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「やる」よりも「やめる」

要約チャレンジ

3分でも充分、世界の見え方は変わる。
わたしは、常々「」は自分への投資であると考えている。
その食に対する認識が変わるだけで、自分をノーリスク・ハイリターンな安定、安心、超優良な投資先へと変貌を遂げることが可能なのである。

本日は、わたしが感銘を受けた本の要約回としたい。

その本とは、国府田敦司さんの

健康本200冊を読み倒し、自身で人体実験してわかった食事法の最適解

である。

筆者は健康本200冊を読み込んで、さまざまな方法を試し、自身が人体実験となった帰結として、各人が違う体をしていて、生活環境もまったく異なるわけであるから、

万人に有効な絶対的な答えはない

ということに思い至るのである。

そこで、この本では様々な主張をいったん俎上に乗せて俯瞰的に捉えた上で、各人が必要な情報を取捨選択できる状況を作れるような粋な構成となっている。

健康食関連の本は玉石混交しているが、そういった雑多な情報に惑わされないように筆者は200冊以上の本の中から良質な情報のみを抽出し、指南書、いわば、「読む予防薬」として本書をまとめたのである。
そこから自分にあった「ウェルネスな食事のポートフォリオ」を作ってほしいと、自身が苦労してきた経験から手を差し伸べてくれているのである。

筆者は、何かを続けることや習慣化の難しさを自身の経験から痛感し、積極的に何かを「やる」よりも、まずは「やめる」ことにフォーカスする方が楽で効率が良いとアドバイスしている。

そして、ここでは、そのやめるべき「体に悪い」食材にフォーカスを当てて展開していく。

「体に悪い」食材

そんな「体に悪い」食材は次の9つである。

1.加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)
2.牛乳
3.グルテン
4.加工食品(冷凍食品、カップ麺、菓子パンなど)
5.砂糖
6.人工甘味料
7.プロテイン
8.添加物
9.揚げ物

まずは、加工肉であるが、これらは「発がん性がある」という理由で、ほぼ全ての本で否定的であり、肯定的な意見はなかったという。

国際がん研究機関(IARC)は「毎日50gの加工肉を食べ続けると、大腸ガンになるリスクが18%増加する」と指摘している。

次に牛乳であるが、実に90%以上の本で体に悪いとされている。

その理由は、

・牛乳の87%を占める「カゼインたんぱく質」に発がん性がある
・酸性食品のため、骨をもろくして、骨粗鬆症の原因になる
・飽和脂肪酸なので、血液をドロドロにしてしまう
しかし、賛成派もおり、日常的に牛乳を飲んでいる高齢者の方がそうでない人より長生きだったという結果もあるという。

小麦類に含まれるグルテンも80%の割合で体に良くないとされている。

気づいていないだけで、実はグルテン過敏症、不耐症の人たちがいて、そういった人たちが摂取をしていると、知らず知らずのうちに体に不調をきたしている場合があるという。

しかし、そういった症状やアレルギーがない人たちにとっては、体に悪いというエビデンスはないそうである。

気になる方は、一度、徹底的にグルテンを抜いて体の反応を見たり、もしくはアレルギー検査をしてみるのも良いと筆者は提案されている。

ここにグルテンを含む食品の一例をあげておく。
まさに、私たちが日常で何気なく食べているものの中に、いかにグルテンが忍び込んでいるのかを実感する。

〈グルテンを含む食品〉
パン、パスタ、ピザ、ラーメン、うどん、そば、ビール、味噌、醤油、ケーキ類、お菓子類、カレールゥ、天ぷらの衣、ハンバーグのつなぎ、餃子、焼売、お好み焼き、たこ焼きなど

そして、次に加工食品であるが、「食物の生命力が失われた工業的食品」、「空っぽで栄養のないエンプティカロリー」なんて言われ方もしている。
冷凍食品、カップ麺、菓子パン、スナック菓子、ドーナツ、ソーセージ、エナジーバー、アイスクリームなどが代表的である。

長期保存できるように多くの添加物が使われていたり、塩分、糖質、脂肪が多く含まれており、中毒性が高く、依存的になり、一つ食べたらもう一つと、どんどん深みにはまってしまうことがあるのである。

そして、砂糖も同じように中毒性があり、依存作用があると言われている。
中でも、よくないとされてるのが「精製された白い砂糖」である。
精製される過程で、食物繊維やビタミン、ミネラルなどは失われており、ただ甘いだけで何の栄養素もないのである。
そして即座に脳に伝達されるため、「エンドルフィン」という快楽物質が分泌される。その効果は一時的なため、さらに欲っし、供給が途絶えると精神的に不安定になってキレやすくなるのである。

糖尿病などの疾患やさまざまな不調の原因になると指摘されており、私たちの日常にあまりにも溢れているため、知らず知らずのうちに摂取しているので注意が必要である。

次に人工甘味料であるが、一例として、スクラロース、アスパルテーム、サッカリンNa、アセスルファムKなどといったものがある.

これらの人工甘味料は、血糖コントロールの乱れ、腸内環境の悪化、がんや様々な疾患との関連性が高いとされている。

砂糖の方がまだましだと言われるほど危険性が高く、また、人工的に作られており、砂糖と違って、甘さの後に体に入ってくるはずの糖質やエネルギーが入ってこないために、体がそれに対応しきれず、混乱してしまうそうである。

効率的にタンパク質を摂取でき、一見、健康そうなイメージがあるプロテインであるが、過剰な摂取が腎臓に負担をかける、添加物や人工甘味料がたくさん入っている点などから否定的な意見が多いようである。

そして、私たちが日常で口にする、ありとあらゆるものに潜んでる添加物であるが、発がん性や毒性があるといった指摘があり、こちらも否定的な意見が多いのである。

動物実験をもとに安全性が確認されているとはいえ、人間に対して、複合的に取り入れた際の作用は追いきれないといった話もあり、長期的に蓄積された結果、実際、どのくらい体に影響するのかは、現状では明らかになっていないのである。

筆者は一度、コンビニの棚の商品を根こそぎ調べてみたことがあるそうである。

添加物が入っていないものは、〝水、バナナ、ゆでたまご、クッキー2種類、一部の野菜ジュース、ハーゲンダッツのアイスクリーム〟くらいしか見当たらなかったそうである。

添加物は私たちの生活に欠かせないものになっており、いきなりすべてのものを無添加にするのは難しいことだろう。

そこで対策としてまずは、「原材料表示を見る癖をつける」、そして、特に危険とされている添加物を覚えておき、それらを避けるようにする。それを習慣化し、少しずつ他の添加物も減らしていくことである。

最後は揚げ物であるが、老化を促進する最強の悪玉「AGEs」と呼ばれる物質が発生したり、発がん性がある、悪玉コレステロールの増加、腸内環境の悪化などの悪影響があるという。

そもそも、外食の場合、揚げる油の質が悪かったり、より酸化が進んでいたりするので、そうなるとより悪影響の度合いが増している。

対策としては、自炊の際は茹でる、蒸す、炒める、焼くなどといった調理法を優先する。
低温でじっくりと揚げる、揚げる際は良質なオリーブオイルを使用する、単純に摂取量を控えるといったことがあげられる。

「食」=いのち


つい忘れがちな事実であるが、私たちの体は毎日の「食」によって作られている。
そう考えると、食はかなり重要なファクターであり、人生の根幹にも関わるのである。

食の選択は人生そのもの

『美味礼讃』という古典を著した、かのブリア•サヴァランはこう言っている。

どんなものを食べているかを言ってみたまえ。君がどんな人であるかを言い当ててみせよう。

食事の1回1回を大切にすることは、丁寧に生きるということ、自分を大切にすること、そして、それは他人や物事にも寛容になり、結果的に穏やかで平和な世界の実現にもつながると筆者は言う。

わたしはこの本を読んで、毎日の食事を1回1回おろそかにせずに、もっと真剣に向き合おうと強く思い至った。
かといって、完璧を求めすぎ、あまりにも躍起になりすぎたりすると、ストレスがかかり楽しくもないので、ゲームを攻略していくくらいの感覚で、過程を楽しみながら、自分なりの「ウェルネスな食事のポートフォリオ」を完成させ、人生の質を高めていきたい。

わたしたちのカラダを構成している約37兆個とも言われる細胞を形成しているのは、毎日の食事である。
これをないがしろにしておいて、他のことを優先順位の上に持ってきてしまうのは、地震の時に液状化現象が起きやすい土地の上に、過去の経験から分かっているのにまた新たに家を建てるようなものである。
または、基礎工事に欠陥があるのに、その上に建物を築き上げていくようなものなのである。
短期的には、何も症状として現れてこなくとも、中長期的にはデメリットが明確に出てくるのである。

健康とは、「最強の教養」である。
そして、その土台となるのは、「」にあるのである。


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