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不快な思いをしたときの対処法


今月はホントにいいことばかり起きて、日々のやるべきことも順調かそれ以上にこなし、2021年上半期を締めくくるには最高の一か月でした。ところが人生、「上り坂、下り坂、まさか」があると言われるとおり、いいときこそ気を引き締めて、来るべきネガティブな状況に備えておくことが肝要。人生はホールネス(全体性)を意識すればうまくいきます。

ホールネスとは、ポジティブな感情を最善とするのではなく、どんな感情もすべて、生きていくにために必要不可欠であると信じる心理状態のこと。特殊部隊のエリート兵士たちには「ただひたすら走らせる」という試験があります。いつまでに、どこまで走ればいいのか?が全く分からない状態。重圧に耐えきれず脱落する候補生が後を絶ちません。

何をどうすれば終わるのか?先が見通せないとモチベーションの管理が難しい。それが「不快な状態」であればなおさらです。不快で不安定で不透明な状況に耐え、メンタルを必死に保つことで鍛えられる不快感に耐える能力。不快情動耐性といわれるやつです。仕事や学業でも、「いつどれくらいやれば終わるのか」がなければ意欲を維持しづらいはず。

ドストエフスキーは「死の家の記憶」においてこんなことを記しています。

バケツの水を他のバケツに移し、終わったらまた元のバケツに戻すといった「まったく意味を感じることのできない作業」こそが「最も過酷な強制労働」であり、これを何日もやらされた人間は発狂してしまう。

一か月で100件の飛び込み営業をする。1000件の家にチラシを投函する。炎天下でテントを何張も設営するイベント担当者など、それが肉体的、精神的にどんなに厳しくても、最終的に受注がとれたり、イベント来場者の満足度を高められたりすることに意味を感じられるのであれば、私たちはなんとか耐えられます。

重要なのは、労働の「量」より「質」 ドストエフスキーが示唆したのはまさにここなのですが、あえて「意味のない作業」を課して不快情動耐性を鍛えることで、怒りや罪悪感、退屈などの不快感に尻込みしないだけではなく、逆にそのネガティブな感情を活かすことができれば、強く、賢く、精神の働きが敏捷になります。

少しのことではびくともしない強固な幸福感。結果として幸福になるという副作用を得られるのが「ホールネス」の神髄です。こんなことをnoteで書いているということは、ほかならぬ私が、最強にネガティブな感情に苛まれ、悶々としていたから。でもそういう感情がわきたったとき、必ず意識するようにしているのは「ホールネス」です。

特殊部隊のエリート兵士よろしく、不快な状況下で、「どうすればいいんだ!」という憤りと焦燥感をダブルで味わったときこそ「鍛えられている」と解釈する。私たちに与えられた自然な感情をすべて受け入れて、臨機応変にスマートにエレガントにいきられる人がもっとも健全であり、人生において成功する可能性が高いことは、「ネガティブな感情が成功を呼ぶ」にも記されていました。

不快な感情こそ「価値」

いいことばかり続くと逆に思わぬ副作用が待っています。不快な心理状態になったときこそ、この状態を乗り越えた先に好ましい結果が待っていると解釈できるかどうか。「まさか」の縁でうろたえず、冷静に、やれることを考えてひたすら行動していこうと気持ちをあらたにしているところです。

久保大輔




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