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いつもの人のいつもじゃない時

昨日、いつもと違う時間に来てくれた人がいて。

「珍しいですね、どうしたんですか?」と、僕。

「やっぱり我慢できなくて」と、お客さん。

(何で我慢しようとしたのかは聞かない)

(愚問)

これはなかなかぐっとくる言葉でした。

あと一時間で仕事が終わるのに、その一時間を乗り切る為に寄ってくれたみたいで。

お店冥利に尽きると言いますか。

こんな使われ方をしてもらえるのは幸せだなと。

あと、僕がいる意味も再確認出来て。

その人が何曜日に来て、どの時間に来てるのか。

ずっといるから知ってる訳で。

毎週会ってたから違和感を覚えたのです。

「情報を共有してたら同じ事が出来るだろ!」

と、言う人もいるんだろうけど、それは体験としては別物で。

いつもの人から言われるのと、滅多に会わない人に言われるのとでは、感動量に差があると思うのです。

というか、こう思ってないとやってられなくて。

何の為に毎日お店にいるのかが分からなくなってしまう。

だから、「そうだそうだ」と頷いといてください。

(共感の強制)

前の職場では、店舗によっては常連さんノートみたいなのを作っていて。

でも、それが効果的に運用されていたかを考えると、そうは思えなくて。

最初は張り切るんです。

「常連さんの情報を皆で共有し、誰が対応しても気持ちよく過ごしてもらうんだ!」と。

ただそれは、それっぽい事をやりたいというだけにしか見えず。

いかにも良いお店像に取り憑かれてるというか、頭でっかちといいますか。

もちろん、店にもよりますよ。

黙っててもいつものコーヒーが出てくるのが最高のサービスと受け取る人もいますし。

でも、うちみたいな個店だと、そんな体験を与えた所でな。

やっぱり違うんじゃないかと思ってしまう。

何を言うかじゃなくて、誰が言うか。

その人が言うから説得力があって、言われたほうも心から納得してくれるんじゃないかと思うのです。

こんな事を書いといてなんですが、僕はお客さんの顔を覚えるのが苦手で。

確実に脳に欠陥がありまして。

だから、「こんな事を書いてるくせに、何回行っても初めてみたいな扱いをされる」と、怒りを覚える方。口だけ番長だと罵る方。

ええ、落ち度はこちらにあるので、甘んじて受け入れます。

ですが、コツがあるんです。

覚えさせるコツ。

(他人事みたいな書き方だな)

いつもの曜日、いつもの時間だったり。

来てくれた日にSNSにポストしてくれるだったり。

「この前は〇〇を頼んだから〜」と、匂わせてくれるだったり。

僕みたいなポンコツには、寄り添ってくれる優しさが必要みたいです。

冒頭で紹介した人は、いつものがあるから会話が始まって。

そして、いつものではない事が起きた時、記憶に刻まれるのです。

という事で、覚えてもらいたいという方。

(いるのか?)

よろしくお願いします。

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