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「確証バイアス」の使い方

見たいものだけを見て、聞きたいものだけを聞くのは人間の特徴です。「確証バイアス」と呼ばれる心理は、「第一印象」にも表れます。最初に強い印象を受けると、それと一致しない情報は受け付けず、一致する情報だけを拾いとって過大評価する傾向は、割と長く続くと言われています。

私たちは「変化」に敏感です。いつもは7時に起きている人が、仕事や部活などで6時に起きなければいけない日、誰もが少なからずストレスを感じるはずです。場合によっては前日の夜から緊張して眠れないという敏感な人もいます。

また、いろんな本を読んでいると、「現状維持は後退」という言葉に出くわします。成功体験によって、その前提となった準備やルーチンに固執して、成果が出なくなっても変化する勇気が持てず、その後目立った活躍ができないことは割と起こりえます。強制的にでも、日々微細な変化を繰り返す人が、変化の激しい世の中でも成長し、成果を上げ続けられると思われます。

つまり、上にあげた「確証バイアス」がある私たちにとって「変化」に対する恐れ、不安、あるいは忌避する感情は特別なものではありません。むしろそれが普通、という前提で変化を志向し、恐怖に立ち向かっていく必要があるということでしょう。

また、確証バイアスを違った視点で活用することもできます。視点を個人に向けるのではなく他者に向けてみると、「印象」を操作し、周囲からの信頼を集めることもできます。悪用厳禁ですが、リーダーとして強いオーラを発し、尊敬と信頼に値する人物だと印象づけてしまえば、周囲の人間は、その印象と一致する情報だけを探すようになります。逆に、控えめな自己表現によって周囲を不安や無能力の表れと受け取られかねません。

ですが人間は、いったん自分のものになったらそれに執着し、手放すまいとする傾向があることが指摘されています。誰もが認める成果を残したリーダーが、謙虚な姿勢で部下を信頼し、彼らに仕事を任せることで士気やモチベーションを向上させて、組織的な成果につながりやすくなります。すでに地位を確立し、立派な評判を獲得しているリーダーであれば、控えめな表現が魅力に映ることも知っておいて損はないと思います。

「変化」の話題に戻すと、慣例を打ち破り、既存のあり方を変えるようなイノベーションをもたらす人間は、ルールを所与のものとせず、逆に軽蔑や拒否反応、改革に対する強い意志をもっています。

今日はいつもより早い始動。若干のストレスを感じながらも、これが成長の種になると言い聞かせてがんばりたいと思います!

久保大輔




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