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ビジネスで大事なのは「美」


影響力の武器
大好きな書籍のひとつですが、

ここでよく使われているのが
「思考の近道」

情報があふれる現代社会では、

何が正しくて、
何が正しくないのか、

その取捨選択はすべて自己責任です。

そして
目まぐるしく変化する世の中では、

過去の経験が通用しなくなって、
経験の価値は減損しているとさえ言われていて、

ビジネス書の是非
が問われるようになった昨今。

今の正解が、
2、3か月後には陳腐化するスピード感において、

ビジネスノウハウを書籍化しても、

消費者の手に渡るころには
内容の目新しさが薄まってしまいます。

「文字よりも音声の時代」

とうたったビジネス書を、
clubhouseが定着してしまった今手に取っても、

そんなに惹きつけられません。


ちょっと話が逸れてしまいましたが、
つまりわたしたちはこれからも常に、

学び続けなければいけないということ。

過去の成功体験に寄り添った

上司の会話や指導、
書籍や講演会は、

もはや誰の心にも刺さりません。

「今、この瞬間」になにが使えるのか?
が問われています。


■とういことは誰の眼にも明らか。

ですが人間は
「思考の近道」を多用する心理が強い。

コカ・コーラに対する
ペプシの抵抗はいまなお強烈ですが、

ある実験では、
コカ・コーラ優勢の結果を証明しました。

MRIに入った被験者の口にチューブを差し
コーラもしくはペプシを流し込む。

このとき
コーラかペプシかを明らかにしたうえで、

どちらの味に好感を抱いたか?

脳波を調べたところ、
コカ・コーラのほうが反応が強かったという実験です。

感情的なつながりを強く感じるときに
刺激される副内側前頭前野、

高次認知や連想にかかわる領域は、
背外側前頭前野が活性化しますが、

口に入れた瞬間、
両方の前頭前野が活動を始めて、

コカ・コーラのブランド力が、
高次の脳機能を活発にした、

ブランドからの連想が
コカ・コーラを優位に立たせていると、

脳科学的に立証してみせました。


人はある「学習」をしてしまうと、
無意識レベルでその学習を引き出して回答しようとします。

ちなみに、

どちらがコカ・コーラで、
どちらがペプシかを明かさずに脳波を調べてみると、

活性化に違いは見られませんでした。


快楽中枢は、
前頭前野にはいってドーパミンを分泌しますが、

ブランド認知、連想によって

快楽(おいしい)という感情を促進させた
可能性が考えられます。


■(今は断酒してますが)

赤ワインが大好きな私は、
コロナ以前、

頻繁にイタリアンとかフレンチとか
スペインバルに足を運んでいました。

食事にうるさいわけではなく、
専門知識もまったくないのですが、

お店を選ぶ基準は
「かっこいい」かどうか。

なんとなくおしゃれで、

自分の趣味に合う店構え、レイアウト、
照明、色で決めていました。

そしてお気に入りのお店は
いくつかあって、

仕事ではここ、家族ではここ、
みんなで騒ぐときはここ、なんていっちょ前に。

本当に雰囲気なんですよね。

そして味も申し分なく、
ワインにぴったりでいつも満足です。


カンの鋭い読者の皆さんなら
次の展開はもうお分かりだと思いますが、

たとえばシェフが変わろうが、
食材の産地が変わろうが、
ワインが変わろうが、

私が何も気づかないのは言うまでもありません。

いつもながら楽しめるのは、
コカ・コーラ同様、

脳の機能(ブランドを認知する前頭前野)
が正常に働いた結果

と言えます。


■でもだからといって、

食事をする前に、

今日は違うシェフが料理するとか、
食材がオーガニックじゃなくなったとか、
安いワインを仕入れたとか、

わざわざ事前情報をもらいたい
とも思いません。

だって知らなくてもハッピーですし、

知ってしまったら
これもコカ・コーラ同様、

その日の感想に
負の影響を及ぼすに決まってるからです。

より一層
食事やワインに凝って、

専門的にグルメを気取るんだったら
話は別ですが、

私のように素人感覚で
趣味を楽しむ限りにおいては、

勉強しすぎは逆にマイナス。
もちろん種明かしも必要ありません。


■これは

いろんな業種、
ビジネスにも言えることです。

価値を提供し、
その価値を評価してくれる客層は

つねに何層かに分かれていて、

ヘビーユーザーからはじまって、
ミドル、ライトに落ちていくにつれ、

その母数も増加していく。

つまり関心がうすい人(私のような素人)
の方が人数が多く、

この層を軽視して取り逃すと
経営は少しずつ危うくなっていきます。

コアファンを大切にしつつ、
無関心層をいかに惹きつけるか。

そのためには、
「見た目」をおろそかにはできません。

趣味嗜好は人それぞれ。

ですが少なくとも
経営者の好み、こだわりは、

ぶれずに一貫して持ち合わせ、
表現するようにしておくべきでしょう。

言うまでもなく、

経営者の美意識、
審美眼が問われるところでもあり、

その錬磨も
見逃せない集客の本質だと思われます。


■モナリザを見たり、

劇団四季を鑑賞したり、
オーケストラを聞いても、

私はその良し悪しがわかりません。

でも、この絵が美しくて、
演技や演奏がすばらしいと感じるのは

「そう聞いているから」です。

専門知識がない場合、
私がどれくらい感銘を受けるか、

その手がかりは
社会的な評判にあります

そしてポジティブな予測
(かっこいい店構えなど)は、

ものごとをより楽しませてくれるし、
世界観の印象もよくしてくれる。

サッカーだって、
陸上競技場で観戦するより、

屋根付きでLEDに照らされた、
陸上トラックのないサッカー専用スタジアム

で観たほうが断然、
体験の質はあがるはずです。

サッカーの内容がたとえヒドかったとしても、

観戦経験の浅いお客さんにとっては
最高の時間として記憶に刻まれるはずです。


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。

それではまた明日。
おつかれっした!




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