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【こころ #21】温かい詩のタイトルは「グループホーム」
I さん
東京都では、知的障害者(児)が各種のサービス(手当、制度等)を受けるために、知能測定値、社会性、日常の基本生活などを、年齢に応じて総合的に判断し、1度(最重度)、2度(重度)、3度(中度)、4度(軽度)に区分される。Iさんは、4度に当たる。
Iさんは、もともと関東の育ちだが、中学3年生から東北に暮らし、その後、親が都内でコンビニエンスストアを開業することになったことで、東北から戻った。初めての土地で、お父さんと二人きりでの24時間営業。頼る人も友達もおらず、一人で棚卸や深夜営業を担った。25歳の頃、「最後、精神的におかしくなった」。
そんな時に紹介されたのが、『社会福祉法人 大田幸陽会』が運営する就労継続支援B型事業所『のぞみ園』だった。自分のペースでアクセサリー制作や付録の封入作業などに取り組む中で、少しずつ回復していった。
その後、一般企業で清掃の仕事に就く。毎日夜10時には寝て翌朝5時半に起き、7時から働いた。今度は仲間もできて、カラオケに行ったりと、さらに回復していった。しかし、ある時、会社の体制が変わって「仕事の仕方が厳しくなり、以前のように柔軟に見てもらえなくなった」。約8年続いた仕事だったが、かつてと同じ『社会福祉法人 大田幸陽会』にある別の就労継続支援B型事業所『さわやかワークセンター』に戻った。
でも、成長が止まったわけではない。それまでは実家暮らし。母親は息子のことが心配で、息子も頼りたかった。故に「嫌なことがあると家に戻ったりと、弱かった」。でも、法人の相談員さんの勧めで、将来親がいなくなることも見据えてグループホームでの一人暮らしを始める。親子双方で一歩踏み出すきっかけをくれた結果、親子で良い距離感になり、結果的に嫌なことがあったとしても事業所への出勤を「休まなくなって、自立できた」。
Iさんは、詩を書く。「グループホーム」というタイトルの作品を見れば、相談員さんの支援がいかに未来への安心を生み出したか見て取れるだろう。
「グループホーム」
親がいなくなることを
考えているから
親からはなれてくらしている。
今、グループホームに住んでいて、
漢字の勉強を見てくれる。
ご飯を作ってくれる。
自分だと食事を作れない。
楽しいから一生、グループホームで住めたら自分はいいと思っている。
土、日曜日は家に帰っている。
グループホームでアドバイスを受けながら
へいおんな生活をしている。
今後も自分の工賃や
しょうがい者年金で
趣味や楽しいことをたくさん出来たら
いいと思っている。
▷ 社会福祉法人 大田幸陽会
▷ のぞみ園
▷ さわやかワークセンター
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