夏に置いていかれたセミは何を思うか
※書いてみたいから思うままに書いた,所謂随筆,マルチなnote投稿を目指す(赤面
夏が過ぎ,愈々季節が秋に移ろいゆく雰囲気を感じる.
毎年,これくらいの時期の残暑に,土で息を潜めていたセミが羽化を始めようとポツポツと地上へ.
長く紡がれてきた命の連鎖を自分の命を以て紡がしめようと,セミは長い眠りから醒める.
そして,真夏やそれより早くに命を賭して役目を終えたセミたちと違うことを感じるのか.
早くに役目を終えた他者を羨むとか,もう遅かったかとか,まだ死にたくないとかを考えながら,鳴き続けるのだろうか.
ただ鳴く,ただ鳴きを聞くことを,動かなくなるまで繰り返す.
行為そのものはきっとセミ達の誰もがする.
7日という限られた時間を知ってか知らずか.
僕は自分がいつ死ぬかなんて,知らない.
知りたいとしても知る手段はない.
仮に自死をしたとするならば,それは圧倒的に自身の都合で自身の終焉を決めることができる数少ない方法の一つであろう.
セミもきっと自身の最後を最後まで知ることができないのであろう.
DNAに刻み込まれた,命の連鎖をつなげていくという本能がただ自身を動かす.
命あるものは,必ずいつか死ぬ.
何に生まれてきたとしても生まれた瞬間と同時に死に近づいていく.
自己が死ぬまでに,セミのように決められたように同じように死んでいくか,あるいは人間が多様に生きるような過程で生きる理由を探しながら.
僕はセミのように生きたい.
生きる理由が明確にあり,そのためだけに死ぬ.
自分の人生はまだキャンパスに筆を添え始め下書きが少しできたばかりだが,自分が生きた価値があると思えるように,筆を添え続けて死を迎えた時に絵が完成するような.
生きたいと願い,死に近づいていく.
そんな自然な営みの過程をただ濃く.
そして,その営みはどこかの道と道が交わるように,だれかと交わる.
もしかしたら最初から道なんてないのかもしれない.
歩いてきたところが道という考え方もあるが,前になければ想像し創造するしかない.
前に進みたいのであれば尚更.
より道は広がり,豊かになり,道草を食らうことをただただおおいに楽しみたい.
道は険しくなるかもしれない.
進みたい道の途中で崖に出逢うかもしれない.
道は分岐するかもしれない.
そんな道のりも総て楽しみ尽くす.
そのためには,いつ死ぬかとも分からないなんとなく長そうな,そして短そうな人生で,セミのように生きよう.
何のために生きたいのかという,自分で決めることができる道を明確にしながら.
#随筆 #随想 #poem #ポエム #詩 #夏 #初挑戦
世界が豊かになるように,まずは自分がささやかな豊かさを味わわせてただきたく。