タピオカを入れない理由 再投稿とあとがき
今日はタピオカについて。
『スタバが「タピオカは入れない」と断言するワケ』
先日、PRESIDENT Onlineの記事タイトルがこんなのだったので。
中身を読むと「流行やおいしさだけを追求したプロモーションは行わず、スターバックスの価値観に合うかどうかで判断している」などなどドリンク開発担当の方が語っていました。
「わらび餅は価値観に合うんかい」とか、「単純にキッチンにスペースがないからだろ」とは思ったのですが、まあこの辺にしておきます。
当店も2019年は沢山の方に「タピオカやらないんですか?」と聞かれました。
タピオカはやりません、今の所。
都内ではタピオカ屋が乱立し、異業種からの参入、ファストフード、コンビニ、業務用スーパー、しまいにはタピオカランドなんかも出来たりと空前のブームでした。
それを見てか、タピオカは簡単に作る事が出来ると勘違いしている人がいますが、それは間違いです。
確かにクオリティを下げれば簡単に出来ます。
レンジでチンで出来る物もあるので。
でも、これは圧倒的に美味しくない。
こんな商品を提供して恥ずかしくないのかな。と、思うほど美味しくない。
じゃあ品質の良い物を作ればと考えると思いますが、それが意外と難しいんです。
お客様がひっきりなしにやってくる一等地の路面店なら可能でしょうが、当店みたいにポツポツとお客様が来る程度だと品質の管理が難しく。
さらに専門店ではないので、お客様全員がタピオカを頼む訳がなく、ロスが多くなる事も容易に想像できます。
なので、当店はタピオカをやりません。
お客様にお金を払ってもらう程の品質を担保出来ないからです。
あとは、思い入れがない商品を提供したくないってのもあります。
喜んでくれるお客様がいたとしても、当店でやる意味、僕が作りたい理由がなければやりません。
儲かればいいだけなら、そもそも原価の高いカフェラテのお店にしていませんし。
どこか本当に美味しいタピオカを作るお店があって、その商品に感動して、相手も当店を好きになってくれて、是非一緒にやりましょうとなったら話は別ですけどね。
〜あとがき〜
タピオカですって。
2019年だったのか、あの空前のブームは。
過ぎ去ったからブームと言えますが、当時はそんな事も分からなかったので冷や汗をかいていました。
一部のコーヒー屋は波に乗り、その後フォームを崩した所も多いでしょう。
「あー、そういう感じなのね」
微妙な冷笑と、失った信頼は、取り返すのに時間がかかったと思います。
個人のコーヒー屋=こだわりが強い
こんなイメージもあるだろうから、よりね。
目先の利益に飛び乗るのも簡単ではないのです。
ただ、経営者としては少しでも売上をとりたいのは事実で。
あそこまでバッティングする業態は、過去にも無かったんではないでしょうか。
事実、タピオカの後、コーヒー業界の客を奪うような業態は出てきてないので。
あの時は大変だったな。
タピオカの後、カフェラテを飲もうとはならなかっただろうし。
ミルクとカロリーの大量摂取は、うちと物凄いバッティングしていたのです。
ただ、安易に飛びつかなくてよかった。
あそこで飛びついていたら、その後もぶれぶれの運営になっていたでしょう。
ないすです、当時の自分。
ほんとブームでよかったな。
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