「サッカー大好き」であることが変化の阻害要因になることも
今日は懺悔(ざんげ)の日。
自分の考え方、仕事への向き合い方、
行動を振り返り、
客観的に考察して、
素直に悔い改め、
今の時代に何を考え
何をしていくべきかについて
まとめてみます。
■新型コロナウイルス感染症拡大
の影響を受けた
スポーツ業界。
スタジアムにお客さんを呼ぶ
ビジネスモデルはおそらく、
大胆な変革
を余儀なくされるでしょう。
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が売りにくくなった今、
「どこで何を売るのか」
を従来の常識から
大きく外れたところに見出し、
設計、実践できるクラブが
生き残っていくはず。
そこで、
何も手を打たなければ
終わってしまうという危機感を前に、
僕が京都サンガに勤めていた
当時の(今も?)ビジネスモデルや、
僕自身の心的態度を思い起こし、
いかに変革が実践されうるのか、
について自虐的に考察してみる
というのが今日の投稿になります。
■京都サンガに限らず、
多くのJリーグクラブは、
企業スポーツの構造や資産を数多く残しながら、
欧米のモデルを取り入れ、
外的フレーム(企業色排除、地域密着)を構築して、
マーケティングやプロモーション
などのビジネス面を強化し、発展を遂げてきました。
この「バランス」のとれた戦略が、
短期間で驚くべき成長を実現した
大きな要因であることは間違いありません。
※最近は
企業スポーツに出自を持たない
いわゆる「市民クラブ」の方が
多くなってきました。
■「企業スポーツ」とは、
企業に守られて、
企業に支配されることで、
お金の心配をせずに
スポーツができる仕組み、
といえます。
Jリーグの前身、
日本サッカーリーグ(JSL)における
試合観戦者数は目を覆うほどの有り様。
いつもガラガラでした。
親会社が赤字を補填してくれる組織が、
真剣に顧客獲得に取り組むことは難しく、
「ファンが少なくてもクラブが成立する」
という状態が長年
放置されてきました。
そして今、
親会社と、親会社の関連会社、
親会社とのビジネスパートナーによる広告費が、
全収入の「50%」を越えるクラブもあり、
京セラに守られた
京都サンガというクラブで僕は、
「サッカーファン」にチケットを売り、
リピーターになってもらうのが仕事
という視野狭窄から抜け出せず、
大多数の消費者(サッカー無関心層)が
他のエンタメに流れることを
「なぜだろう?」
と指をくわえて眺めていた
という感想をあらためて持っています。
小規模なファンが固定化し
排他性と高齢化による市場の縮小
は、Jリーグの課題
でもあります。
■プロスポーツの目的は、
言うまでもなく「ファンの創造と拡大」
ファンがクラブの存在価値、
成否のすべてを決定します。
収入の大半を親会社に依存する
会社のサラリーマンとして、
J2に落ちようが、
赤字になろうが
給料とボーナスが約束されていた僕にとって
「ファンをつくって拡大する」
という認識や意識は甘く、
その活動も極めて中途半端だったと
今、猛省しているところ。
ゼロからファンを獲得し、
より広く社会的認知や共感を得ることで、
関心層を広げ、
スポンサーシップやライセンス収入
を得ることに全精力を投入するのが
プロスポーツのあるべき姿です。
そういう意味でどうやら僕は
危機感をおおよそ持つことなく
仕事をしている気持ち
になっていただけ
だったのかもしれません。
■僕は生粋の
「サッカーオタク」
サッカーの仕事にかかわる
幸せと誇りを持っている(今ももちろんそう)
しかし、
「サッカー大好き」
なことがビジネスや経営の目を
曇らせることは多々ある(というかめちゃくちゃ多い)
「サッカーの価値」を過大評価してしまって
「顧客、市場、一般の人々が見えない(見ない)」
そしてJリーグクラブで働くこと
それ自体が「目的」になっていたことも
否定できません。
そこにい続けることが人生の幸福。
だからわざわざリスクをとる仕事をしないし、
中途採用が行われるという
うわさを聞くといつもビクビク恐れていました。
自分がいられなくなるかもしれない
そんな恐怖に苛まれていたのです。
コロナに襲われた現在のような
ビジネスモデルの大転換期において
クラブを改革するための
大きな阻害要因。
それは
「サッカーが大好きだからこそ改革を望まない」
僕のような職員の存在
ではないかと思ってしまいました。
■2週間に一度おとずれる
サッカーの試合を
宣伝、告知して
試合に集まった観客を適切に処理して、
ゲームの進行を管理、遂行しながら
グッズや飲食の販売を行い、
スポンサー看板の露出状況を確認、VIPの対応、
その他あらゆる雑務を
朝から晩まで、汗だくになりながら真面目にこなす。
僕は「業務運営のプロ」でした。
でも冷静に考えると、
僕の代わりはどこにでもいます。
というか外注した方が
合理的で質の向上も見込めたはずです。
正しい正規社員のあり方は、
僕のように「川下の業務処理」を
嬉々として取り組むのではなく
「川上の価値創造
(マーケティングや営業、戦略立案、顧客開拓)」
に集中して、
それらのレベル向上を図ること。
でも僕はとにかく、
「試合がある現場」
が大好きでした。
■なぜか?
それは現場に
「考えなくてもやることがたくさんある」
充実感と
「目の前にいる多くの来場者にいいことをしている」
という
自己肯定感があったから。
名前や顔を覚えられて、
声をかけられて、調子に乗っていたことも
現場第一を是としていた
要因でしょう。
スポーツ以外のビジネス
をしていたらなかなか味わえない「幸福」
社会にいいことをしている
という多幸感や全能感の中で
川下の業務処理とルーチンワークを続け、
低レベルな社会人として
長期間雇用していただいていたのが
僕のかつての実態
ではなかったかと。
■自虐ネタが進行中ですが
いったんここで
まとめにはいってみます。
僕が味わってきた「幸福」は
親会社からの補助金という仕組み
があるからこそ許される
ということを忘れるべきではありません。
そして
企業スポーツからスタートし
一気にメジャースポーツへとのぼりつめた
そんなJリーグの華やかなストーリーが
たくさんの矛盾を生みだした
ということも理解すべきでしょう。
それは、かつての僕の
誤った思考態度が証明済みです。
■コロナによって
スタジアムの来場を前提としない
インターネットを介したビジネスの構築
は急ピッチで整備されている。
それは「放映権料」という
莫大な富を生み出し、
コロナが逆に
ビジネスを活性化させる可能性すら感じさせます。
予期せぬ、
幸福につながるかもしれない「事故」は
Jリーグクラブのビジネスモデル
および働く社員、スタッフの意識の見直し
を求める原動力
になるかもしれません。
高度な人材の流入により
インターネットやテクノロジーの発展
マーケティングや戦略の実践
は各クラブで毎日
盛んにおこなわれ、その情報が伝わってきますが
僕のような「サッカーオタク」の意識
が変わらない限り、
本質的な意味において、
クラブの変革は難しいのでは?
と感じた次第です。
■豪快に過ちを犯し続けた
僕だからこそ(?)
スポーツビジネスの本質をとらえ
「ファンの創造と拡大」
を行えると自負していますし
それを実践するのが
以下のプロジェクトになります。
スポーツクラブの経営に参加できる
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