見出し画像

更年期の薬膳デザート

女性であれば誰でも人生で必ず通る時期に、更年期があります。女性の更年期年齢は、「初潮の年齢+30±4」という計算でわかります。そして、この更年期に起こる身体の不調和を更年期障害と言います。

更年期障害の症状は、イライラ、興奮しやすい、不安感、神経質、不眠、抑うつ、物忘れ、頭痛、頭が重い、ほてり、熱感、汗をかきやすい、元気がない、口が渇く、冷え性、めまい、ふらつき、動悸、息切れ、手足の痺れ、皮膚に蟻が這うような感じがする、疲れやすい、肩こり、腰痛など様々です。

中医学では、更年期障害は、老化が関係しています。そして、女性は7の倍数、男性は8の倍数で身体が変化していくと言われています。

女性7歳/男性8歳
成長が旺盛で、歯が生え替わる。

女性14歳/男性16歳
女性は月経が始まり、男性は精気が充実する。

女性21歳/男性24歳
親知らずが生える。

女性28歳/男性32歳
筋肉·骨が強壮になる。

女性35歳/男性40歳
老化、抜け毛が始まる。

女性42歳/男性48歳
シミ、シワ、白髪が現れる。

女性49歳/男性56歳
女性は閉経し、男性は衰え、体型も崩れる。

女性は35歳、男性は40歳で老化が始まるということは、人生100年時代の今、人生の2/3は老齢期ということになります。病気は10年前の食生活の通信簿と言いますから、老化を防ぎ、長い人生を健康に過ごすためには、そのあたりの年齢から、食生活をケアすることが大切だと思います。

更年期障害は、老化による腎、肝、脾胃の働きの低下、女性ホルモンの分泌の減少、また、気の巡りと血や身体の水分バランスの乱れにより様々な症状が現れます。

更年期障害の中でもよく聞かれる症状に、ほてり、ホットフラッシュ、夜中に熱くて目が覚める、寝ている時に汗をかく、不眠があります。

これらの症状の原因は、臓器の機能が低下し、身体の水分、血液が充分臓器に行き渡らなくなるため、体内で熱の症状が現れるので、水分を滋養し、熱を冷ますことが必要です。

銀耳と百合とクコの実のミルクデザート

【材料】

銀耳(白キクラゲ)

肺、胃、腎に作用し、肺を潤し、咳、皮膚の乾燥を防ぎ、口渇き、微熱を抑えます。また、免疫機能増強の働きがあります。

百合

肺、心、胃に作用し、肺を潤し、空咳、精神を安定させ、動悸、不眠、多夢、精神不安、イライラに効きます。

クコの実

肝、胃、肺に作用し、肝と腎を滋養し、めまい、ふらつき、白髪、視力減退、眼精疲労、肺を潤し、慢性咳、喘息に効きます。

リンゴ

脾、胃、心に作用し、清熱作用により、肺を潤し、発熱、口渇き、空咳、消化不良に効きます。

牛乳

心、肺、胃に作用し、口渇き、寝汗、皮膚乾燥、痒み、便秘、虚弱、疲れ、微熱に効きます。

ハチミツ

脾、肺、大腸に作用し、脾胃虚弱の疲れ、胃痛、腹痛、肺を潤し、咳、空咳、息切れ、皮膚の乾燥、便秘に効きます。

【作り方】

1) 銀耳、百合、クコの実を小さな鍋に入れ、少量の水で弱火で煮ます。

2) 冷めたら、お好みの甘さにハチミツを入れ、冷蔵庫で冷やします。

3) 細かく切ったリンゴと合わせ、器に盛り、牛乳をかけてミントの葉を飾って出来上がりです。(ミントは、気の巡りを良くします)

材料の効能を見てわかるように、これらは、肺に作用するので、乾燥の季節である秋に肺を滋養しておくことで、風邪をひきにくくし、また、肺は皮毛を潤すため、皮膚の乾燥も防ぐことができます。

私達の身体の機能と、自然の食物の効能を理解して、美味しい食事を作る薬膳には、薬やサプリメントにはない、嬉しい副次的効果もあるのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?