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何を売るか?ではなく「誰が売るか?」


信頼の両替機。

クラウドファンディングを説明するときに
よく使われる表現です。

シンプルな募金活動ではなく、

「この人なら大丈夫」という
信頼によって集められるお金。

信頼が換金され、
お金はプロジェクトの実行費用にあてられます。

「信用経済」

では

何を売っているのか?ではなく、
誰が売っているのか?

に消費者の焦点が合わされます。

商品やサービスのスペックは、
どれも大差なくなりました。

ハンバーガーも牛丼も、
洋服も車も何もかも、

商品やサービスは
均質化してコモディティ化。

差別化は「作り手」に
ゆだねられるようになりました。

いかに多くの人から
信頼を獲得できるか。

ビジネスに限らず
人生の質をあげて豊かな毎日を過ごそうと思えば、

周囲からの信頼の多寡が
重要なポイントになります。


信頼の稼ぎ方

いまだよくわからない
というのが正直な感想ですが、

個人的には

直接会う」ことが大切なのでは?
と思うことがあります。

あくまでも私一人の体験、
たかだか「サンプル1」の話なので、

説得力や信憑性という意味では
甚だあやしいのですが、

私は「人に会う」ことで
人から信頼されるようになり、

ビジネスがしやすくなった
という体験をしたことがあります。


■サッカークラブで働いていたころ、

ひたすら毎日、
ひとりひとりのファンに直接会って、

話しを聞いて、
ときに私からも意見させてもらったりして、

その様子を言語化して
メルマガで配信していました。

「営業」という意識は
まったくなかったのですが、

会う人の累計が100を超えたあたりから
明らかにモノが売れるようになりました。

メルマガでTシャツの案内をすれば、
大量の予約が舞い込むように。

スタジアムで商品の受け取りを待つファンは
大行列をなしました。

その行列があらたな人を呼び、
ファンとなり、

メルマガを読んでくれた人が
また商品を購入するという

ポジティブなサイクルは
増幅の一途をたどりました。


正直、

コンテンツの質、
たとえばTシャツのクオリティが極端に高い
というほどでなくとも、

大きな売り上げが立った要因。
それは信頼の獲得にありました。

私のどぶ板営業が評価され、
信頼となり、

「あいつが売るなら」

という空気は、
売っている当人ですら感じるもの。


■それまでは、

モノを売る行為=売り込むこと、
という誤った認識で、

ファンの家に土足であがるような

失礼極まりない行為を、
悪気なく積み重ねていました。

いきなり電話をかけたり、
営業メールを送り続けたり、

飛び込み営業やチラシの投函など

ファンの気持ちを考えることなく
ファンの貴重な時間を奪い続ける

こらら迷惑行為が、

なぜか「努力している」
というゆがんだ評価をうけ、

勘違いがなくなることはありませんでした。


会社の「営業」に対する
誤認識、

それによる間違った評価、
そして迷惑行為。

「がんばってるのになぜ売れないのか」

という悩みは、
今考えると原因は明らかなのですが、

当時は意味が分かりませんでした。

今も私のメンターである人に
偶然出会い、

考え方に衝撃をうけ、
あこがれて師事しているうちに、

私の考え方は少しずつ矯正され、
成果につながるようになりました。

人に会うこともその方のアドバイス。

信用経済
という言葉は知りませんでしたが、

今振り返るときわめて本質をついた、
営業の極意のように感じられます。

ファンとの信頼関係を築く努力は
たとえていうなら「畑を耕す

やせこけた砂場に、
肥料をあたえて肥し、

有機物で満たされた土壌をつくりあげることです。

種をまき、水をあげる仕事は
その後。

太陽という希望を手に入れて
すくすくと育つ植物は、

ファンとの共創の証です。


■今は

エンタメの世界に身を置いていますが、

消費者の信頼を獲得する
という意味においては、

スポーツと何ら違いはありません。

定期的に劇場でネタをする芸人たち。
来場者は限られますが、

たしかな「ファン」がついています。

顧客」はより有名な芸人のネタ
を見にいきますが、

ファン」は芸人と、
芸人のネタを応援してくれます。

200人もファンがいれば
食べていくのに困らないはず。


コロナ禍による自粛明けで
劇場が使えなかったとき、

オンライン「スナックよしもと」は
売り出し即完売が続きました。

5000円という
決して安くないチケットを売る

無名の芸人たち。

力強い、生き抜く力
を垣間見ましたが、

そのとき感じたのは
彼らがファンに提供している信頼の大きさでした。

スポーツ選手も、
そして私のような一般人ですら、

彼らのしたたかな生き方は、

これからの不透明で
変化が激しい時代における

生存戦略として
参考になると感じています。


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。

それではまた明日。
おつかれっした!




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