見出し画像

明石市長の辞任とリーダーシップ

FROM 安永周平

兵庫県明石市の泉房穂市長が、部下への暴言の責任を取って辞任したことがニュースになっていますね。「火つけてこい!」とか「ぶち壊してこい」とか…たしかにこうした暴言は、市長の立場にある人として許されることではないのでしょう。ネットで大炎上するリスクが非常に高いわけですし、今回のケースも同じですね。

一方で、新聞やテレビなどのマスコミが報じていない内容が、SNSやネットニュース等で話題になっています。その全文を読むと、確かに口は悪いのかもしれませんが、本気で市民のことを考えている市長のように思えます。「火つけてこい!」というのも、文脈の中で言った比喩のようですし、そこだけを切り取ったマスコミのあの報道はないんじゃないか…と。

とはいえ、暴言はダメです…

もし本当に善意の人であれば、このようなことで失脚してしまうのは、残念に思えます。ただ、だからといって暴言が許される理由にはならないのが現実。ですから、政治家はもちろんリーダーの立場にある人は、自分が発する言葉には気をつけなければいけませんね。「どういう言葉を使うか」「どんな言い方をするか」というのは、何を言うかよりもずっと大きく影響することが多いものです。

少し話は逸れますが、夫婦やカップルのケンカなんて、会話の内容が原因でケンカになることってあまりありません。それよりも「言い方」です。怒る時のセリフなんてだいたいだいたい「そんな言い方はないだろう!」みたいな感じじゃないですか(笑) 家族など、関係が近ければ近いほどコミュニケーションって難しいんですが…こと仕事やビジネスにおいては、言い方を気をつけるだけで防げる問題もあるものです。

部下が進んで成果を上げるためには?

では、部下や同僚と接する際には、具体的にどのようなことに気をつければいいのでしょうか? リーダーたるもの、自分がプレーヤーとして成果を上げるのではなく、チームのメンバーのパフォーマンスを上げて成果を上げることが求められます。だとしたら、メンバーと適切な形で対話し、モチベーションやパフォーマンスを上げるというのも重要な仕事の1つでしょう。

米国経営協会(AMA)が、世界で最も読まれているビジネス系のブログの1つとして挙げている『Leadership Freak』というサイトがあります。この創始者であるダン・ロックウェル氏は、リーダーシップやマネジメントの専門家として名高い人物ですが、実は今月号の『月刊GO-GIVERS』で、彼にゲストとして出演してもらっています。

その対談を収録した音声講座『部下のミスを減らす7つの方法』の中で、彼は部下と日常的に対話ができる”環境づくり”が大切だと言っています。まぁ口で言うのは簡単ですが、リーダーを経験したことがある人なら、この環境づくりというのが地味に難しいことを分かっているでしょう。だからこそ、ポイントを押さえておくことには価値があります。そこで今日は、実際に講座の中でダン氏が語っているポイントをいくつか紹介させていただきますね。

フィードバックで尋ねたい3つのポイント

まず1つは、「プロセスに注目する」ということです。そう、結果ではなくプロセスです。たとえば「今、特に上手くいっているのはどの部分か?」と聞いてみるのです。あるいは逆に、問題は何かを把握するために「何度も同じ問題が発生しているところはないか?」と聞くのもいいでしょう。結果だけを見ていても、パフォーマンスUPにはつながりません。プロセスにおける問題や、好調の理由に注目しましょう。

そのうえで、2つ目は「結果について尋ねる」ことです。ダン氏は、チームのメンバーや組織の自慢話を聴くのが好きだそうです。たとえば「最近どう?何かアツい話はある?」なんてフランクに話しかけるそうです。もちろん、いい話の時もありますが、悪い話の時もあるでしょう。しかし、「バッド・ニュース・ファースト」という言葉もあるように、悪い話も引き出せるのであれば一石二鳥です。その後は「どうすればいいと思うか?」と改善に向けた話をするのがポイントです。

さて、3つ目は「意思決定の分析をする」ということです。リーダーの多くは、結果を重視する傾向にあります(恥ずかしながら僕もそうです…)。そして、結果を重視するあまり、その結果をもたらした”意思決定”については分析したり反省したりしないことが多いもの。しかし、結果をもたらした原因について考える機会を持つのはとても大切なことです。

残念な結果に終わったのなら、「もしやり直せるとしたらどういった意思決定・判断をすればよいか?」について、部下と一緒に考えるのです。あるいは、「どんな意思決定をしたから、今回のような素晴らしい結果になったのか?」と尋ねてもいいですね。一連の仕事の中で、どれが部下のファインプレーだったのか…と。もっと言えば「どのタイミングでその判断をしたのがよかったか?」を尋ねるといいですね。

「何を言うか」+「どう言うか」

さて、ここまでの3つは、どちらかと言うと「何を言うか?(What)」についてでした。ポイントは全部で7つあって、残りの4つは「どう言うか?(How)」の要素が強いものです。つまりは、どのようにコミュニケーションを取っていくのか、どんな関係性を築いた上で話をするのか…といったことです。

それこそ4つ目は「関係性に注目すること」なのですが、これがまさに部下・メンバーのモチベーションに大きく影響します。チームのパフォーマンスを大きく上げる質問を交えながら、対話をしていく方法についてですが…長くなりますので、残りの4つについてはぜひ実際の講座を聴いてみてください。現在、2月号のリリースキャンペーンにつき全て無料で聴くことができますから。

『月刊GO-GIVERS』2月号:無料で聴くにはコチラ

PS
ダン・ロックウェル氏の講座は2月号の4本目です。他にも『顧客を動かす脳科学の秘密』などセールスに役立つ内容も見逃せません。残りの3本もぜひこの機会にチェックしてみてくださいね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?