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バッドエンドのその後にも人生はある .01 【子供心と死恐怖症】


『バッドエンドのその後にも人生はある』

自分の思い付きの言葉だが、自分の座右の銘はこれにしようと思っている。

今は30代前半になるが、よくぞここまで生きてきたなと自分で自分を褒めてやりたい。


自分は父の仕事の関係でアメリカのニューヨークの病院で生まれた。
この事は自己紹介の時によく話す。大体その場で浮けるからだ。
ただし3歳からは日本で暮らしていたので、ほとんど記憶に無い。

小さな頃は将来吉本芸人になれるぞと評判なくらいに元気でおしゃべりだったらしい。
小学生の頃は毎日友達と校庭で鬼ごっこや缶蹴りをして駆け回っていたのを覚えている。


人生の最初の転機は小学校3年生の時だ。

なんの授業の時かは忘れたが、担任の先生と天国の話をした。
「先生、死んだら天国に行けるんでしょ?どんな場所なんだろう」
と聞いた。
すると、
「天国なんて無いのよ、死んだら「無」よ!!」
と叫ばれたのである。

私はそれがトラウマとなり、重度の死恐怖症(タナトフォビア)に罹患した。


「死」とはどのような状態か?


天国が信じられなくなった私は子供ながらに想像した。
それは、夜眠った時の事を想えば想像しやすい。

熟睡した時、夢も見ずに目が覚めると、何もしていないのに長い時間が流れている。
その時自分は「無」になっていたと感じる。

死とは、その熟睡して「無」になった状態から「目覚めなくなる」。
自分は「無」となり、それでも世界の時間は永遠に流れていく。

そう私は想像し、とてつもなく恐怖に感じた。

夜に眠るという当たり前の事が怖くなった。
死の不安に襲われるとパニックになり叫んでしまう。

子供ながら運動嫌いな性格も災いした。運動で身体を動かしまくっていればもっとマシに気が紛れたろうに、
私は死が思い浮かばないようにした事はテレビゲームをひたすら脳に流し込んだ。

一番遊んだのは初代ポケモンである。
なるべく寝たくないからと、毎日深夜まで親に隠れてポケモンを夢中で遊んだ。

成長期であるのに関わらず、ろくに寝なかったせいで私の身長の成長は早い段階でストップした。もちろん慢性的な寝不足による不健康な状態が続いた。


私が勝手に思うに現在30代の低身長な人の原因の多くはポケモンにハマり過ぎた事である。
これによる低身長というコンプレックスにも後々色々とこじらせる要因に繋がることになる。


こうして小学3年生にして死恐怖症となった私だが、このような状態が大学生の中盤ごろまで進むことになる。

この死恐怖症の目覚めが私の人生最初の転機であり、人生の目覚めであったと思う。


そして、後々のバッドエンドに繋がる人生の始まりに過ぎない。



続く


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