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釣具が売れる人、売れない人…

From 安永周平

ある男性が、釣り竿とリール(釣り糸を巻き取る道具)を買うために釣り具センターに行きました。彼は釣りには詳しくなかったのですが、新しいリールの評判を聞いて興味を持ったんです。しかし、すぐに興味を失いました。その理由は、彼らのやり取りを見ていれば分かります。

男性「このリールは評判通りですか?」

店員「そうだと思いますが、人によって意見はまちまちです。」

男性「では、あなたの意見はどうですか?」

店員「私ですか? わかりません」

男性「よく売れているんですか?」

店員「もちろん、買っていかれる方もいます。でも、よくわかりません。糸がもつれにくいので、初心者の方には向いているんじゃないでしょうか。」

何も買わなかった男性…


結局、男性は何も買わずに店を出ました。「何か不具合があるに違いない。そうじゃなければ、もっと売り込むはずだ」と思ったからです。それから数週間が過ぎて、彼は出張で海が近い街に行き、週末に釣りをする機会がありました。その際、道具一式をそろえてもらうために現地の小さな釣具屋に行きました。すると、年配の店主が出てきて言いました。

店主「リールをお求めですか?」

男性「まだ決めていません。このリールは初心者向きですかね?」

店主「お客さん、投釣りが好きじゃないんですか?」

男性「いえ、やったことがないものですから。」

店主「投釣りが好きじゃないなんて人は、頭がどうかしていますよ。こんな面白いものに興味を持たないなんておかしいですからね。」

失礼な物言いではあったけど…


店主があまりにもハッキリと物を言うので男性は驚きましたが、投釣りに対する彼の熱意は、失礼な物言いを打ち消すだけのパワーを持っていました。店主は投釣りの魅力に取り憑かれている様子だったので、男性はその熱意にほだされました。そして彼は、微笑みながら「投釣りの道具を一式ください」と言ったのです。

これは、ボブがよく推薦するレス・ギブリン氏の名著『人望が集まる人の考え方』に載っている一節ですが、この話から僕らが学べることは何でしょうか? それは、ビジネスをしているのなら、自分が熱意を持っていないと商品を売ることなんてできないということです。もちろん、これだけでは売れませんが、自分が熱意を持っていることは大前提として必要でしょう。これに加えて、もう1つ大切なことがあります。

信頼を生むために必要なこと


自分が熱意を持つことで相手にも熱意が伝わるのと同じように、自信満々に振る舞うと相手の信頼を勝ち取ることができます。全米販売役員協会のボブ・ホイットニー会長がこんなことを言っています。

「営業マンにとって自信にあふれた態度とは、銀行口座に預金がふんだんにあるようなものだ。自信にあふれた態度をとり、自信に溢れた表情をすると、自信がみなぎるように感じる。さらに重要なのは、それによって見込み客が信頼を寄せてくれることだ。私は平凡な営業マンが驚異的な売上を達成するのを見てきた。彼らは自信に溢れた態度をとる術を心得ていた。一方、セールスの理論を熟知していても、伸び悩んでいるケースも見てきた。彼らは自信にあふれた態度をとる術を心得ていなかった」

一方で、嫌われる人の特徴は?


また、有名なボブ・ベイル研究所の設立者であるボブ・ベイル所長は、自信に溢れた態度をとることは、自分の魅力を高めるための最も重要なことのひとつだと言います。実際、次のようなことを言っています。

「精神的に不安定で優柔不断な人を好きになる人はいない。私たちが本能的に好むのは、自分が求めているものを知り、それを手に入れると確信している人だ。人々は自信のない人や弱気な人を嫌う。堂々と振る舞い、目標へと邁進しよう。私は多くの人が意図的に自信に溢れた態度をとることで自分の性格を完全に変えるのを見てきた」

そう、自分を信じているように振る舞えば、相手はあなたのことを信頼します。おどおどしたり、挙動不審だったり、優柔不断だったり…こうした人から商品を買いたい人なんていませんよね。一緒に仕事をしたいなんて思わないのが普通です。どんなに優れた商品・サービスを扱っていようとも、ここで躓いていたらその先はないでしょう。

初期のアップル社が成長した理由…


1つ面白い話があって、多くのPCメーカーが優秀な営業マンを雇う中、初期のアップルは熱狂的なアップル製品のファンを雇いました。「それで売れるの?」と思うかもしれませんが、売れたんですよね。これが。何が言いたいのかと言うと、営業で最強の武器になるのは、話術でも心理テクニックでもありません。

では何かと言うと…それは「使命感」です。その商品を売ることで、相手の人生が…ひいては世の中がよくなると強く信じている営業マンが1番強いのです。先の釣具屋の店主は、投釣りをすることで相手が間違いなく面白い時間を過ごせると信じていたからこそ、熱意ある営業ができて男性の心を動かしたのでしょう。この原点を僕らも忘れないようにしたいものですね。

PS
ちなみに「自分には熱意がない」と思っているのなら、こちらオススメです…

詳細はコチラ

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