見出し画像

内面は揺るぎなく、外面は柔軟に

買い物が意外と?好きな私。けっこうな時間をかけて事前調査をします。PinterestやInstagramでハッシュタグを目印に調べまくります。そしてお店にいって商品を手にとって、試着してようやく購入にいたります。割と時間を使ってしまうのが悩みの種。でも行き当たりばったりで、その時々の気分やノリで購入するとたいていうまくいきません。お金が潤沢にあればそれでもいいかもしれませんが、そうじゃない私は吟味に吟味を重ねてしまう。

「ネタバレ」

商品やサービスの内容をある程度、タダで見せておいて、興味関心をひき、購入にいたらせるマーケティングは昔からよくあったと思います。テレビはネタバレの手段。CMはもとより、スポーツなどは無料で競技の魅力を伝えることで、観戦チケットの購入を促してきました。

かつて映画が人々の娯楽だった時代。「映画俳優はテレビに出ない」という不文律があったと聞きます。誰もがタダで見ることができるテレビで自分という商品をさらしてしまうと、映画館の集客に響くというのがその理屈。結果は裏目に出ました。映画俳優は、テレビタレントの後塵を拝することに。

人間は「確認作業」でしか動かない。最近はそんな言葉でネタバレの効用を説明する人もいます。ウェブサイトやSNSを通してあらゆるものが可視化。横串で個性が殺され、無味無臭のものばかりが残ってしまう、なんて恐ろしい表現です。消費の戦国時代における生存戦略は、商品の背後にある「」の存在を活用できるかどうか。自分をブランド化して「ファン」を作れるかどうかにかかっています。

大切にすべきは、自分が大切にしたい理念、信念、思い、世界観、ビジョン。それら確固たる軸をもとに柔軟に変化することを応援してくれるファン。商品やサービスのクオリティが高いことなんて当たり前の話です。そのうえで、「あなた」は何を語るのか?なぜその商品を作り、販売しているのか?その問いに答えられるかどうかを今一度考えてみたい。

冒頭では、「行き当たりばったり」がうまくいかないと書きました。それは私のファッションセンスに「確固たる指針」がないからだと思います。「指針」つまり、理念や世界観があれば、行き当たりばったりが「柔軟性」や「斬新」という評価となり、個性を形成、演出することができます。内面は揺るぎなく、外面は変化に富む。

販売前の商品を事前にさらす。さらされたモノを確認するために購入するファンあったの行動です。ネタバレの戦略の裏には、提供者と受給者の信頼関係が横たわっています。提供者が、受給者の信頼を獲得する要因は、ブレない指針があるかどうか。「人が一貫性に惹かれる」のは周知のことです。人生や仕事に行き詰まったら立ち止まって、「自分は何者か?」について自問自答してみるといいかもしれません。

久保大輔




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?