CD時代のワクワク感
今でこそCDをめっきり買わなくなってしまったが、中学時代(2012~2015とかその辺り)、僕はCDを買ったりしていました。
今になって思うのが"CD時代のワクワク感って最高だったな"ということです。
タワレコでCDを買って、家に帰るまでず〜っとワクワクしっぱなしで。
家に着いたらダッシュで自分の部屋に向かって、CDを包むプラスチックを爪で破いてあけて。
ケースを開けて傷ひとつつかないように慎重にCDを取り出す。
CDプレイヤーにCDをセットする手間も、
再生ボタンを指で押してから再生されるまでのわずかなラグも、
ワクワク感を高めるためには必要な時間でした。
そして少しうるさいくらいの音量で一音もこぼさないように聴き入る。
歌詞カードを見ながら聴いていると、"作詞作曲した人は誰なのか"とか、"この当て字表現面白いなぁ"とか、今のストリーミング時代だと自分から探さないと目に入ってこない情報が、自然と目に入ってくる。
DVD付きのCDなんかを買っちゃうと、開封から余裕で3, 4時間ぶっ通しで夢中になってたなんてこともザラにありました。
あの時の異様なワクワク感、そしてその後に待っている夢中感は何だったのか。
今考えるとそれは、CDを聴く上でのある種の手間が関係しているのかもしれません。
CDを買いに行く手間。
買ってから家に帰る手間。
ぴっちりと引っ付いたビニールを剥がす手間。
傷つけないように慎重にケースから取り出す手間。
CDプレイヤーにセットして再生ボタンを押す手間。
再生ボタンを押してから再生されるまで待つ手間。
これらの数々の手間により、僕らは焦らされ、焦らされ。
刻一刻と最初の一音に向けたボルテージが高まっていく。
それが最高潮に達して今にも吹き出しそうなタイミングで、最初の一音が僕らの鼓膜をつんざく。
だからCDは最高にワクワクするんだと思います。
そしてこれを抽象化すると、"自分を意図的に焦らせればワクワク感を自ら作り出せるんじゃね"という仮説が生まれます。
つまり何らかの楽しみを少し先に予定しておくと、
それまでの間ワクワク感でいっぱいの中生活できるのではないかということです。
子どもの頃のことを思い返すと、
あの頃のクリスマスは1ヶ月くらいあったなと思います。
どういうことかというと、クリスマスの日を1ヶ月くらい前から楽しみにしていたので、クリスマス当日だけでなく11月下旬からクリスマスにかけた1ヶ月くらいずっと楽しかったような気がするんです。
この原理を利用して、1ヶ月先など少し先に、
気になってるホテルやお店を予約したり、友達との遊びを入れたり、
何だっていい、いつもは行かないような少し離れた公園に行く予定をカレンダーに入れたりしながら、
毎日ワクワクして生きていきたいなと思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?