「教師にも瞬発力・対応力が必要です」を読んで

「教師にも瞬発力・対応力が必要です。」

という本を読みました。

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上司に言われた一言

育休代替教員として働いていた、1年目。私は、当時の上司にこう言われました。

「1日のうちにきっちり準備した授業は1つあればいい」

私が受け持ったのは1年2組。1組と3組は経験豊富なベテランの先生。私は"質では絶対勝てないから"と毎日"量"で対抗し、機械警備に切り替わる、職場を出なければいけない22:00まで働いていました。

それを知っている上司は私に、寝不足で冴えない頭で授業したって、授業中頭が回らないだろう。それよりも、冴えた頭を回転させて、子供の発言を拾っていく方が良くないか?と、強制するわけでもなく、押し付けるわけでもなく、呟くように言いました。

過去の自分

1日ぐらい寝なくたって死なないと思っていたし、激しい運動をしたってちゃんと次の日に筋肉痛は来るし、暴飲暴食したって若いが故の新陳代謝で脂肪に変化することはなかったあの頃は、準備を怠って睡眠時間を確保する勇気がなく、自分でリミッターをかけられずにキリの良さという主観でしか測れない物差しで、延々と仕事をしていました。

若かりし当時は、それでもとっさに子供の反応に対応することは出来ていたのでしょうか。いや、出来ていなかったと思います。

昔から"量"ではなく"質"を高めていく努力をしていたら、きっと寝不足ではない冴えた頭で子供の発言を、少しは拾うことができたのではないかと思います。

年も重ねてきて、筋肉痛が来るのは「あ、筋肉痛来なかった」と期待感を抱いた次の日だし、たぶんちゃんと寝ないと次の日頭回らないし、とっさの対応なんて本でも学べるかもしれないけど、子供は一人一人違うし、日々アンテナを張れるコンディションを整えておかないといけないと感じます。

瞬発力・対応力を発揮できた日

「瞬発力・対応力」と聞いて思い出すのは、以前3年生の担任をしていた時のこと。

失恋ショコラティエ

自分の目の前で給食を食べている班の子供たちが、当時放送されていたドラマ"失恋ショコラティエ"の、溝端淳平さんが演じる役の名前が思い出せずに悩んでいました。

"失恋ショコラティエ"では、ショコラティエの松本潤さんが「サエコさん・・・(石原さとみさんの役名)」と言いながらまな板の上に流したチョコレートを練るシーンが頻繁に流れていました。

ちなみにその日は、食パンにチョコクリームを塗る給食。溝端淳平さんが何という役名だったか(正解は”オリヴィエ”)を思い出せなくてもどかしい思いをしている子供たちの前で、松本潤さんとは似ても似つかない不細工な私は、チョコレートを練りながら「サエコさん・・・」と呟きます。

その班の子が「えー!」「わはは」と騒ぎます。その班にいた、クラス1番のムードメーカーは「やめろよ!全然まつじゅんじゃないから!」と突っ込んでくれ、ちょっとだけウケました。

最近

その後も、クラスの中で、トイストーリーのランチョンマットを使っている子が多いと分かると「トイストーリー」を1から4までTSUTAYAで借りてきてこっそり涙したり、ゲーマーな軽い登校しぶりの他の学年の子にSplatoonの話を吹っ掛けたりしたことにより、

その後の子供との関わりの中で、瞬発的にパッと子供が好きなものにちなんだ言葉が出てきて、話が弾むということが、何度もありました。


「◯◯先生はSplatoonのレベルが60って聞きましたけど本当ですか?」

「嘘です。12です。」

といったやりとりとか。

そこからお互いおすすめの武器やスペシャルの話になり、僕はイカスフィアだ、私はマルチミサイルだ、ガチアサリ難しくない?など毎日のように会話を楽しむことができました。


アスリートは、徹底的に自己管理して自分の身体をいじめぬきますが、私は私なりに、睡眠時間がそこそこ確保され瞬発的に回転する頭と、ゆるく健康に気を付けつつ好きなものを食べ好きなお酒を飲み病まない程の健康な心と、一見建設的ではないようで子供と共通のステージに上がれる趣味や娯楽に触れ、日々の子供との関わりを楽しめたら良いなと感じています。

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