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大人への階段 11歳から18歳

要約

この時期の子供は相手への思いやりを獲得してゆき、社会規範もより強く意識し始めます。また、抽象的な考えもできるようになり、親などを自分自身で決定を下す為の情報源として使い、自己価値観"私は一体誰?"を模索し始めます。そして、ソーシャルメディアなども多く利用し、自分のコミュニティを広げ、さらに知識、能力を蓄積してゆく時期になります。

内容

ここでは、6つの主要な発達理論を一つずつ紹介し、それぞれの特徴や主張、子供が社会で生活する中で、どんな影響を受けて育つのかを伝えてゆきます。さらに、それぞれの理論から考えられうる、子供が健康的に成長するために必要なことを考察しながら、具体的な例を挙げてゆきたいと思います。

理論だけ言われても、"で、どうすればいいの?"というのが私自身も経験してきたことですので、できるだけ応用がきくように書ければと思っています。

思い

自分は"できる"と言う自己効力感。自分が所属するコミュニティーの中でたくさんのことを学びながら、自分の価値を探し、アイデンティティーの確立を図っていきます。この時期に、親の肯定的なサポートは不可欠だと思います。自分が守られているという感覚を持てていれば、冒険も積極的にしてゆきます。子供の自分探しに寄り添うためにも、親は変わらず積極的にコミュニケーションを取り、承認や、後押しをしながら、子供が安心できる安全基地になるようにしてゆきたいですね。


フロイトという人の発達理論(心理性的発達理論)より

フロイトはリビドーという概念を提唱しました。リビドーは性本能を発現させるエネルギーで、フロイトは人の成長過程において、一定の時期に身体の特定の部位の感覚が敏感になることから、リビドーにも発達段階があると考え、敏感になる身体の部位に基づいて5つの発達段階を発表しました。

それら特定の身体の部位は口・肛門・性器です。
この理論の中でフロイトは、リビドーが5つの段階においてどのように処理されるかによって人間の性格が定まっていくと述べています。


12歳以降は性器期という段階です。

そして、性器期は一生続いてゆきます。

この時期は異性に対し、性的興味を持ち始めます。これまでの時期は自分の欲求、ニーズに主に焦点が当たっていましたが、ここからは他人の幸福などに興味が移ってゆきます。

他人と関わるあらゆる場面、場所での自分のあり方のバランスをとってゆきます。

ここまでの発達段階を健康的に通過してきた場合、自分のあり方を理解し、他人を思いやる、暖かさのある人間になります。

この性器期の10代は自分の根本的な欲求と、現実及び社会規範のバランスがとれてきます。

この時期では3歳から6歳の記事で紹介した、エディプスコンプレックが再び戻ってくるともいわれています。つまり、これは家族のメンバーに対して性的脅威を感じるということです。

この脅威から自分を守るために、子供は家族から距離を取ったり、一時的に家族に価値を置かない時間があることがあります。

性的な対象となるパートナーを見つけると、親との間のエディプスコンプレックス的な葛藤は消えてゆきます。

青年期が終わる頃には、より自治のある親との関係ご可能になってきます。

実際には、5つ全ての段階で、完全に満足した形で通過してくることはできません。

では普通と言われる発達は状態はどんなものかというと、各段階で達成されずに生じる衝動を、健康的に表現できるという状態です。例えば、言葉にできるとか、社会的に許される範囲で表現できるなどです。


フロイトの発達理論には批判もあります。

主に男性に焦点を当てている、過去の経験と現在の関わりが測れない、実際にフロイトは子供に対して調査を行なっていない、ホモセクシャルは無視しているなどです。

不明確なことが多いです。

しかし、沢山の発達理論に影響を与えています。

で、どうすればいいの?

- この時期、親から距離をとったり、関わりが希薄になったりするかもしれません。これもエディプスコンプレックスの再来と考えれば、親の気持ちも少しは落ち着くかもしれません。子供も葛藤をしていることは理解したいですね。青年期終わり頃には落ち着いてくるでしょう。

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