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その説明では伝わりません


BtoCの営業は過去10年あまり、

そして今は少しだけ、
BtoBの営業にも携わっている。

個人であれ組織であれ、

ターゲットに価値を渡して、
ターゲットが抱える課題解決をする

というビジネスの本質を考えれば、

双方のマーケティング戦略に
大きな違いはありません。

価値は伝えるから伝わる。

禅問答のような文章ですが、
自社の強み、商品やサービスの価値は、

適切な言葉で伝えなければ伝わらず、

言葉の「質」が
売れる売れないという結果に直結します。

質を担保するヒントは「SUCCESS

単純明快(Simple)
意外性(Unexpected)
具体的(Concrete)
信頼性(Credentialed)
感情(Emotional)
物語性(Story)

です。


「うまい、早い、やすい」

は牛丼の吉野家。

吉野家の強み(価値)が
明確に伝わるキャッチコピーです。

「ポケットに入るラジオ」

を開発したのは
ソニーの井深大さん。

ウォークマンの生みの親です。

ラジオは家具である
という当時の常識を打ち破り、

小型化に成功しただけではなく、

その価値を意外性を持って伝えたところに
勝因がありました。

過去最高の動員を記録、
世界●●賞受賞!

といった肩書は、

具体的で信頼を担保した
わかりやすい価値の証明書になります。

「サンズ世界最高品質」

をうたえるだけで
売上が平均5倍に上がると聞くと、

「サンズ世界最高品質」

を早速ググってくれる読者も
いるかもしれません。

ですが「サンズ世界最高品質」は
私がたった今つくったフェイク賞。

そんな賞はどこにも存在しません。

それでも信じちゃうぐらい
「●●賞」には関心を引く力ががります。

高校野球やサッカー
に感動する人は少なくありませんが、

多くの人が体験済みの学生時代
がフラッシュバックして、

当時の心身にかかえた葛藤を思いだし、
共感できるのでしょう。


プロフェッショナルなスポーツは
技術的に勝るものの、

多くが共感できる「体験」
という意味では

学生スポーツに劣るのかもしれません。


■私たちは

企業のプロモーション(単純、意外)
に関心を払い、

理解して記憶して(具体的)
同意、共感する(信頼)

そして心にかけて(感情)
行動してしまう(物語)


これは真理であり、

よくよく考えると多くの人が肯定する
当然の理屈だと思いますが、

往々にして私たちは
「説明してしまう」

あれもこれも、
そういえばあれは外せない。

多くが参加する会議に
はかられるとさらに

「必要事項」が加算される。


チラシに書かれる小さな文字。

少なくとも私が買い手の場合、
ほぼ読むことはありませんが、

売り手側に立つとすっかり
その事実を忘れて、

大量の文字で紙面を埋め尽くしてしまいます。


消費者を「説得する」
という観点から考えると、

リーダーが組織を束ねるときに使う言葉も
SUCCESSが有効です。

「月に行こう!」はケネディさん
「私には夢がある」はキング牧師の言葉。


かようにシンプルで分かりやすく、
具体的でエモーショナルなメッセージは

他に類を見ません。

そして聴衆の心をわしづかみして
世界を変えました。


■今日は

わりと難しい会議が2本続き、
プレゼンを担当した身として感じたのが、

伝えることの難しさ。


自分の好きな
誰もが知っている有名な曲を、

心のなかで歌いながら
指で机をつついてトントンとリズムをとります。

第三者がそのトントンを聞いて
曲名を言い当てるという実験では、

40回に1回という
低い成功率でした。

ですがリズムをとる張本人は、
2回に1回は正しく伝わるだろうと予想していました。


曲ではなく、
トントンという脈絡のない音を聞かされる

聴き手の気持ちは、
叩き手にはわかりません。

これは「知の呪縛」といわれていて、

いったん何かを知ってしまうと、
それを知らない状態がどんなものか、

うまく想像できなくなります。

情報のアンバランス。
この課題を突破するコツが「SUCCESS」

シンプルか?意外性はあるか?
具体的か?信頼性はあるか?
エモーショナルか?物語性はあるかどうか?

今日の反省を糧に、
次回で挽回を期します!


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。

それではまた明日。
おつかれっした!




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