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ネガティブな感情は「放置」するに限る

心配事の97%は起きない。ワイルコーネル医科大学のロバート・リーヒさんが報告しました。「痛み」は身体的、そして精神的に私たちを常に襲います。「権外」とは自分の力ではコントロールできないこと、「権内」はその逆を意味する言葉。痛みは権外に分類され、自分ではコントロールできないことが多いです。

どうすることもできない痛みは、時間の経過とともに不安や悩みにつながります。だからこそ私たちは必死に怒り、引きこもり、頑張り、刺激に頼ったりして抵抗します。仕事でうまくいかないことで抱く心理的苦痛をお酒(刺激)で紛らわせることが多い私。ですがこれが心配を増幅させる一因にになるということを今まで知りませんでした。

抵抗すれば苦しみが増す事例は日常的にたくさん存在。そろそろインフルエンザワクチン接種の時期ですが、多少痛くても泣いたり叫んだり逃げたりといった抵抗を示す大人はそんなに多くありません。「この痛みを受け入れるしかない」という思考がそうさせるのであり、逆に何もわからない子どもが注射を見るだけで必死に抵抗するのは、現実に対して積極的に「降伏」することができないからです。

私は日々、運動をしていますし、今朝も外をランニングするときに感じる痛み(寒さ、息苦しさ、筋肉疲労など)を受け入れました。当然「苦しみ」を感じはしますが、苦しみが集中力アップや健康促進につながるという報酬を知っているので、苦痛に対して降伏することは容易いです。

抵抗とはつまるところ「現実から目を背ける」行為。抵抗しない人は「痛みには効果がある」と、ただ現実を見つめて感情の波風を立てない対策を探し始めます。直面している現実を認めて、正面から向き合うこと。静かに自分の思考を見つめることで苦しみが起きづらくなっています。

とある研究では、自分のネガティブな感情に抵抗せず放置できる人ほど抑うつの症状と不安感が減り、人生の満足度が向上しやすかったと報告しています。自分の思考や感情に反発するのは水の中に浮き輪を沈めようとする行為そのもの。抵抗によって反発がさらに増幅するだけです。

痛みをただ観察すること。湧き上がってくる抵抗の感情を静かに眺めることができるようになれば失敗や病気、不安や悩みに対応できるようになるそうです。無(最高の状態) を読んでいろいろ試してみようと思います。皆さんもぜひ、めちゃくちゃ良書でした。

久保大輔




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