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錦の帯がこのこころに射し込んで
連れ立つ波のむこうに
ささやかな幻影を架けた

暗い砂浜の しっとりとして
彼女の肌にも似た 墨色のかおり

暮れもせず
開けもせず
ただ光らないで射している帯の色を
いつか向けられた言葉の答えとして
水の中に沈めた

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