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ハマスHamasはテロリスト組織なのか?パレスチナの問題は難しい問題でも複雑な問題でも何でもない!― ②

世界中のLiberal(リベラル)層は言う。
「イスラエルのGenocide(ジェノサイド・大虐殺)は許せないけど、Hamasの武力行為も許せない」と。
 
世界中のLiberal層は、
抑圧されている人たちが支配階級から理不尽に殺されている間は、「可哀想だ」「許せない」と言って、抑圧されている人たちに寄り添う。
しかし、一旦、抑圧されている人たちが武器を持って立ち上がり、支配階級に暴力で歯向かった途端に、「暴力は良くない」と言って距離を置く。
 
Hamasの武力行使はUN 国連の1980年Resolution(レゾリューション・国連決議)も認めている。

International Law(国際法)が、パレスチナ他、少数の限られた人たちの武力行使を承認している。
 
なぜ、パレスチナの武力行使は認められているのか?
 
日本のほとんどの人が、「全ては話し合いで解決すべきであり、武力で解決することはいかなる場合でも許されるべきではない」と思っていることだろう。
しかし、欧米諸国の植民地だった国々は話し合いでは解決できなかった。
支配されていた人々は何度も何度も立ち上がった。その度に殺害され、立ち上がっては殺害され、を繰り返してきた。
支配階級が自分たちの、違法で手に入れた土地や資源や奴隷労働を、
「あ〜、そうですか、返して欲しいのですね、分かりました、返しましょう」と、話し合った結果、ホイホイと返還するだろうか。
それ以前に、話し合いには応じず、武力を使って押さえ込んできたのはいつだって支配階級だった。
現に、欧米諸国の侵入者たちに土地を奪われた世界中の先住民たちは未だに元住んでいた土地を返してもらってはいない。
 
パレスチナは未だに、南アフリカのApartheid(アパルトヘイト:1948年から1990年代初めまで法によって定められていた人種隔離と差別の制度)と同じ状態に置かれたまま、イスラエルという人種差別国家の支配下に置かれたまま、基本的な人権すら尊重されていない状態だから、UN国連もパレスチナの武力行使を許しているのだ。

私たち日本人はいつでも好きな時に好きな所へ行くことができる。
隣の街へも、日本の大都市へも、外国にだって好きな時に自由に行くことができる。
でも、パレスチナの人たちはパレスチナのGazaからもパレスチナのWest Bankからも、自由に外へ出ることが出来ない。隣国や外国どころか、聖地のJerusalem(ジュールスラム・エルサレム)へも気軽に行くことが出来ない。
イスラエルの厳しい検問所を通過しなくては外へは出られず、その都度、横柄で暴力的なイスラエルIDF兵士たちから屈辱的で差別的な扱いを受ける。
IDF兵士やイスラエル警察に少しでも歯向かえば、逮捕されイスラエルの刑務所へ連れられるか、銃殺されて終わりだ。外へ出るだけで命懸けなのだ。
イスラエルの検問所を通過するのにあまりに時間がかかり、命を落とした話も珍しくない。
 
日本や欧米諸国はFood Loss & Waste(フードロス)が問題になるくらい、食料に溢れている。
しかし、パレスチナ、特にGaza地区は、搬入されるもの全てをイスラエル政府にコントロールされている。
イスラエル政府は、人間が死なない程度の最低限必要なカロリーを算出し、Gaza の人口と掛け合わせた量の食料しか搬入を許していない。
食べ過ぎている国民が多い日本や欧米諸国では考えられない話だ。
 
もちろん食料だけではない。
安全な飲み水だってない。日々飲んでいた水によって臓器を患うなんて話、日本では聞いたことがない。

電気も燃料も全く足りてはいない。
日本では一日中24時間いつでも電気が使えるが、Gazaの人たちはそうではない。
もし、あなたの家族が人工透析をしていたら、あなたの生まれたばかりの赤ちゃんが保育器に入っていたら、
燃料が尽きて、病院の自家発電が途絶えた時点で、あなたは家族や赤ちゃんと永遠のお別れをしなくてはならない。
 
イギリス人 Activist(アクティヴィスト・活動家)Lauren Booth が
「Gazaは『open air prison(オープンエア刑務所)』ではなくて、
『open air concentration camp(オープンエア収容所)』だと言っていた。
刑務所は、命の危険もなく安全で、3度の食事も支給される。
でも、パレスティナGazaの人たちは、Gazaに入ってくるものすべてをイスラエルにコントロールされていて、食料も水も電気も燃料も十分ではない生活、その上、イスラエル軍の爆撃や銃撃を頻繁に受け、死と隣り合わせの生活。だから、刑務所というより、収容所なのだと言っていた。
 
Gazaだけではない。
パレスチナのWest Bankでは、
突然、家に大勢のIsrael Zionist Settlers(イスラエルのザイニストセトラー)たちが押し寄せて来て、
家の中の物を持ち去って行ったり、
自分の家を家ごと盗まれ、自分の家から追い出されたり、
ブルドーザーで家を破壊されたり、
Israel Zionist Settlersたちから暴力やリンチを受けたり、
常識と道徳からかけ離れた、信じられないような犯罪が堂々と行われている。
しかも、Israel Zionist Settlersたちの違法行為はIDF兵士たちの見守りの元で行われている。
Israel Zionist Settlersたちの違法行為に抵抗すれば、IDF兵士に連れ去られるか、射殺されるかだ。
パレスチナのWest Bankにあるパレスチナ人の村々は細分化されて孤立し、年々、減少し続けている。
IsraelのZionistsたちの目的は、パレスチナ人からパレスチナの土地を全て奪うことだ。
 
2023年10月7日以降、Gazaだけでなく、West Bankもイスラエル軍によって襲撃され続けている。
「イスラエル軍のGaza攻撃はHamasを壊滅させるためだ」とイスラエル政府は言うが、West BankはHamasの統治下ではない。Hamasとは関係ないはずだ。
なのに、West Bankのパレスチナ人も大勢、殺害されている。パレスチナ人の村々へ行く道はことごとく遮断され、村から追い出されている。
 
Hamasがしていることは過去、植民地支配されていた多くの国々が独立の為に戦ったのと全く同じことだ。だから、UN国連も承認した。
 
2023年10月7日、Hamasを筆頭に、パレスチナの幾つものResistance(レジスタンス・抵抗)グループが連携し、一斉にイスラエル軍攻撃に出た。
イスラエル軍のTank(戦車)を十何台も破壊し、軍のトップと兵士たちを人質に取り、イスラエル軍兵士たちが多く集っていた Music Festivalを襲った。
パレスチナの幾つものResistanceグループの中には、過激な戦闘員もいたかもしれない。
自分の家族をIsrael Zionist Settlersたちに殺され、復讐しようとしていた戦闘員もいたかもしれない。
復讐したい特定のIsrael Zionist Settlersを発見して殺害したのかもしれない。
 
しかし、この時、パレスチナ戦闘員たちと接触したイスラエルの民間人たちが「彼らは『我々はイスラム教徒なので、危害は加えません』と言った」と証言していることや、
「家に入ってきたパレスチナ戦闘員が食卓にあった食べ物を見つけ、『これ、食べてもいい?』と聞いて来た」と笑って話すイスラエル人の話は全く報道されない。
 
欧米メインストリームメディアや日本のメディアはハマスを残虐なテロリスト組織だとして、イスラエルを全面擁護しているが、欧米メインストリームメディアが訴えるハマスの残虐行為についてはひとつも証拠が示されていない。
首のない赤ちゃんの話もそうだ。
 
一方、イスラエルの民間人の証言には、
「イスラエルのIDF兵士が(イスラエル人を)撃った」とはっきり明言する人たちもいる。
もちろん、こういう都合の悪い証言も欧米メインストリームメディアでは報道されることはない。
 
いずれにせよ、イスラエルの民間人が殺されたのは間違いない。
 
ただ、これに対し、世界中のLiberal層は
「Hamasがしたことは許せない」「暴力はダメだ」と言う。
 
では、どうすれば良かったのか?
インド独立の父Gandhi(マハトマ・ガンディー)のように、非暴力で戦えと言うのなら、
パレスチナの人たちはもう既に何度も平和的に非暴力で訴えて来たではないか。
とりわけ大きなムーブメントだったのは、2018年3月から2019年12月の毎週金曜日に行われた平和行進だった。
しかし、イスラエルIDF兵士は非暴力な民間人に向けて容赦なく銃撃した。
IDFのスナイパーがリーダーや救急医療隊員、ジャーナリストを故意に狙っていたことも分かっている。
 
2023年10月7日の、Hamas他、パレスチナResistanceグループの武力行使を非難するのなら、
Refugee Camp(難民キャンプ)と呼ばれる所で
食料も水も電気も燃料も十分ではない生活、
どこへも自由に行くことが出来ない生活、
IDF兵士たちからの暴力と銃殺に怯える生活、
Israel Zionist Settlersたちの暴力や放火や略奪に怯える生活を甘んじて受け入れ、次の世代にも、またその次の世代にも受け継いでゆけと言うのか。
領土は年々失っていくが、抵抗せずにいようではないかと言うのか。
 
2023年10月13日、イスラエル軍はGaza北部の住民たちにGazaの南部へ行けと命令しておきながら、言われた通りにGazaの南部へ移動した人たちの列に向かって爆撃し、多くのパレスチナ人を殺害した。
その後、イスラエル軍はGaza北部に「出て行かなければ、テロリストだと見なす」というビラをばら撒いた。
イスラエルの『テロリスト』の定義はこういうことだ。
 
出て行かなければ、爆撃し続け「wipe out(更地にする)」。
出て行けば、行った先で爆撃を受けて死ぬ。
一体、どうすればいいのか。
こういうギャングスター国家とどう話し合えと言うのか。
 
「話合いで」と言うのなら、話合う時間は75年もあった。
1993年から7年にも渡るPLOとの話し合いも、結局、何も解決していない。
イスラエルはUN国連の言うことすら一度たりとも聞いてこなかった。
それどころか、国連を脅しつけてきた。
 
今回だってそうだ。
United Nations Security Council(国際連合安全保障理事会)の
Secretary-General(事務総長)António Guterresは
2023年10月24日、
「It is important to also recognize the attacks by Hamas did not happen in a vacuum.
The Palestinian people have been subjected to 56 years of suffocating occupation.
They have seen their land steadily devoured by settlements,
and plagued by violence,
their economy stifled,
their people displaced,
and their homes demolished.
Their hopes for a political solution to their plight have been Vanishing
But the grievances of the Palestinian people cannot justify the appalling attacks by Hamas.
And those appalling attacks cannot justify the collective punishment of the Palestinian people.」
 
「ハマスによる攻撃は、理由もなく起こったのではないことを認識することも重要だ
パレスチナの人々は56年間、息苦しい占領下に置かれてきた
パレスチナの人々の土地は入植者によって奪い荒らされてきた
パレスチナの人々は暴力を受け、
パレスチナの経済は抑圧され 、
パレスチナの人々は強制立ち退きさせられ、
パレスチナの人々の家は取り壊されてきた
彼らの苦境に対する政治的解決への希望は消えつつある
しかし、ハマスによる恐ろしい攻撃でパレスチナの人々の不満を正当化することはできない
そして、ハマスによる恐ろしい攻撃でパレスチナ人に対するcollective punishment(全員を罰すること)を正当化することもできない」
と発言した。
 
しかし、イスラエルの外相がこの発言に対し、António Guterresに「辞任しろ」と大激怒した途端、
António Guterresは翌日の2023年10月25日、
「I am shocked by the misrepresentations by some of my statement yesterday in the Security Council as
if I was justifying acts of Terror by Hamas」
「昨日のUNSC(安保理)での私の発言を、私があたかもハマスのテロ行為を正当化したと受け取られたことにショックを受けている」
と、あっと言う間に、弁解。
「ごめんなさい、イスラエル様。そういう意味じゃないんです、そんなつもりはないんです」と、腰抜けの弱虫発言だ。
 
UN国連が全く機能していない中、ギャングスターカントリーとどう話し合えと言うのだ。
UN国連ですら、ギャングスターカントリーを取り締まれないのに、
一体、どうすればいいと言うのだ?
 
イスラエルはUN国連から、奪い取ったシリアの Golan Heightsや、パレスチナのWest Bank、East Jerusalem、レバノン南部の占領地を返還しろと言われたって、ただ無視するだけだ。
 
2023年10月7日以降でも、イスラエルはUN国連の学校も爆撃しているし、
UN国連の職員も既に30人殺害している。
ジャーナリストも27人殺害している。(2023年10月27日現在)
それでも、UN国連はイスラエルを止められない。
 
 
Hamasの武力行使を非難するのなら、イスラエルのGaza爆撃、West Bank襲撃を止めさせる手段を教えて欲しい。
イスラエルのZionismプロジェクト、Apartheid政策を止めさせる方法を考えて欲しい。私には分からない。
 
ハマスはGaza地区の住民から選挙で選ばれた政党だが、
2023年10月7日のイスラエル攻撃については、「何も今、攻撃に出なくても・・・」と思う住民も多いだろう。
イスラエルの爆撃で家族を失った人たちはとりわけそう思うに違いない。
イスラエル人種差別国家の支配下で抑圧された状態であっても、「家族揃って無事に生きていられればそれで良かったのに」と思う人も多いに違いない。
私がパレスチナ人に生まれGazaで暮らしていたら、きっとそう思うだろう。
しかし、それでは未来はない。それも分かっている。
なぜなら、イスラエルの爆撃と襲撃は今に始まったことではなく、毎年毎年、一年に何度もパレスチナ人を集団殺害している。
以下は、イスラエルの過去の爆撃のほんの一部だ。
病院、学校以外にも、下水処理施設や発電所などの生活に必要なインフラだって構わず爆撃されてきた。
イスラエルはHamasをNaziだと呼んでいるが、どちらが本物のNaziか、私たちはしっかり見極めなくてはいけない。
 
《近年イスラエルが爆撃したRefugee Campの時系列リスト》
2012年9月3日 Nuseirat Refugee Camp
2013年12月24日 Maghazi Refugee Camp
2014年7月10日 Khan Younis Refugee Camp
2014年7月11日 Bureij Refugee Camp
2014年7月28日 Maghazi Refugee Camp
2015年1月28日 Nuseirat Refugee Camp
2015年8月6日 Rafah Refugee Camp
2018年7月15日 Al-Shati Refugee Camp
2021年5月14日 Bureij Refugee Camp
2021年5月15日 Al-Shati Refugee Camp
2022年8月7日 Rafah Refugee Camp
2022年8月16日 Jabalia Refugee Camp
2022年11月4日 Maghazi Refugee Camp
2023年1月27日 Al-Maghazi Refugee Camp
2023年1月27日 Maghazi Refugee Camp
2023年2月23日 Al-Shati Refugee Camp
2023年5月13日 Jabalia Refugee Camp
2023年9月24日 Bureij Refugee Camp
2023年10月9日 Jabalia Refugee Camp
2023年10月9日 Al-Shati Refugee Camp
2023年10月17日 Rafah Refugee Camp
2023年10月17日 Bureij Refugee Camp
2023年10月18日 Nuseirat Refugee Camp
2023年10月19日 Jabalia Refugee Camp
 
 
《近年イスラエルが爆撃した病院の時系列リスト》
2014年7月9日 EuropeanHospital
2014年7月19日 Al-wafa Hospital
2014年7月21日 Al-Aqsa Hospital
2014年7月23日 Beit-Hanoun Hospital
2014年7月23日 Balsam Hospital
2014年7月28日 Al-Shifa Hospital
2015年2月12日 Al-Aqsa Hospital
2021年5月16日 Al-Awda Hospital
2021年5月21日 Indonesian Hospital
2021年5月14日 Indonesian Hospital
2023年4月7日 Al-Dorra Hospital
2023年10月8日 Indonesian Hospital
2023年10月17日 Al-Ahli Arab Hospital
 
《近年イスラエルが爆撃した学校の時系列リスト》
2008年12月28日 Islamic University of Gaza
2014年7月24日 Beit-Hanoun Elementaary School
2014年7月31日 Jabalia Elementary Girls School
2014年8月2日 Islamic University of Gaza
2014年8月3日 Rafah UNRWA School
2014年8月6日 University college of Applied Sciences
2022年8月9日 Al-Quds University
2023年10月10日 Education Above All Foundation
2023年10月12日 Islamic University of Gaza
2023年10月17日 Al Maghazi UNRWA school


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