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デジタル断食で「共感能力」を高める


デジタル断食」とは、スマホなどのデジタル機器を一定の時間、たとえば24時間使わない、などの行為を指します。私はゲームをやりませんが、LINEをしょっちゅう使うので、スマホを見る時間は短くありません。メールチェックも頻繁にしてしまうのは、なんとなく感じる「不安」からくるもの。そしてそんな不安の解消を目的とするのが「デジタル断食」というわけです。

スマホを手放せない人はある種の禁断症状に陥っているとされ、届いてもいないのにLINEやメールを開いて確認してしまったり、スマホゲームばかりしてしまったり。漠然とした不安に襲われて、対処のしようがなく恐ろしさは募るばかりです。他人への共感能力が下がり、時間がなくなる感覚に陥り、不安や焦りが高じてまたスマホを触るという悪循環。

原因はマルチタスク。そもそも人間はマルチタスクに向いてなくて、同時にいろいろなことに集中することができないようになっています。脳の短期記憶、つまりワーキングメモリがダメージを受けて、それによってさらに刺激に弱くなる。共感能力がどんどん下がってコミュニケーションに支障をきたすことになります。

ちなみに共感能力が高い人ってどんなイメージがありますか?相手の気持ちを察する力、相手の感情を推察する力、空気を読む力。自分のことを内向的で口下手、コミュ障だと思い込んでいる人の多くは、共感能力や観察能力が高いと言われています。高いがゆえに余計なことを考えすぎて、友達づくりなどに不安を持ちすぎてしまうそうです。

心理学の領域では、内向的な人と外交的な人の差は「外部の脅威に対する反応性」にあると考えられています。米国発達心理学者ケーガンさんは、「内向的な人は高反応、外交的な人は低反応」であると定義しました。未知なものと遭遇したときに泣いたりといった大きな反応を示す子どもたちは、大人になると内向的になり、反応をさほど示さない子どもは外交的になることが実験により明らかにされました。

つまり内向的な人は、「外部の刺激にとても敏感」ということ。そして内向的な人ほど、深い対人関係を築く力があることも最近の研究で明らかにされてきました。イメージ的には外交的な人ほどよりネットワーキングに長けているイメージがあります。そして事実そうなんですが、内向的な人は友人関係が広がりにくい反面、限られた人たちと深く親密になっていく傾向があるとされています。

いずれにしても共感能力がスマホによって毀損されてしまえば、コミュニケーションや人づきあいがうまくいきません。メンタリストDaiGoさんは確かYouTubeで、「小説を読むと感情移入が起きて共感能力が高まる」ことを話されていたような気がします。スマホは便利ですがうまく使いながら、できれば電車内では小説を読むなど工夫してみる。すると周囲との意思疎通がうまくいって、人間関係が改善するかもしれません。

今日は久しぶりに「ノルウェイの森」を読んでみました。スマホは控えめに。ちょっとずつ気をつけていきます。

久保大輔




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