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商社人事22年の私が、45歳で起業した理由・・・

はじめまして、佐野智弘です。私は2019年7月末に、22年間勤めた伊藤忠商事を退社し、起業しました。なぜ45歳で起業する決断をしたのか? 起業し何を実現したいのか? みなさんと共有したいと思います。
(前職に不満があったから退職・起業したわけではないことを最初にお伝えします。成長機会を与えていただき、また仲間にも恵まれ、大変感謝しています)

商社を志望した理由

私は1997年4月に伊藤忠商事に入社しました。就職活動では幅広く業界や会社をまわりました。その中で、さまざまな機能を発揮し、グローバルを舞台に「社会課題の解決」を使命とする商社に興味を持ち、商社を第一志望としました。
私は、バックパッカーとして訪れたアジアの発展途上国における貧困問題を、ビジネスを通じて解決し、発展途上国やその国の人たちとWin-Winの関係を築いていきたいと考えていました。
また、「成長」という観点では、自分の性格からして、自分よりもレベルの高い人たちや、自分にはない能力・資質を持っている人たちに囲まれ、切磋琢磨する環境が望ましいと考えました。商社にはそのような人たちが多く、特に個性あふれる社員が多い伊藤忠商事に入社を決めました。

人事部への配属にショックを受ける

配属先は「人事部」と書かれた通知書を見て絶句したことを今でも覚えています。「商社=営業」という先入観を持っていたことや、人事部の役割や仕事をまったく理解していなかったことから大変ショックを受け、その晩はやけ酒をしたことを覚えています。
その後人事部の先輩から、「人が財産」である商社における人事部の役割はきわめて重要であり、「人材戦略」は経営そのものであるという話を聞きました。営業部署でなくても間接的に社会に貢献できると思い納得しました。結果として、入社から退社までの22年間、一貫して人事畑を歩みました。人事業務は一通り経験しましたが、その中でも特に採用・育成・評価・配置といった人材関連と海外人事のキャリアが長くなりました。
短期的には、人を扱う難しさを痛感した場面もありましたが、長期的には、人の成長が組織や会社の成長につながることを実感でき、大変やりがいのある仕事でした。人事の領域でキャリアを積めたことは幸運であったと言えます。

ニューヨークが私の人生を変えた

NYに縁のある伊藤忠人生でした。
はじめての海外出張は新入社員の時でしたが、行き先はアメリカでした。ボストンでの日本人留学生の採用イベントに参加した帰りにNYに立ち寄りました。
その後8年目に1年間、HR研修生としてNYに滞在しました。
15年目には、HRマネージャーとして、再度NYに赴任しました。この時は6年弱、滞在しました。
NYには、トータルで7年弱滞在しましたので、非常に恵まれた会社生活だったと言えます。
NYは私にとって、世界でもっとも好きな街です。街からあふれ出てくるエネルギーにいつも刺激を受けていました。革新的なモノやサービスが次から次へと生み出されいつもワクワクしていました。多様性に富んだ雰囲気は「自分らしく」いることを後押ししてくれました。何よりもニューヨーカーは人生を楽しんでいるように感じられ、自分の人生を振り返る機会を与えてくれました。

一方、日本は・・・
日本に一時帰国した時のこと。朝のラッシュ時に東京駅の近くで、似たようなダークスーツを着た多くのビジネスパーソンが、疲れ切った様子で通勤しているのを見てゾッとしたことがありました。
また、学生について言うと、アメリカの学生は、大学時代にビジネスに求められる基本的な知識・スキルを習得し、長期インターンシップを通じて就業経験を積極的に積んでいました。一方、日本の学生は、一部の意識の高い学生を除き、目的意識や勉強量において改善の余地が大きいと感じました。
外からフレッシュな目で見た時に、日本や日本人には今まで気づかなかった良いところがたくさんありました。一方、せっかく高いポテンシャルを持っているのに、それを十分に発揮できていないようにも感じられ、もどかしい思いをしました。

起業し何を目指していきたいか

40歳を過ぎた頃から、もっと直接的に世の中(特に日本)を良くしていきたいという想いが強くなっていきました。NYでの経験やそれ以外のさまざまな苦労や挫折を通じて、視座が高まり、視野が広くなったことが、その想いを強くしていったのだと思います。
では、自分にはいったい何ができるのか・・・?
私には商社での人事としての22年の経験・知識・スキルがあります。それらを活かし、特に大学生のマインドセットを変え、行動を促し、成長を支援していくのが自分の使命であるという結論に至りました。
「大学生の成長支援」は、けっして短期的に結果が出るものではありませんが、長期的には日本を良くしていく力になると信じています。

具体的には、大学生にさまざまな機会を通じて以下のことを伝えていき、メンタリングを通じて成長を支援していきます。

・キャリアに対する考え方は多様化し、キャリアの選択肢も多岐に亘るようになったため、常に情報を収集し、その時代において価値を生み出す知識・スキルの獲得につとめ、いつでもキャリアチェンジできる準備をしておくこと。
・就職することがゴールではない。急速な勢いでテクノロジーが進化し、グローバル化が進展していく現在や将来において、入社後に「成長」し続けることが生き残るカギであること。
・大学時代は、将来の「成長」にとって極めて重要な時期であること。できるだけ多くの多様な人と出会い、さまざまなことにチャレンジすること。頭で考えるだけでなく、実際に「行動」に移すことが肝要であり、失敗からたくさんのことを学ぶことが成長につながる。
・商社は、多様なリソースを有しており、グローバルベースで世の中の課題を解決できる大きなポテンシャルを秘めており、就職先として面白い存在であること。

私の起業の具体的内容については、今後紹介していきます。
また、キャリア・成長・就職活動・商社などについて、無料または有料にてnoteを配信する予定です。

メインの読者は大学生を想定していますが、高校生や社会人の方にとっても役立つ情報だと思いますので、ぜひぜひ読んでいただきたいと思います。  


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