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【激ムズ】子どもとの多数決:メリット・デメリットとその捉え方

このnoteでは、保育現場における「多数決」について考えてみたいと思います。この記事は、現役の保育士や保育士を目指す学生、そして子どもの教育に関心を持つ保護者の皆さんに読んでいただきたい内容です。具体的な事例を交えながら、子どもたちとの多数決のメリット・デメリット、そしてその捉え方についてお話しします。

多数決の魅力と影

多数決のメリット

まず、多数決の大きなメリットは「民主的な意思決定ができること」です。子どもたちは、みんなの意見を平等に扱い、多数の意見を尊重するという基本的な社会のルールを学びます。例えば、お絵描きの時間にどの絵本を読むか決める際に、多数決を取るとしましょう。この過程で子どもたちは、自分の意見を他者に伝える力や、他人の意見を聞く態度を養うことができます。

多数決のデメリット

しかし、多数決にはデメリットも存在します。特に小さな子どもたちにとって、多数決の結果に不満を感じたり、そもそも納得できないことがあるでしょう。少数派の意見が無視されることが多く、時には悲しい思いをすることもあります。また、子どもたちは自分の意見が尊重されなかったと感じることで、自信を失ったり、意見を言うことに消極的になったりする可能性もあります。

保育園での多数決の実例

給食のメニューを決める場面

ある保育園での一例を紹介します。毎週金曜日には特別な給食メニューを決める日がありました。その日は、カレーライスかスパゲティかを選ぶことになり、子どもたちは多数決で決めることにしました。カレーライスに票が集まりましたが、スパゲティを選んだ子どもたちの中には、がっかりした顔を見せる子もいました。

この時、保育士は単に多数決の結果を伝えるだけでなく、スパゲティを選んだ子どもたちにも声をかけました。「スパゲティも美味しいよね。今日はカレーだけど、来週はスパゲティにしようか」と少数意見を尊重する姿勢を示しました。

行き先を決める場面

また、散歩の際にどの遊び場に行くかを決める場面でも多数決が活用されました。⚪︎⚪︎広場で遊びたい子どもたちと、⚫︎⚫︎公園で遊びたい子どもたちで意見が分かれました。多数決の結果、⚪︎⚪︎広場が選ばれましたが、保育士は少数派の意見も大切にしました。「今日は⚪︎⚪︎広場で遊ぶけど、明日は⚫︎⚫︎公園で遊ぶ時間を作ろうね」と提案し、全員が納得できるように工夫しました。

多数決の捉え方

少数意見に気づく機会としての多数決

多数決を単なる「議決の手段」として捉えるのではなく、「少数意見に気づく機会」として捉えることが大切です。多くの意見が集まる中で、少数派の意見を見逃さずに拾い上げることで、子どもたちは多様な考え方に触れ、共感する力を養います。

大人の関わり方の変化

この視点の変化は、大人の関わり方にも影響を与えます。多数決の結果だけを重視するのではなく、少数意見をどう受け止め、どうフォローするかが重要です。例えば、ある保育園では、毎週の活動計画を子どもたちと話し合いながら決める際、多数決を行った後に少数意見を出した子どもたちに対して、「君たちの意見も素敵だね」とフィードバックを行うようにしています。このように、少数意見を認めることで、子どもたちは自分の意見が大切にされていると感じ、自己肯定感を育むことができます。

まとめ

保育現場での多数決は、子どもたちにとって民主的な意思決定の方法を学ぶ貴重な機会です。しかし、その過程で少数意見が無視されがちになることもあります。多数決を「少数意見に気づく機会」として捉え、保育士や教育者が積極的に少数派の意見に目を向けることで、子どもたちは多様な考え方を尊重する心を育むことができます。この記事が、保育現場での多数決に対する新しい視点を提供し、子どもたちの健やかな成長に寄与する一助となれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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