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セカンドキャリアの成否は現役中の活動によって決まる

半年ぶりに某SNSを更新。フォロワーからの反応が結構あったのでびっくりしました。ついでに、SNSの過去をさかのぼって写真を振り返っていくと、当時のこと、仕事のことや家族のことが鮮明な動画で再生されるかのような錯覚に陥りました。思わず笑ってしまったり、辛かったことを思い出して感傷的になったり、アルバムをめくるような感覚でしばらく見入っていました。

写真から気づくのは、当時のお客さんのこと。写真にはほぼ毎回、と言っていいくらいお客さんが写っていました。かつて某サッカークラブでマーケティングをやっていました。ですので「お客さん」とはいうまでもなく「サポーター」のこと。練習場やクラブハウスで、試合があるときは試合会場で、対戦相手のホームスタジアムで試合があるときは、私のようなフロントスタッフは仕事が休みになるのですが、なぜかサポーターと一緒に、車に乗って移動、現地でおいしい料理を食べたり、スタジアムでユニフォームを着て声を出して応援したり、仕事なのかプライベートなのか、境界線があいまいだった当時が思い出されました。

今も仕事とプライベートを明確に分けることはありません。意識して休まないと、いつまでも仕事のことを考えていたり、お客さんと会っていたり。でもそれが苦になることはなく、むしろ物事が進捗して気分がスッキリ、脳内のワーキングメモリが増えて休日明けの仕事がはかどるんです。

何が言いたいかというと、お客さま(サポーター)とのやりとりが濃密であり、濃密な期間が割と長く続いたことによる「信頼関係」は、時を経てもまだ残り続けているということ。久しぶりの投稿だったにもかかわらず「いいね」の数が多かったことが、信頼関係の持続を示唆しています。換言すると、信頼関係の構築は、一定の期間(数年)を要するということでもあり、一朝一夕なものではないということ。

インターネットを介したビジネスは、コロナの影響もあって活況を呈していますが、うまくその波に乗れる人と、そうでない人の二極化も指摘されています。数年前までバカにされていたYouTubeの課金ビジネスを、多くの芸能人やスポーツ選手が手のひらを返して始めましたが、成功している人は一握りです。それはひとえに、ファンベースの少なさが原因。つまり、ファンと「信頼関係」をいかに築き、裾野を増やす活動をしてきたかどうかによって、登録者数という数値の多寡が決まるということです。

アスリートは、現役であり競技者であればファンからの声援を一定程度受けます。ですが現役を退いたあと、競技から離れた後も応援してくれる人がどれくらいいるか?すばらしい実績があっても、ピッチから離れると一定程度のファンが離脱することは必然。競技者として支持されているか、その人そのものが支持されているかによって、離脱率に大きな違いが生まれるはずです。

引退後ではなく、もっと前、つまり現役中に、アスリートが一人間としていかに多くの人から共感されるか。そのために何をすべきかを自問自答し、行動している人が、これからの時代にあったセカンドキャリアを力強く歩んでいけると思われます。

久保大輔




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