読書感想文『ブランディングの教科書』

きっかけ

ブランディングがもしかしたら、自分のやりたいこと、自然にできてしまうこと、なのではないか、という感覚を受け、また、過去にインナーブランディングに関わった経験上、ブランディングにはずーっと興味があったため、本腰入れて勉強してみよう、と思い amazon を周回していた。

評価も良いし、教科書というだけあってもしかしたら網羅的に押さえられている本かもしれない、と思い今の自分にハマる本だと思い購入した。

気づき

ブランドとは、生活者から見た独自の役割を築き、感情移入が伴ったモノやサービス

我々が生活している上で、さまざまなモノやサービスに触れる機会がある。

必要だから使っているもの、仕方なく使っているものも少なからずあるだろう。

そんな中で、感情移入できるものは果たしてどれくらいあるだろうか。

そのブランドが他者からバカにされて、自分まで傷つくブランドがどれくらいあるだろうか。

考えてみるとそれはわずかしかない、ということがわかる。

僕にしたら Nothing がそれに当たる。

感情移入が伴うということは、少なくともそのブランドのパーソナリティが分かるという前提が必要である。

よくわからない人を好きになるということは、人間関係でも中々難しいだろう。

つまり、感情移入を伴わせるには何らかのブランドとしての意思表明が必要で、好きになってくれる人をある意味選ぶ、嫌われてもいい人を決める、という作業が必要なのではないか、と考えた。


ハミルトンの印象形成実験
人が物事を記憶するときには、情報を意味的に関連づけて、
「ひとつの概念」にまとめ上げて記憶するほうが、バラバラに記憶するよりも「効率的に」「より多くのことを」記憶することができる。

確かにそういうシチュエーションあるよなと思う。

まさに歴史の勉強において、体感レベルでハミルトンの印象形成実験の結果を感じることができると思う。

教科書やテストで年号や人名のみを文脈なしで覚えるのは、とても苦労した。

しかし、戦国時代の流れ、と行ったように一つの概念にまとめて、ストーリーを元に理解することによって、出来事や人名の繋がりが出てくる。

自社ブランドの認知を上げるためには、「ひとつの概念」をまずは発見するなり、作り出し、それを保ち、伝え続けることが重要なのだ。

これは、とても時間のかかる作業で、すぐに成果が出るような生産的な活動では無いことは誰でも理解できるだろう。

だからこそ、多くの企業はブランディングで二の足を踏んでしまうのではないかと考察した。

ブランディングは長期投資の考え方が必要であり、短期回収の考え方を一意に適用してはいけない部分なのでは、と考えた。


ターゲティングの意義
最も収益性の高いターゲットに絞り最小の投資最大の利益をもたらすこと

こう言われてみると当たり前のような気になってくるが、意外とこれができない、というのも経験的に分かっている。

新しい製品やブランドを立ち上げるときは、なるべく失敗のリスクを避けるために、可能性を広げておく、ということがありがちがムーブだと思う。

しかし、可能性を広げたままにすると、投資金額がとんでもなく多く必要になるのだ。その場合、ある程度回収ができたとしても、費用対効果が小さくなり、ビジネスとしての評価は小さくなりがちで、黒字化も遠くなるのではと考えられる。

逆にターゲットを絞っていないブランドと戦うのは、より容易になるとも考えられる。自社の固有性を打ち出して、ある特定のターゲットに刺さりやすいように投資を集中させれば、限られた投資で回収が可能だ。

と、理想論は語るに易しだが、実践は簡単ではないのだろう。

ターゲットを絞るには、やはり他社や現状の分析が必要で、それらの手薄な部分を上回る投資で攻めていく必要があるのでは、と感じる。

うむ。取り組んでみたい。


やること


まずは自社の現状を分析することから、問いを作って、それに共感してくれる仲間を集め、一緒に解に取り組んでいく活動をしてみたい。

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