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企業内新規事業の作り方ーフィラメント流ビジネス構造化スライド5選ー

株式会社フィラメントCEOの角です。
フィラメントでは様々な企業で新規事業をつくるサポートをしているのですが、社長としての僕の2022年の目標は「自分の気づきの構造化と言語化を進める」でした。
年初に目標を立てることほど無意味なことはないっていう意見もたまに聞きますが、年初に立てた目標を忘れずに言い続けたおかげで習慣化され、成果も出せたのでそのうちのいくつかを公開してみたいと思います。(この投稿はQUMZINEのアドベントカレンダー企画に参加しています。)

1)ビジネスの要素分解図

ビジネスとは
①支払い能力がある顧客
②支払ってでも解決したい課題
③支払うに値する解決策
の3つが主要構成要素
であり、その中で唯一「意思がある」のが顧客である。よって顧客の意思決定を誘導することでビジネスは成立する…ということをスライド化しました。
これはビジネス理解の基礎的前提条件の説明スライドの一つです。

2)ビジネスのプロセス分解図

ビジネスは単純化すると
①仕入れ
②商品化
③顧客誘導
④販売
の4つのプロセスでできていて、そのパラメータの違いがビジネスの違い
であることを説明するスライドです。これもビジネス理解の基礎的前提条件の説明スライドの一つです。
これに加えて具体例として、IT企業の場合は①仕入れの対象がエンジニア(もっというとエンジニアリングパワー)になるし、金融系の会社だとお金になるということも説明します。また、マッチングなどのプラットフォームビジネスの場合はプラットフォーム参加者を増やすことが「仕入れ」の一つであり、そのコストがめちゃくちゃかかるんだけど、その仕入れを意識していない人が意外と多いため、すでにプラットフォーム参加者がたくさんいる状態のビジネスモデルを書きます。これがプラットフォームビジネスでよくある「鶏卵問題」です。

ビジネスの4つのプロセスのうち、一番難しいのが「お客さんを連れてくる」顧客誘導の部分。どんなビジネスでも難しいのだけど新規事業になるとだれが顧客なのか、どこにいるのか、どうすれば買ってくれるのかなどが全然わからないので超絶難しくなります。そのうえ予算もほとんどかけられないので難しいを通り越した「超無理ゲー」になってしまいます。だから顧客特定からスタートするリーンスタートアップのアプローチが一般化しているわけですね。

3)企業とは何か?

企業とは事業の反復・洗練・成長を目的として設計された組織と仕組みであるため、既存の事業に相反する活動をするのはとても難しい。

4)企業内新規事業の難しさの原因とは?

既存事業会社が新規事業を始めようとしたときには、事業の直接的カニバリゼーション(顧客や売り上げが競合的になること)がなくても社内のリソース(数量限定的な社内資源)の獲得競争では新規事業と既存事業で競合が発生するし、そもそも組織運用ルールが新規事業にフィットしないものとなっている(既存事業を防衛するために作られルールが多い)ため極めて不利な条件となるのがデフォルトです。

5)新規事業をつくるために必要な4つの視点

企業内新規事業をつくることを考えると、2つの軸で4つの視点をもつことが重要。
1つ目の軸は「顧客側」で、顧客が購入の意思決定ができるかどうかを考えます。2つ目の軸は「提供側が事業化の意思決定がしやすいかどうかを考えます
4つの視点は以下のとおりです
(1)顧客側
・バリュー/製品の利用のよって顧客が得られる価値は十分に大きいか
・コスト/製品の利用に際して顧客に発生する負担は十分に小さいか
(2)提供側
・アセット/自社の使っても目減りしない資産を十分に生かせるか
・リソース/自社の有限な資源の消費を十分に抑えられるか


顧客側の軸で考えると、顧客が意思決定するためにはプロダクトのバリューを高めるだけでなく顧客側が負担するコストを下げる必要があります。言い換えると、バリュー/コストが一定以上に高まらなければ「購入」という意思決定は発生しないと考えられます。
また提供側が事業化するためには既存事業と競合しやすい有限な資源(リソース)の消費を抑えて、使っても目減りしない資源であるアセットを活用するのがセオリーとなってきます。

実際にはもっとたくさん面白いスライドがつくれたのですが、ざっくりストーリーになりそうな部分を抜粋して公開してみました。

こうした気づきをもとに新規事業の作り方を伝えるビジネスパーソン育成プログラムをつくったのも今年の大きな成果の一つでした。
フィラメントは「未来と今を誰もが面白がりながら成長できる社会」をビジョンとして掲げていますので、面白がりながら成長してもらえる機会が提供できればうれしいなあと思っています。

来年以降は「ビジネスとは何か?」というビジネスの基礎的理解から始める誰にでもわかりやすく楽しく成長してもらえる社内教育事業にもアクセル踏んでいきたいと思っています。

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最後までお読みいただきありがとうございます。 ここまで読んでいただいた方には僕の会社フィラメントのサイトの「新規事業ノウハウ」のコーナーも楽しんでいただけるかもしれません。
リンクを貼っておきますのでぜひどうぞお越しください!!


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