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自己中ではなく、他者依存でもなく、自己主導で

プロスポーツクラブには、いろんなステイクホルダーがいます。観戦者、ファン、サポーター、地域社会、行政、企業、スポンサーなど、あげればキリがないくらい。それぞれがクラブにとってかけがえのない存在であり、その存在なくしてクラブの存続もありえないと思います。

ステイクホルダーからはそれ相応の恩恵をいただいています。わかりやすく言えば「お金」 チケットやグッズを購入していただいたり、試合やイベントに予算をつけてくれたり、広告費を支払っていただいたり、それらのお金がクラブの運営を支えています。

だからこそクラブは価値を創出、提供しなければならないと思います。というかむしろ逆で、価値を作り出して、その価値に共感していただくからこそその対価をちょうだいできるのです。なのでまずは、クラブがステイクホルダーに寄り添い、対話を通して、クラブができる範囲のことをすることが先決。地道な活動とその蓄積が、マネタイズの種になるはずです。

ここ数ヶ月、どっぷりと関わっているとあるクラブの規模はまだ小さく、ステイクホルダーが少ないのは、クラブが提供できる価値が乏しいからに他なりません。逆にステイクホルダーから気にかけていただき、お世話になることもしばしば。まるで寄付をいただくように、さまざまな物品を提供していただくこともあります。

そういった心遣いは、ありがたくちょうだいするわけですが、同時に相手に借りをつくったとも言えます。いつかはお返ししなければいけない借り。借りたものは返すだけでなく「手数料」を上乗せすることも礼儀です。返済期間が先送りされればされるほどその手数料は大きくなり、取り返しがつかなくなることも。つまり、不義理とみなされて相手にされなくなってしまうのです。

「これやってあげるから」と言われてありがたく聞いていると、実は「そのかわり、こんなことやってほしい」というパターンもあります。クラブの姿勢としては、「これやってあげる」はお断りして、「こんなことやってほしい」に応えること。そして大切なのは、相手の要望をそのまま受けるのではなく、クラブのスタンスを明確にして要望に応えることです

それが対等な関係をつくるコツ。手綱はこちらでしっかり握りつつ、相手の要望に応えたり、課題を解決してあげることに全力を尽くす姿勢です。もらうばかりで一向にお返しできないなんてもってのほか。ですが、相手の都合に振り回されて自分を見失うことも避けなければなりません。

自己中心ではなく
他者依存でもなく
自己主導になること

価値観や意思決定基準を確たるものとし、自律的に行動し、成長に強い関心を持ちながら自分の意思を明確に主張することが大事だと思います。まるで自分に言い聞かせるようですが。

久保大輔




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