大衆アンチ拗らせ
私は音楽を聴く。信頼できると思う音楽を聴く。信頼できると思う人から勧められた音楽を聴く。
まだまだ聴きたい音楽がたくさんある。聴きたいのに聴けない音楽もある。
具体的なアーティストを上げるならクリープハイプ。
そもそもクリープハイプを知ったのは、TikTokで性欲と自己顕示欲を拗らせまくったような若者たちがHE IS MINEの今度会ったらセックスするくだりをやたらめったら載っけるので耳に残り、YouTubeで【今度会ったらセックス】で検索したのがはじまり。
なんだ、セックスの歌じゃないじゃん。というのが感想で、また同時にもっと早く、具体的には真剣に恋愛をしていた故にボロ雑巾よろしく、すきぴにセフレとして捨てられた高校生の時に知ってたら良かったのに、と思った。たぶん当時こんな曲を聞いてしまっていたら泣いていただろう。
生憎今の擦れた私には刺さらなかったので、一度離れた。
それでもその後、感性を信頼できると思う何人もの人たちが幾度となくクリープハイプを勧めてくる。HE IS MINEしか聞いたことが無い私は偶然その曲にハマらなかっただけかもしれないと思う。しかし同時に、HE IS MINEを聞いた時はなんか薄暗い安モーテルみたいな、閉塞的で湿ったイメージだったのに、私が知らないだけで相当有名なバンドらしいことを知る。
そうして大衆バンド、クリープハイプのイメージは私の中で安モーテルから夏フェスになってしまった。私は完全にクリープハイプを忘れることにした。
私は音楽は好きだが、音楽の祭典である夏フェスが嫌いだ。人混みがそもそも嫌い。よく分からない煽りも振りも嫌い。太陽の光も、汗の匂いも、暑さも嫌い。バンドTシャツが嫌い、必要以上に派手なタオルが嫌い、ハンディファンが嫌い。笑顔の大衆が大嫌い。自分でもなぜこんなに嫌いなのかは分からない。分かるのは、私が夏フェスの客ではないということだけである。
私は、じめじめとしていたいのだ。一人でひっそり聴きたい。終電、あるいは終バスの最終地点まで。乗客は私しかいないような中でぼんやりと流れていく景色を見ながら有線の音が良いイヤホンで聴きたい。
さて、これはタイトル通り大衆アンチの話である。結果的に言うと、私は未だにクリープハイプは聴けていない。しかし本当のところ、とても聴きたい。きっと今の私には響かないかもしれないけれど。聴いているお客達は笑顔の大衆かもしれないけれど。私の中で尾崎は世界観ではなく圧倒的に豊だけれども。それでも聴きたい。悔しくて仕方がない。大衆アンチを拗らせ過ぎて、大衆の一人になりたくない。だからこそ聴いてやりたい。
そんでもってすげくハマってすげく長え感想をいつか書きたい。そんで、こんなくだらねえ日記を書いたことをクリープハイプと、それを好んで聴く大衆に謝罪したい。
宣戦布告である。私は、音楽で打ちのめされる事を望む。ボコボコに、もう立ち上がれなくなるくらいに負けたい。よろしく頼みます。
追伸。
聴きなくない音楽がある。言わずともがな夏フェス系、キラキラ系である。
具体的にはRADWIMPS。大衆映画とタイアップした大衆音楽。もう何がいいのやらさっぱりわからない。誰に向けて作られているのかも分からない(大衆)
そんなRADWIMPSを勧められた。私はたぶんRADは私に刺さらないよと諭したが、勧めてくれた人は、自分も最近の有名な曲は何がいいのかよく分からない。とした上で、五月の蝿という曲を教えてくれた。
ちゃんと壊れていた。あの爽やかなサウンドが、狂気に拍車を掛けていた。好きだ……我ながらチョロいとは思うけど。私はRADWIMPSが好きになってしまった。タイアップも、保身も許さないけれど。もっと壊れて危ない音楽が聴きたくて堪らない。
どうかそちらも、よろしく頼みます。
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