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説得力あるアイデアを考える方法


来月スタートさせるあらたなチャレンジに向けて準備中。目標を明確化し、最高の結果を思い描く。と同時に、最高の結果を阻む要因もあわせて考えて、その対策を立てておきます。人は、自分が考えた計画やアイデアに対して、都合よく論理を組み立てて、たいして思考を深めずに実行してしまうケースが多い。私たちは偏りなく自分の思考を見つめることが苦手です。

ネガティブ感情よりポジティブ感情のほうが人の人生や仕事にプラスの効果をもたらしそう。個人的にもそう思います。実行段階においては前向きに、明るく、成功を願ってポジティブに。ですが実行前の、準備段階ではとことんネガティブに物事を見つめるようにしています。徹底的にネガティブに、成功までの道筋を省察していきます。

ちなみにポジティブな人は全体をみて、細かい部分にまで意識が及ばないといわれています。一方ネガティブな人はその逆。情報を具体的な詳細に注目して処理する傾向があるため、説得力のある主張を展開できます。ネガティブな人はポジティブな人に比べて25%説得力が高いという研究結果もあります。

詳細ではなく大筋に注目する傾向を持つポジティブ思考の人が、「ウソを見抜く力」があるかどうかを調べた実験では、49%の割合でウソを見破った反面、ネガティブ思考な人は62%の確率でした。自分の計画に偏りはないか。都合のいい数字を拾って実行プロセスを正当化していないか。自分のウソを見破るためにはネガティブな視点が欠かせません。

ポジティブな人は考えることが苦手。そんな報告もあります。2001年9月11日の同時多発テロ後、ある実験が行われました。パソコンのスクリーンにターゲットが登場。その人が「銃を持っていれば」発砲するというゲームです。銃を持っていない人を撃つとアウト。登場人物にはイスラム世界を想起させるターバンを巻く人を仕込みました。

ポジティブな人は思考のショートカットをするかどうか。深く考えずにステレオタイプに行動するのであれば、ターバンを見たとたんに引き金を引く可能性があります。結果は推して知るべし。ポジティブな人はターバンを巻いたターゲットに対して、それ以外のターゲットの3倍も多く発砲してしまいました。一方ネガティブな人は極端な数値のブレはありませんでした。

計画を立てる、細かく分析する、詳細に注意を払う。そんな仕事においてポジティブ思考は分が悪い。ウソを見破ったり、判断ミスを起こしやすいのは、いつもポジティブで前向きで明るい人たちでした。ではネガティブに思考するためにはどうすればいいのか?実はとても便利な方法があります。

「ソクラテス式問答法」

問題を明確化し、前提を整理して、数値的根拠を洗い出すと同時に、別の視点、反対意見を考えて、影響や結果を見積もる方法です。疑問を深めて、思考の偏りを極小化するのに便利。アイデアを考えたり、事業計画を立てるときは必ずこのツールを活用しています。詳しくは「悩む力」をご覧ください。めちゃくちゃおもしろい一冊です。

久保大輔




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