客観視するためには「三人称」で自分を観察すると効果的
自分のことは
自分が一番分かっている。
でもそれは、
人間は自分のことが一番よくわからない
ことを理解した上での話です。
なんだか矛盾
しているように聞こえますが、
今日はこの矛盾の理屈を
がんばって解説してみようと思います。
悩みをかかえている人、
逆にうまくいきすぎて今後が怖い、
そんな状況下の人にとって
知っておいて損はない理屈です。
■「ソロモンのパラドックス」
は人のバイアスを説明するときに
よく使われる話ですが、
旧約聖書に出てくるソロモン王は
どんな難問も解決する賢者であった反面、
自分のこととなるとミスをしまくった王様。
「他人のことはよくわかるけど、自分のことはよくわからない」
ことは数多くの実験で
科学的にも証明されています。
その前提にたったうえで、
第三者の視点で自分を俯瞰するように見つめ、
ありのままの自分を客観視する。
信用ならない自分視点を捨てて
他人視点で物事を見つめることで
バイアスを
取り除くことができるといわれています。
バイアスが取り除かれるからこそ、
「自分のことは自分が(よくもわるくも)一番わかっている」
といえるようになるのではないでしょうか?
■ところが純粋に、
「客観視する」ことって
そう簡単にできるものなのでしょうか?
自分が不安に陥っているとき、
恐怖に震えているとき、
反対に喜びに満ちあふれているとき、
興奮しているとき。
いずれにしても
そんな自分を客観視して、
なぜ不安なのか、なぜ怖いのか、
なぜうれしいのかを考えるためには
感情の起伏をゆるやかにして
冷静になる必要があるはず。
ところがプラスであれマイナスであれ
感情が大きく揺れているときに
みずからの視点をコントロールするのは
至難の業のように思えます。
■そんな悩みを解決してくれるのが
ウォータールー大学の
バイアス解除の実証研究でした。
300人を対象に効果を確かめたところ
次のような結論が導き出されました。
自分の行動を「三人称」で記録すると、他人の視点で物事を考えるのがうまくなり、ベストの対策を導き出せるようになった。
自分の意思決定を
三人称で想像するだけで
バイアスを
簡単に消せることがわかったそうです。
「木を見て森も見る」ことで
意思決定の質は平均20%も向上しました。
■少し話が逸れますが
人類の進化について少し。
社会的な動物として進化した
私たち人間。
原始の環境において、
仲間がいないと、
仲間の協力がないと
厳しい環境や外敵から
身を守ることが困難でした。
だからこそ私たちは、
社会的な動物として、
周囲に仲間がいないと
本能的な危機感を覚えるようになった
と言われています。
30万人を対象にした調査によると、
職場に信頼できる仲間いない人は、
仲間に恵まれた人と比較して
50%ほど早死にする傾向が
指摘されました。
運動不足や喫煙の害より
はるかに悪影響
という結論まではじき出されています。
■ですが
だからといって、
信頼のおける仲間が身近にいるかどうかは
コントロールしづらい面もあります。
自分の身の振り方や
コミュニケーション能力によって
ある程度は
仲間づくりを有利に進めることはできても
限界があります。
しかしながら社会においては、
どんな環境下であっても
結果を残さなければ
豊かな暮らしを実現することはできません。
ではもしあなたの周囲に
頼れる仲間が少なければどうすればいいか?
そんなとき信じられるのは
「自分」
自分をいかにして信じてあげられるか?
失敗も成功も、
ありのままの自分を受け入れて、
「今」を懸命に生き抜くことができるか?
■メジャーリーガーの
ダルビッシュさんが
こんな言葉を残しています。
生存競争がはげしい
海外のスポーツリーグにおいて、
長年安定した結果を出している同選手。
勉強家で論理的思考の持ち主
だと思いますが、
数々の修羅場を乗り越えてきた
プロフェッショナルであるからこそ
いろんな想像をかきたてられる存在
でもあります。
自信を持って挑んだ米国の地。
挫折を経験することで
ありのままの自分に気づき、
多くの人々、数多くの書籍などから
情報収集をしたうえで、
最後は自分を信じるしかない
という境地。
シンプルに傲慢な思考からうまれた言葉
では決してないことは
容易にイメージできます。
■がんばっている人、
努力している人はたくさんいて、
そんな人に限って悩みを抱えているケース、
けっこう多いように感じます。
そんなときは
自分視点を捨てて、
他者視点で自らを観察し、
「三人称」で日記を綴ってみては
いかがでしょうか?
自分のことは自分ではわからないけど、
自分のことはやっぱり自分が一番よくわかっている。
そう思えれば
ちょっとは気持ちが楽になると思われます。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。
それではまた明日。
おつかれっした!
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