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人の行動に作用する3つの法則

FROM ボブ・バーグ

「究極的には、人は自分のために行動するのであり、他人のためには行動しない」

…かのデール・カーネギーも著書の中でこう言っている。まさにそのとおりで、これが人間の本質だ。もちろん、他人のために行動できる人もいるだろう。しかし、よくよく考えるとそうした行動によって得られる喜びや嬉しさが本当の動機ではないだろうか。つまるところ、人は自分のためや目的のために行動している。

超一流のセールスパーソンのマインドセット


だからこそ、超一流のセールスパーソンは「相手の目的」に注目しているものだ。彼らは「自分の目的と相手の目的をどうすれば一致させることができるだろうか?」と考えている。もっと平たく言えば「こちらの利益と相手の望みを両立させるには、何が必要だろうか?」ということを、彼らは常に意識しているものだ。

だとすれば、こちらが有利になるように相手を誘導したり、心理操作しようなんて考えはするべきではないうえに、必要もないだろう。そう、「相手の力になりたい」といった本当の意味で相手のことを考えることができれば、もうセールスをするための土台はもうできている。

ところで、人間の本質から見た「自分のため」とは、具体的にどういうことだろうか?もし本当にカーネギーが言うように、人は究極的には自分のために行動するのであれば、それを詳しく知ることはとても大切だ。とはいえ、これについてはある答えがある。

何によって人は動機付けられるのか?


このことを適切に言い表しているのが、すでに亡くなっているハリー・ブラウン氏の書いた本『The Secret to Selling Anything』だ。この本は、ハリーがこの世を去って数年後に出版されたもので、1960年代に彼が書き残した原稿を2つ組み合わせて1冊の本にしたものになる。

ハリーの妻であるパメラは、ハリーの死後この2つの原稿を発見し、それを出版社に持ち込んだところ、これら2つの原稿を合わせて1冊の本として出版される運びとなった。その本には、人間の本質について驚くほど正確な考察が述べられていた。それは、人が何かをする時、あるいはしない時の判断は何によっておこなわれるのか、ということになる。

ハリーは、人間の本質を見るのに長けていた。この本は「人がどうあるべきか」ではなく、「実際、人がどうであるか」を下地にして書かれた本になる。そのため、セールスにおいて「Win-Winの関係」を実現するうえでも、もっともパワフルで示唆に富む洞察が含まれた本だと私は考えている。

人の行動に作用する3つの法則


さて、彼が本の中で前提として扱っている法則が3つある。そして、これらの法則は3つで1つの大きな法則となっていた。まず1つ目の法則は、「誰もが幸せを求めている」ということ。ここでの幸せとは「満ち足りた状態であると精神が感じていること」と定義されている。

ここで「誰でも」という言葉に注目してほしい。人は皆それぞれ違うものだが、人間の本質として誰もが幸せを求めている。これを理解しておくことはとても大切になる。誰でも…そう、あなたの見込み客やクライアントも幸せを求めていて、それが彼らを動かす原動力になっているのだ。

また彼はこうも言っている。「人は誰でも、それをすることで自分が幸せになると信じることをするが、その全ての行動が幸せに直結しているわけではない。人は間違いを犯すものだ。しかし、全ての行動は自分の幸せにつながると思ってなされているのだ。」こうした点についても私たちはよくよく理解しなければならない。

さて、2つ目の法則は「幸せとは相対的なものである」ということだ。幸せの感じ方は人それぞれであり、何に価値を感じるかは人によって違う。ある人にとって幸せにつながることが、他の人にとっては無意味だったり、あるいは逆に不幸につながることさえもある。

これはつまり、自分にとって幸せの要因になるものであっても、目の前の顧客やクライアントにとっては、必ずしも幸せの要因になるものだと捉えられるとは限らないということ。無意味ならまだしも、逆効果である可能性もあることを踏まえるとよくよく注意が必要になるだろう。

ご存知かもしれないが、商品やサービスには様々な特徴、そして利点があり、それによって色んな価値が提供される。その中で、あなたが最も価値を感じるものが、顧客にとってはそうでないこともある。だからこそ、冒頭の話に戻るが、常に「相手のことを考えること」が重要になる。そして、幸せの感じ方は人によって違うことを理解し、肝に銘じておかなければならない。

そして3つ目の法則は、「リソースは限られている」ということだ。もちろん、この世界には確かに誰もが幸せになれるだけの要素で溢れている。しかし、それらの要素…つまりリソースには限界があるだろう。その人それぞれに時間やお金、知識、才能、エネルギー、選択肢は限られている。

だからこそ、限られた中でベストな選択をしていくことが必要になる。自分にとってより価値があるものを手に入れるために、何かを諦めなければならないことは決して珍しくないものだ。

Win-Winをもたらすセールスの大前提


さあ、ここまでの内容をまとめよう。あなたが見込み客に何かを売ろうとする時、相手があなたから購入するかどうかを決めるのは、あくまで相手になる。そしてもっと正確に言えば、あなたからその商品を購入することで、その人にとっての幸せが得られそうだと感じているかどうか。これが鍵になる。

相手は自分の中の限られたリソース、選択肢と照らし合わせて、買うかどうかの意志決定をしている。あらゆる人間の行動原則の土台になるのは「幸せへの欲求」だ。私たちもそうであるように、見込み客も同じだ。だからこそ、相手のことを考えるのが大切になる。これは、この先の長い人生において何度も繰り返し出てくるテーマでもある。

これを踏まえることで、あなたが「間違いない」と思っている選択肢を相手が選ばなかったからといって、そこに憤りを感じたり失望したりすることがなくなる。あくまで相手が「それをしない方が幸せになれる」と感じているからこそ、そういう選択をしただけのことだ。

これはまぎれもない真実であり、人の本質であると言える。また、こうしたことを考えを及ぼすことは、世界の真の姿をとらえることでもある。状況をよりよくするために必要なのは、まずは現実を直視すること。その中で、変化を起こすために「自分に何ができるか」を考えることになる。あなたは今、その第一歩を踏み出したと言えるだろう。

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