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組織の規模は30人が最初の壁である理由

前回投稿の記事で、30人規模の組織について組織設計などのコンサルをしていることをお話しました。何もそれ以上の組織ができないわけではないのですが、30人って組織を拡大させる上において、最初のハードルになります。そしてそれを乗り越えられれば、後は同じ理論でハードルを越えられるので、30人規模の組織をサポートしています。
では、なぜ組織の規模は30人が最初の壁なのでしょうか?

チーム編成は5人が最適

30人の話の前にまず5人の話をします。
これは私がUSJ勤務時代にアメリカのフロリダ州、オーランドに出張したときに教えてもらった話です。出張の目的はIAAPAという、いわゆるテーマパーク界の世界的な展示会への参加、ユニバーサルグループの会議、オーランドのテーマパーク視察など、テーマパーク内のいろんな関係者に会える内容でした。
僕はオペレーションやメンテナンス出身なので、そういった関係者とパーティで話していると、アトラクション運営に関するチーム編成の話になりました。ディズニーとユニバーサルの運営を長年経験してきた人たちの話だったので興味深く聞いていると、「チーム編成は何人が最適か知っているか?」という質問を受けました。
当時、アトラクションのメンテナンスを6人で実施していたので、そう答えると「少し多い。もちろんシチュエーションにもよるが、ベストは5人だ」と言われました。

なぜ5人なのか?

そうすると気になるのが、なぜ5人なのか?ということです。
聞いてみると、ベトナム戦争のときに4人編成、5人編成、6人編成など、チームの構成人数にはいくつかの種類があったそうです。その中で生存率が一番高かったのが5人だったというわけです。1人のリーダーに対してメンバーが5人のチームが一番だったそうです。管理が行き届くのが5人なんですね。少なすぎても干渉し過ぎる・距離が近すぎますし、多すぎても管理し切れない。いい具合の距離感を保って、メンバーが自発的に行動できる環境が5人のようです。
加えて、一番発展している、これからもしていく産業は軍事産業だから、参考になる点は非常に多いとも話していました。
もちろんアメリカではディズニーやユニバーサルでもチームの人数を変えてみて、最終的に5人が最適だとたどり着いたようです。
じゃあ5人はどういった構成にすればいいのか?誰でもいいわけじゃないだろう?と聞いてみて教えてくれた内容はまた次の記事にて。かなりのノウハウで、それを私もサービスとして提供していますがボリュームがあるのです・・・
ちなみにこういった理由もあって、弊社が展開しているチームビルディング研修「アッパーランド」はリーダー1人とそのメンバー5人を1チームとしてボードゲームをプレイできるように設計しています。

5人から30人へ

では5人と30人がどう関係するかですが、1人の経営者の下で管理できる最適人数が5人です。そうするとその5人の下でも、それぞれ5人のメンバーを最適に管理できることになります。経営者1人、幹部5人、メンバー25人です。すなわち経営者1人と30人(幹部5人+メンバー25人)となるわけです。
だから弊社のサービスは経営者と30人ということで「リーダー+30」と名付けています。
ということはメンバー25人にもそれぞれ部下を任せた場合、125人(25×5)増やすことができそうに思われるかもしれません。もちろん増やせます。それこそディズニーランドなんて何万人の人々が働いていますからね。ただ、机上では増やすことができても、現実はそう簡単ではありません。

30人が壁になる理由

30人が組織を拡大させるためのひとつのハードルになる理由は、30人だと何とかなるということです。何とかできてしまうという方がいいかもしれません。もちろん1チームは5人編成が最適なのですが、経営者1人でも30人ならある程度はなんとか管理できてしまうんです。例えば小学校とか学校って1クラスが30人~40人くらいの生徒数じゃないですか。担任の先生がその数の生徒数を見るわけですよね。経営者もそれくらいの人数なら何とか見れるんです。だから何とかできてしまうんです。
そしてそれは経営者の手腕によるので、30人以上の人が増えたときに経営者ひとりでは管理できる限界が来ます。経営者と同じような人が増えないと管理できないわけです。これが属人的に管理してきた組織の限界なんですね。
だから30人以上を管理しようとするとノウハウが必要ということになります。

今回はなぜ30人が組織拡大の壁になるのかについてお話しました。その壁を突破する、ハードルを乗り越えるための手法についてこれからもお話していきます。次回は5人の選び方ですね。

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