頻度は高めることが可能です。
5. 固定費 
店舗単位で解決できる部分はほとんどないです。レジを自動化するなどで人件費を削ることは可能ですが、レジの機械の導入費も相当かかるので、今回に関しては与える影響は少ないと考えられます。
6.変動費
5の固定費と同じで店舗単位で解決できる部分はほとんどないです。

以上よりマトリクスに表してみると以下のようになります。

      効果  実現可能性  評価
1. 商品単価  ◎    △     
2. 購入頻度  ○    ○        
3. 人数    ◎    △    
4. 頻度    ◎    ○       ☆
5. 固定費   ○     ×
6. 変動費   ○     ×

STEP4:打ち手提案

ここまでくれば、あとはボトルネックに対して自分の意見を交えながら打ち手を立案し、出した打ち手に対して評価をします。この評価は再度効果と実現可能性の視点から考えていきます。その上で、複数ある解決策の優先順位を付けていきます。
また、当たり前な打ち手を提案するのではなく、しっかり自分の良さも打ち手に含むように意識しましょう。ここでは創造性やアイデアを生み出す力もみられています。

ボトルネックだと考えた4の頻度の課題には、「常連さんに合ったおすすめの商品を紹介する」「各カテゴリーに店員のおすすめ商品を掲載する」「店のシンボルとなる特徴的な店員を雇う」の3つを提案します。
1つめに関してはこの店舗が特定の顧客に対して、その人の嗜好に合った新商品やオススメ商品を提案することで、この店へのロイヤリティを高めて、来店頻度の向上を狙います。
顧客(常連)に特別感を与えることができるため一定の効果はあると考えられます。ただ、常連を店舗スタッフで逐一共有しないと効果は最大限発揮できないので、データ管理の部分や共有工数を考慮すると実現可能性は低いと考えられます。
2つ目に関しては各商品棚ごとにPOP広告などによって店員の主観を入れることによって、店舗自体に愛着を感じてもらい、来店頻度の向上を狙います。
これはあまり取り入れている競合他社がいないので、差別化にはなると考えます。ただ、魅力的な店員がお勧めしないと顧客は見向きもしないと考えます。コスト面はPOP広告作成費と人件費なので、そこまで大きくはならないでしょう。
3つめに関してはそもそもその店のシンボルになり得るような人材を雇ってきて、顧客にファンになってもらい、会いに来たいという欲求を使って、来店頻度の向上を狙います。
これは2つめの問題を解決でき、さらにコンビニエンスストアの概念自体も変えることができると考えるので、効果はかなり大きいと考えます。実現可能性に関しては期間を3年と置いているので、アイドルとなり得る人材を複数人発掘する時間は十分あると考えています。

これらをマトリクスに表してみると以下のようになります。

           効果  実現可能性  評価
1. 常連への商品紹介  ○     △
2. おすすめ商品掲載  ○     ◎  
3. 店員のアイドル化  ◎     ◎     ☆

まとめ

最後は面白くないかもですが、筆者の主観で面白そうなアイデアを提案してみました。
アイドルとの握手会に行く感覚でコンビニに物を買いに行く(握手会参加チケット付きの CDを買う感覚)ことが実現すれば、売上を2倍にできそうですよね。
このように自分なりの考えをしっかり反映させるとバリューを発揮できると思います。
(前提僕はアイドル好きです。)

この記事はビジネスの基礎力を身に着ける、外コン/外銀/ベンチャー/企業を目指す若者向けのコミュニティ、The Professional運営が書いたものです。
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執筆担当 福本
THE Professional 運営
1年間 University of Leeds Business Schoolに留学し、帰国後Education ・Agri Tech・HR領域のスタートアップ 立ち上げを経験する。誰もがいつでも自分のしたいことができる世の中を創っていきたい。