見出し画像

無観客ライブの利益を最大化するためには? 前篇:無観客ライブのコスト

こんにちは、fanicon運営チームの西村です。

コロナ禍の状況に追いて最も打撃を受けている産業の一つに「ライブエンタメ」市場が挙げられると思います。

以下の記事でも 一般社団法人 日本音楽制作者連盟理事長 野村達矢氏が「3月だけで1550本という相当な数のコンサートの延期や中止が行われた」と試算しており、その被害の大きさが伺えます。

また、先日小池都知事が発表したロードマップの中でもライブハウスはステップ3においても休業要請の対象であることが明示されており、コロナ前の状況に戻るのにはまだまだ時間を要しそうです。


そういった状況において「無観客ライブ」の重要性は高まっていると感じますし、実際に3月末にチケット制ライブ配信サービス fanistreamをローンチさせていただいてから、150件以上のお問い合わせを頂いております。

fanisreamの実施事例は下記記事にまとまっておりますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。


本日は実際に無観客ライブを実施してきた経験を元に「無観客ライブでの利益を最大化する」というテーマでお話していきたいと思います。
※記事が結構長くなってしまったので前後編で前編を「コストの最小化」、後編を「売上の最大化」にてお送りいたします。


本稿では「無観客ライブにおけるコスト」について論じていきます

無観客ライブにおけるコストは大きく分けて以下の2つに分類出来ます。

①ライブをするコスト
②配信をするコスト

「ライブをするコスト」に関しては、普段ライブされているアーティストさん、事務所関係者さんであれば金額感の見当はついているかと思います。(具体的にライブハウスを借りる費用や照明音響などの費用がここに入ります。)

一方でまだ未知数な部分が多いのが「配信をするコスト」ではないでしょうか

本稿では fanistream にて実施した無観客ライブの実例を元に配信コストについて解説いたします。

まず「配信に関わるコスト」も以下のように細かく分類することができます。

①配信のスタッフの人件費
②機材費
③配信の質を高めるためのコスト


①「配信スタッフの人件費」に関して

fanistreamでライブ配信を実施したケースを元にすると、配信ディレクター、スイッチャー、カメラマンの3人組が最小単位になるかと思います。
※訳注 場合によってはディレクター兼スイッチャーという選択肢もありますが、トラブルシューティングを考えると分けるほうが良いと考えております。また音響周りは「ライブを行うコスト」で発生する音声さんの人件費や機材を流用するということを想定しておりますので今回は最小単位から除外しました。

あとはカメラマンを増やす(=有人カメラ台数を増やす)ことがコストに影響します。

②「機材費」に関して

「配信用PC」、「スイッチャー」、「カメラ」、「返しモニター」などが基本セットになると思いますが、コチラは配信をお願いする会社の方に相談して最適なセットを準備頂くのが良いかと思います。

カメラの台数について弊社の実施経験上、「有料配信するなら最低3台(1台有人)」とご提案しております。ここは予算の都合もありますが、カメラの台数を1台増やしても無人であればそれほどコストは上がらないので、4−5台位あると少し遊びがもてると思います。
※配置例 引き1台、有人アップ 1台、観客席から見上げるアングル1台、ステージ脇で視線送る用 1台 など

「で、結局やるといくらかかるの?」

というお話ですが、弊社で配信会社さんにお願いする場合は25~40万くらいの予算でやっていただくことが多いです。

勿論この値段設定は弊社がプラットフォームであり定期的に発注させていただいているという前提を加味された価格設定だと思うのでワンショットで同額になることをお約束するものではないのですが、ひとつの参考にしていただければと思います。

最後に③「配信を良くするコスト」

これは具体的にVJを入れてライブ映像に歌詞を載せたり、映像を組み合わせたりといった配信ならではの工夫のことを指します。

金額に関してはピンきりですが、導入するだけでかなり映像がリッチになります 。
下記は弊社で実施させていただいた劇場版ゴキゲン帝国Ωさんの無観客ライブの映像ですが、映像もリッチでお客様の満足度もとても高かったです。

スクリーンショット 2020-05-25 18.05.09

今後のライブエンタメに係る状況がどうなるかはまだ未知数ですが、ライブの質高める、新しい体験を提供するという観点で今後もどんどん進化していくと確信しております

以上が、無観客ライブを行う際にかかるコストになります。
無観客ライブを検討されていらっしゃる方は、上記を踏まえて実施にどれくらいコストがかかるか一度計算してみていただくのもよいかと思います。

ちなみに、一点補足ですがライブハウス選びについては「客席の大きさ」に拘る必要がないので、その部分のコストは落とせると考えられます。
ただ、ステージの広さはパフォーマンスの見栄えに大きく影響するのでその点だけ考慮されることをオススメいたします。

次回のnoteでは無観客ライブの「売上の最大化」について論じたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
もしよろしければ「いいね」や「フォロー」をしていただけるとテンション上がります!

執筆者


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?