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どうしようもないくらいどストレートだ

2024年8月31日に、浅岡雄也さんがシングル「どうしようもないくらい君が好きだ」を発売されました。おめでとうございます!

曲名を見て気になった方、こちらから購入できます。


万が一、いちファンの感想が気になった方がいれば以下から読めます。
が、当方、左斜め下の独特目線で感想を書いておりますので、諸々ご了承ください。


ジャケット写真の感想はこちらです。


歌詞カード他の感想はこちらです。


やっと今回、楽曲の感想です。

作品名は、かぎ括弧太字で表記します。
歌詞は歌詞カードから引用します。
現在の筆者の楽曲の好みの方向性により、感想が多々偏っております。

全9曲入りでシングル。
楽曲は次の3曲です。

1 「どうしようもないくらい 君が好きだ」
2 「Magic Time」
3 「LIFE GOES ON〜2024AG〜」

プラスして、この3曲のインストとボーカルのみも入って全9曲。豪華!


1 「どうしようもないくらい 君が好きだ」

曲名が、長い(そこ?!)。
17文字。
前回のシングル「君と歩きたい」のカップリング「夜の海を歩きながら君のことを考えてる」も29文字で長いが、こちらはカバーなのでカウントしないとすると、ご本人作詞曲では一、二を争う長さと思われます(面白そうだからこれはいずれ調べてみよう)。

それにしてもどストレートな曲名。
インパクト大!
だけど、歌詞に出てくるのはサビの2回。
曲名につられて激甘なラブソングと思ってしまいそうだが、ちょっと様子が違う気がする。

歌詞に出てくる「君」の様子が全く分からないのだ。「僕」に対して何かしらの反応を返した様子が描かれてもおかしくないのに。

あの日 君が僕に笑顔向けた瞬間※(とき)
「守らなくちゃ」と勝手に感じてた

※カッコ内筆者の補足

一方的に「僕」が「君」に対して感じていたが、それに対して「君」の反応は書かれていない。そもそもが「勝手に」と言っているし。

愛する意味は謎で イマも分からないけど
確実なのは サヨナラは言わない 誓うよ

「愛を誓う」ではなくて「サヨナラを言わないことを誓う」ってあまり見ない表現だな。少々回りくどい。
「ずっと一緒にいるよ」てことを前向きに表現すると「愛を誓う」で、後ろ向きに表現すると「サヨナラを言わない事を誓う」になるのか?

ただ、「愛を誓う」よりも「サヨナラは言わない」方が、相手と自分の状況がどんなものであっても感情的に揺るがない芯がありそう。物理的に相手と離れても、心の中ではずっと思い続ける事ができるような。

「愛を誓う」は気持ちが盛り上がったその場の勢いで言えるし、その後結局冷めてしまいそうだが、「サヨナラは言わないを誓う」方が、一時の気の迷いではなく、冷静に決断した感じ。
ただ、少し狂気じみた感がある。サヨナラを言わずにずっと思い続ける、てところが。

が、浅岡さんの声で歌われちゃうと狂気が飲み込まれてしまい、うまいこと丸め込まれてサラっと流れてしまう。

一時的な感情ではなく、永続的な感情についての新しい表現かもしれない。


歌い出しを読んでも分からなかったのが季節。

季節が変わるような 風が抜けて
旅立ちの時は もうすぐ来るね

旅立ちの時と聞いてイメージするのは卒業やら進学、就職のある3月だ。なぜに今の時期にこの歌詞なのか…(8月31日発売)。
あ、もしかして結婚式かな。 季節はあまり関係なく一年のうちどの時期で結婚しても良いし、旅立ちだし。

薄くて濃いような 時間※(とき)を重ね
僕ら 大人になれたのかなぁ

※カッコ内筆者の補足

「僕」と「君」は友人同士だが、「君」は 「僕」ではなく他の人を選んでこの度めでたくも結婚する運びとなりました。
それでも「僕」は「君」を友人のままでずっと思い続けること、サヨナラを言わないことを決めた。それで 狂気じみているのかもしれない。 
一歩間違うとストーカー化してしまう可能性もあるし。だから「愛している」じゃなくて「好き」に留めているんだな。これが「愛」になってしまったら、泥沼の愛憎劇に成り代わってしまうから。

信じることで強くなれる 本当なのかな
愛するってこと いつか解るなら いいなぁ

「君」にサヨナラは言わないけれど、このままでは前進できないことも分かっているし、だからいつか他の人を愛する日が来るかもしれない。

どうしようもないくらい 君が好きだ
寝ても覚めても 意識の全てを
支配されるほど
愛なのかなぁ きっと愛だろう
迷いながらでもゆく道は 
君とならきっと大丈夫 未来へと…

薄々気付いているようだが、多分「僕」は「君」には言わないだろうな。思いを持ち続けてサヨナラは言わずに未来へ向かう。


こういうほぼ一方的に思い続ける「好き」って恋愛に特化したものだけではないと思う。所謂推し活にも当て嵌まっているのでは、と解釈。
人生、これでいいのかなあと思いながら過ごしていても、推しと一緒ならば未来も大丈夫!とも読める。

この場合「推し」が「君」なので、最初から「僕」が一方的に思っているのに「君」から何の反応も返って来なくても不思議はない。「推し」が二次元でも三次元でも、人でも人為らざるものでも。

そう考えるとガラッと印象が変わる。
切ないラブソング、と取っても良いし、自分の推しに対する好きを代弁してくれている、と取っても良い。もう一つ、「僕」は人じゃないパターンもあるかな。可愛がっているペットやぬいぐるみが飼い主や持ち主に対して思っている事、でも通じそう。

でも旋律が切なすぎる…。やはり、一方的に好きなだけでは報われないと知りながらも、自分の中に確固たる思いがあるから強く美しく響くのか。

始まりのピアノとストリングスの音が繊細で美しい。ピアノは吉野ユウヤさん。
弦楽器の生音ってやっぱり好きだな、良いな。
4曲目のインストでじっくり味わえる。このインストだけでも聴いていられるなあ。よくぞインストを入れてくれました。
繊細な弦楽器の音と浅岡さんのまっすぐな声、合う以外の選択肢はない。室内楽のような小編成だからこそ、聴かせますね。

そして今回も、濁音だけどラ行になる歌い方がありました。

寝ても覚めても 意識の全てを 
支配されるほど

ここ「ど」が「ろ」になっています。
この浅岡さんの発音が好きなんです。我ながら細かいな。更に細かく言うと「確実な/のは」と一瞬切って空白があるところも好きです。



3 「LIFE GOES ON〜2024AG〜」

めっちゃカッコイイアコギ!
元々カッコイイ曲ですが、それをアコギで、となるとてっきり大人しい方向にするのかと思いきや。この方向か!

一聴した時に思い浮かんだのが、アリスの「チャンピオン」(1978)的なアコギのカッコよさだったのだ(我ながら昭和ですねぇ)。力強いアコギがずっと鳴っている感じ。
この方向で来るとは…。
これはいい意味で裏切られました。
今回のアコギも馬場一嘉さんなのかな、ものすごいカッコイイ演奏です。
2023年4月の浅岡雄也さんのライブでAdo「新時代」(2022)をアコギ一本で伴奏したお人です、馬場さん。これも凄い演奏だったな。

音の重なり具合が、立体的で交わらない。浅岡さんの声と、アコギの低音と高音がそれぞれ聴こえるが調和している。
6曲目のインストだとよく分かる。ずっとアコギが走っていて、更に原曲に入っている音を凝縮して、極力アコギでも入れているようだ。カッコよさ濃縮ギターだな。
それに合わせるような力強い歌声。シングルはもう少し細い感じだが、今回はアコギ自体が強いので負けずに深化しています。遠慮なく声を出して歌っている感じ。


2曲目の「Magic Time」の感想がない?と思われた方。バレましたか。
別記事にしようと思っていたのです。
最新シングルの感想はまだ続きます(引っ張りすぎ?)。