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癒しの秘訣

シャムレッフェルさんは、癒しの秘訣は3つあると言っていた。1つ目は食事、2つ目は睡眠、そして3つ目は信仰だと。


シャムレッフェルさんは、日本人とアメリカ人のハーフで、エホバの証人のお母様の影響で、19歳の時にエホバの証人のミッショナリーとして日本に来られた。同時通訳ができたため、若くして主要メンバーになったが、横柄な上層部の人につまずき、教団を離れ、ビジネスマンとなった。しかし、癌になってからは、仕事は辞め、最近は僧侶になったという。しかし、彼のお父様(アメリカ人)と奥様(日本人)はクリスチャンで、健康ホテルに引っ越すまでは、奥様の教会に時々通っていたという。私は教会で彼のための祈りが積まれているのを感じた。


彼が仏教の僧侶になった理由は、仏教は誰でもウェルカムの世界で、お釈迦様の下にキリストも受け入れているというようないい加減さ、天国は望むものが何でもありの世界だったからだという。また、彼の体験談を人に紹介する際、癌にこれが効く、あれが効くという話しをすると、お金がからめば詐欺扱いになるところ、宗教指導者であれば宗教の自由として憲法で保護されるため、法的にも守られると言う。それに、彼を訪ねてくる癌患者がイエス・キリストと言うとポカーンとしてしまうのが、仏教に基づいた話しをすると納得してくれやすいと言うのだ。


私達は、2時間くらい話していたが、彼は咳き込むことが多く、癌が気管支に転移しているとのことだった。私達は、3人で手を繋いでお祈りをした。シャムレッフェルさんの手は冷たく、私にも冷気が伝わるほどだった。彼はいつもは自分が祈るのに、祈られたのは初めてだと、とても喜んでくれた。私はその夜、ある聖書のことばが頭に浮かんであまり眠れなかった。


[マタイの福音書 7:13,14]

 狭い門から入りなさい。滅びに至る門は大きく、その道は広く、そこから入って行く者が多いのです。いのちに至る門はなんと狭く、その道もなんと細いことでしょう。そして、それを見出す者はわずかです。


翌日、シャムレッフェルさんにそれを伝えた。人々を真実の道に導くべきだと思うと伝えると「確かに聖書にありますね…」と考えていた。彼は以前、奥様の通っていたバプテスト教会の牧師に、エホバの証人もカトリックも仏教も、天国には行けないと言われたことにショックを受け、自分はイエス・キリストを信じているが、僧侶になってしまい、本当に天国に行けるかどうか恐くて聞けないと言っていた。私は彼を励まそうと、クリスチャン人生においては、信仰に燃えている時もあれば、冷めていると時もあって、最終的に神に立ち返ることが大事だと言うと、「放蕩息子の話しもそうですね」と救われた顔をしていた。


[ルカの福音書 15:11-24]

 イエスはまた、こう話された。「ある人に二人の息子がいた。弟のほうが父に、『お父さん、財産のうち私がいただく分を下さい』と言った。それで、父は財産を二人に分けてやった。

それから何日もしないうちに、弟息子は、すべてのものをまとめて遠い国に旅立った。そして、そこで放蕩して、財産を湯水のように使ってしまった。何もかも使い果たした後、その地方全体に激しい飢饉が起こり、彼は食べることにも困り始めた。

それで、その地方に住むある人のところに身を寄せたところ、その人は彼を畑に送って、豚の世話をさせた。彼は、豚が食べているいなご豆で腹を満たしたいほどだったが、だれも彼に与えてはくれなかった。

しかし、彼は我に返って言った。『父のところには、パンのあり余っている雇い人が、なんと大勢いることか。それなのに、私はここで飢え死にしようとしている。立って、父のところに行こう。そしてこう言おう。「お父さん。私は天に対して罪を犯し、あなたの前に罪ある者です。もう、息子と呼ばれる資格はありません。雇い人の一人にしてください。」』

こうして彼は立ち上がって、自分の父のもとへ向かった。ところが、まだ家までは遠かったのに、父親は彼を見つけて、かわいそうに思い、駆け寄って彼の首を抱き、口づけした。息子は父に言った。『お父さん。私は天に対して罪を犯し、あなたの前に罪ある者です。もう、息子と呼ばれる資格はありません。』

ところが父親は、しもべたちに言った。『急いで一番良い衣を持って来て、この子に着せなさい。手に指輪をはめ、足に履き物をはかせなさい。そして肥えた子牛を引いて来て屠りなさい。食べて祝おう。この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったのだから。』こうして彼らは祝宴を始めた。


この放蕩息子の話は、父は神、息子は私達の例え話だ。父である神の元に立ち返る私達を、神はただ受け入れてくださり、天国では祝宴があるのだ。


その後、シャムレッフェルさんは、肺がんの放射線治療のため入院された。私は、彼が癒されるよう、またイエス・キリストに立ち返ることができるようお祈りした。

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