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ストレスは人生のスパイス

マインドフルネスの研究には「消去学習」という考え方があります。恐怖から離れるよりも、恐怖を受け入れ、積極的に向き合う。恐怖を想像することで、恐怖への耐性を強めるというもの。恐怖を乗り越えるには、恐怖のきっかけを探し、きっかけを想像してみるといいでしょう。恐怖のきっかけは、実は何も起こさないことを脳にすり込むことで、恐怖を前にしても落ち着いて対処できるようになります。

嫌な人、できれば話したくない人って、やっぱりどうしたって存在します。そういうときは避けるよりも、むしろ近づいていったり、その人のことを徹底的に考えたりするほうが対人関係のストレスが軽減するケースもあります。自分は何をしゃべり、相手はどんな顔をして何を言ってきたか。やりとりの情景をカラー映像で再生するように「鮮明に詳細に紙に書く」という心理療法もあります。

過去のトラブルを中途半端に思い出すから、切りとってぶつ切りに何回も思い出すから状況が悪化していくようです。感情は一旦置いておいて、あくまでも第三者的視点で過去のトラブルを分析すると回復力が高まるという研究もあります。コミュ力が高い人は対人不安への対処が上手い。ひとりになる時間を大切にして、定期的に引きこもって自分の時間を作って不安感に耐えるなど、自分なりのストレス対策を講じる傾向が高いことがわかっています。

コミュニケーションのことなんて考えもしなかったかつての私。嫌な人とは積極的に離れて、居心地のいい人とだけつるむ。でも、勉強やサッカーもそうですが、厳しくて辛いトレーニングに耐えることで成長していくことが自明であっても、ことコミュニケーションとなるとなぜかおざなりに。そして仕事がやりにくくなったり、成果がなかなか出なかったりということに悩むわけですが、その原因はスキルや経験不足ばかりではなく、対人関係にあるということを最近になってようやく強く意識するようになりました。

ストレスをアドレナリンに変えて挑戦を増やしていくことによって、常に自分は変化し、前に進んでいるという感覚が得られます。変化の激しい今の時代、この感覚を意識できればちょっとした安心感を得られます。自分の力で、自分自身を変えていこうとしないと、ただ周りに振り回されている感覚に陥ってコルチゾールが激増します。変わろうとしなければ下がるだけ。自分が行動しない限り、落ち続ける自分を止めることはできません。

ストレスを感じたことが多い国、ストレス指標が高い国ほど、国民の幸福度や満足度、さらにはGDPまで高い上に平均寿命まで高いことが科学的に立証されています。これをストレスパラドックスと言いますが、ストレスは捉え方次第。不安を少なく、ストレスを減じるためには、ストレスを受け入れて挑戦を続け、常に変化していくしかないようです。

変化し続けることをがんばる。

環境を変えて、付き合う人を変える。ストレスを乗り越えることで、自分の人生に意義を見出せるはずです。ストレスは人生のスパイス。ストレスのない人生なんておもしろくありません。ストレスは身体に悪いものではなく、脳を成長させ、免疫力を高めてくれるでヒドロエピアンドロステロンを分泌してアンチエイジングにも効果があるとか。いくつになっても挑戦し続けていきたいものです。

久保大輔




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