見出し画像

資金がない組織は「内側を可視化」して差別化を

プロセスエコノミー」が届き、電車の中で少し読みました。完成品を売っても差別化を図りづらい世の中。世界のあらゆる境界線をあいまいにしたインターネットのおかげで、誰もが質の高い完成品を創造できるようになりました。画期的なアウトプットも、次の瞬間に模倣され不毛な価格競争に巻き込まれてしまう。人もモノも埋もれてしまいやすい現代社会において、完成品になるまでの「プロセス」を共有し、たとえ少人数でも暑いファンを作ることが大きな武器になると本書に記されていました。

そして「プロセスに価値を乗せるには、作り手がそこにストーリーを込めたり、なぜやるか(Why)という哲学を示すことが大切」という一文。いわゆるビジョンを持つこと。長期的な目的地を定めることで、目的地までの道程とその艱難辛苦や狂喜乱舞を可視化することでファンを獲得し、セカンドクリエイターとして巻き込んで熱量を上げていくという成り行きです。

Clubhouseに投資をしているアンドリーセン・ホロウィッツさんが「Community takes All」という言語を生み出しました。コミュニテイを制するものが全てを制す。Winner takes All(勝者が全てを制す)時代が終わりつつあるような気がしています。サッカークラブも同様。完成品(選手と、選手による戦略の披露)は、資金力がものをいう世界です。潤沢なお金がないクラブが生き残る道。それがプロセスエコノミー的な運営だと感じました。いかにクラブの内側を見せていくか?そしてそれをファンと共有できるか。関わらせられるか?

ファンがサッカークラブに関わることで、それぞれの物語が生まれます。SNSによってファンの熱量が拡散されて新しいファンを集客。その繰り返しが仕組みとなり、プロセスを可視化していない、完成品を売るサッカークラブには真似できない、埋めようのない差が次第に生まれていきます。

上述したとおり、プロセスの販売は、主体(人や組織)に明確なビジョンがあるかどうか。さらにそのビジョンが人を熱くさせるかどうかによります。サッカークラブが社会に存在する意義。それは社会や人が抱える課題や問題を解決するものでもあります。それは何か?今まさに、コンサルティングを通して関わっているクラブとその言語化を行っています。まもなくリリース、そしてプロセスエコノミーを発動させる予定。

先ほどまで会議をしていましたが、このプロセスエコノミーを成功させるために何が必要か?という議論がありました。いうまでもなくそれは「ビジョン」 いかにファンを参加させるかと言えども、ビジョンにそぐわない、もしくは棄損してしまいかねないアイデアを無理やりねじ込む必要は全くありません。そしてその意思決定は、ビジョンが言語化されているからこそ納得感もあり、納得できない人は淘汰される正当な理由にもなり得ます。

主体が、何が起きてもぶれない軸を持ち、その上でいかに参加者を募るか、そして課金していくか。強烈なリーダーシップが多くの人の共感を生むような組織づくりをして、結果出したいと思います。

久保大輔




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?