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ゲイの生き辛さを知ればボヘミアンラプソディがもっと心に沁みるようになる話①

□さらっと要点だけ!

・社会的背景やアーティストの生い立ちを知ることで、洋楽の歌詞はもっと味わい深くなる。
・フレディーマーキュリーがゲイであることはを知れば歌詞をもっと深く読み解ける
・冒頭の歌詞はゲイの自分に気付いた戸惑いや絶望について歌っている部分である。


こんにちは! LGBT英会話のそうしです。現在、作家の中村うさぎさんと共同で「うさぎとそうしの英会話レッスン」という動画シリーズを配信しています。その動画シリーズの中で、発表された時代の社会的背景やアーティストの生い立ち等の観点から深く掘り下げ、直訳だけで終わらない洋楽歌詞の解釈を一緒に行なっています。今回はBohemian Rhapsodyを紹介しようと思います。

最初にこの曲を聞いた時、どう感じましたか?歌詞が具体的に分からなくても

Mama, just killed a man

という歌い出しの部分が非常に印象的で、これを読んでる皆さんの中にもなんとなく暗い印象を持っている方は多いかなと思います。

フレディーマーキュリーはゲイでした

ボヘミアンラプソディを読み解く為には、この曲を作り上げたフレディマーキュリーがゲイであったという事実は欠かせません。フレディが育った時代は、ゲイに対する差別が現代より一層酷く、ゲイであることをオープンにして生きていくことは難しい時代でした。ゲイという生き方やゲイというアイデンティティ自体がまだ成熟しておらず、SM等のような「性癖の一種」又は「男だけど男に興奮する変態性癖」としての認識の方が根強かった時代です。その時代に思春期を過ごしたフレディはどのような日々を送っていたのか、それを念頭に歌詞を見ていきましょう。

Is this the real life?
これは現実なのか?
Is this just fantasy?
それともただの幻想なのか?
Caught in a landslide,  
地滑りにはまってしまって
no escape from reality
現実から逃げ出す術はない


冒頭ではゲイとしての自分に気付いて直面する「俺は異常なのかもしれない」という不安が描かれています。自分が他の子と違うことに気が付いてしまい、その現実を受け入れたくない気持ちです。周囲が女の子の話をする中、自分が気になるのは男の子ばかりで、「それはただのファンタジー、一過性のもの」だろうかと自問自答しています。性的指向は生まれつきのもので、普通になろうと思って変えられるものではありません。むしろ抗おうとすればするほど、その不安や絶望は自分を縛り、深みを増してしまいます。まさに地滑りに嵌った状態なわけですね。その八方ふさがりの状態が冒頭で表現されています。

Open your eyes
さぁ目を開けて
look up to the skies and see
空を見上げて見てごらん。


でも、ずっとその状態で悩み続けるわけではありません。多くのゲイがそうであったように、フレディも色々な人々との出会いやライフステージの変化によって実は自分以外にもゲイが存在することに気が付いていきます。フレディにとってクイーンとしての成功がそれだったのだと思います。実際にミュージシャンとして成功しその他の多くの著名人と交流する中で、ゲイのコミュニティを教えてもらったとフレディは語っています。より広い世界を知り仲間を見つけることで、自分がゲイであるということを少しずつ受け入れることができるようになっていくわけですね。

ゲイとしての告白。ゲイとしての生い立ち。ゲイとしての決意。彼のメッセージを一緒に読んでいきましょう。次回はこちらから

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