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「身近にいる頼もしい存在」になる


「話を聞いてくれるとストレスが和らぐ」
妻にはこんな傾向があるみたいです。ひょっとしたら二人の娘もそうかもしれない。今日は遠足で何をしたとか、誰とどんな話をしたとか。そしてその話に対して何か言葉を返す必要はありません。ただ聞くだけ。私の意見は求められていません。

たしかに、私も何か不安なことや悩み事があれば「誰かに聞いてもらいたい」という感情は少なからずある。違いは「意見がほしい」ところ。私の感情に対して何かしらのレスポンスがほしい。妻や娘にはおそらくそれがないのだが、いずれにしても「一緒に考えてくれる人が身近にいる」というメリットはけっこうな割合で多くの人が抱くものではないだろうか。

人間は社会的な動物。野生においては相当「弱い」部類にはいる人間も、仲間とともに頭を使って協力しあえば、百獣の王に互角以上の戦いができます。太古の昔から、動物や生物の進化の過程において弱者が淘汰され、環境に柔軟に対応した個体が残り今にいたります。人は誰かがそばにいることで生き長らえてきました。

精神的な安定。一緒に考えてくれる人がいると、孤立感から解放されて、少し元気になります。そこに「信頼関係」があれば、変に相手にあわせたり、迎合したり、媚を売ることなんて不要です。そんなことを続けていれば逆に、お互いの気持ちが分かりづらい。打算や思惑によって発言の真意が歪められてしまえば、お互いにとって円満な妥結には至りません。

妻や娘にとって、私の言葉は不要です。ですが「何も言わない」ことで安心が生まれるんだったらそれは立派なコミュニケーション。一方、職場においては積極的に意見します。日ごろから種をまき、肥料を与える。約束を守ることをひとつひとつ積み重ねていって、信頼の実績を積み上げていきます。即効性はなく、地道な長期戦。まいた種はしばらく芽を出しません。

話すこと、会うこと。これも種をまくという行為の一つ。話題をつくり、宿題をもらって、文章や資料をつくって信用を得る。LINEを送る、ご飯をたべる、笑う、共感する。人としての言動、活動のすべてが「営業」という種まきです。夢や目標などの志を持っていることも大切。人格、見識、手腕、力量、多芸多趣味を備えることも重要です。

理性、感性、知性、心性。考え方、感じ方、バランスのとれた中庸。段取りのうまさ、先を見通しての行動力。洞察力、先見力。良心にしたがった、私心を排した言動。責任感、覚悟。いばらず、おごらず、いつでもどこでも誰とでも、できるだけ同じように接すること。愛情をもって人に接すること。

知識に裏づけられた倫理的思考力。挑戦する心。欠点を謙虚にうけとめ、他者から気づきを得て改善する努力。大きなことをしようと思えば、既存の秩序を打破してあたらしい説を立てる必要に迫られます。難しいことは毎日少しでもいいので取り組む時間をつくること。自己実現とは登りつめることだと思います。

毎日の取り組みは、知識や知恵を蓄積することとなり、むずかしい仕事にソリューションをもたらします。登りつめれば、その分野におけるトップの人と対等に話ができるレベルに達するはずです。そのために勉強し続けて、知識や知恵をアップデートしていかなければなりません。

先日は正月ぶりに家族との時間。妻や娘との対話をとおして、職場におけるスタッフとの意思疎通、クライアントとのコミュニケーションのあり方を見つめなおすきっかけになりました。「近くにいる頼もしい存在」として、課題に対する個々に最適化されたソリューションを渡せるようになりたいとあらためて。

久保大輔




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